2012年こそ、与野党ともに「政治の力量」が問われる。示せ!政治の力量を。民主は反自民、自民は反民主の与野党対立構図では政治に限界があり、行き詰まると先送りの連続では前に進まない。それは前の国会で目の当たりにした。
野田総理が、国内の議論の前に国際公約までして不退転で取り組むとした税と社会保障の一体改革に絡む消費税増税問題は、政権与党内でも異論が出る有様で、公務員給与削減、国会議員数削減を先送りし、八ッ場ダム建設継続では、国民に理解を得にくいと言う正論まで飛び出した。
にもかかわらず、野田総理は何ら説明することもなく、実施時期と幅に関し半年遅れの素案をまとめてしまった。マニフェストも守らない党を批判して離党者まで出る始末だ。
一方の自民党は、10%増税を言いながら、賛否をはっきりしない執行部に長老である森元首相は、「自分も10%増税を掲げながら今、反対し解散に追い込み勝った後、自民党はどうするんだ。消費税増税法案など出せないのではないか」と増税賛成の姿勢をはっきりすべきだと批判した(朝日新聞 2011.12.29)。
これも真っ当な意見だ。自民党内では「長老だ、派閥の領袖だ」など批判されているが、長年の政治家の感だろう。
今進めている政策に批判的な人ほど、国民目線に沿っているなんて不思議だ。
消費税増税関連法案では、実施時期は「国家公務員削減法案、国家公務員給与削減法案が国会で成立した後」と明記すべきなのではないか。努力目標の条件を入れるなんて、そんなことで国民は騙されない。
民主党政権は、衆議院で絶対多数を維持しているうちに、政策のごり押しも出来るだろうが、最大勢力の反対グループがマニフェスト遵守を主張して党内を二分する状態になっている。一方野党第一党の自民党は、政権奪取を目標に解散・総選挙に追い込もうとしているために、政策での協調に組しがたい現実がある。
野田首相は、長年の政治課題を不退転で望むのであれば、もっと国民に説明すべきであるが、その姿勢が感じられない。政治主導が何処にあるのか分からない。マニフェスト違反の追及にどう応えるのか。
自民党も、政権奪取まで国民に不人気な政策を訴えないし、協調しないでは政権奪取後の政策推進に今の民主党政権の轍を踏むことになる。
これからの難しい政局運営に協調し合意点を見出し、国民に責任を持って説明する姿勢こそ求められる力量ではないか。
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