小沢さんの政治資金規正法違反事件の要点 2012.1.10 日本テレビ ミヤネ屋 |
10日、小沢さんの政治資金規正法違反事件公判で被告人質問が始まった。どうなっているのかメデイアの報道に注目した。弁護人の質問に、小沢さんは自分の関心事は天下国家の話で、その他のことは一切秘書に任せていた。秘書とは上司、部下の関係ではなく信頼関係で結ばれていた。収支報告書の記載で報告などは受けていないという趣旨の発言をしていることが分かった。
直接虚偽記載とは関係なさそうだが、土地購入の4億円の原資については、今まで政治資金、銀行融資、個人資産と答えが転々としていたが、今日は個人資産だと言ったようだ。遺産相続、自宅の土地売買、そして40年間の議員報酬など手元にあった現金だそうだ。
小沢さんの政治家経歴を見ると、天下国家を論じるよりも、最初は時の権力者の下で、後には自ら権力者の地位で常に主導権争いに明け暮れていたのではないか。「数は力」を信望し、勢力拡大のためにカネをばら撒く悪しき金権政治の主になっていた。
竹下、金丸さんの下で権勢を振るい、宮沢さんを総裁に押すに当たって呼び出して面接し、都知事選では鈴木さんに反対してNHKの磯村さんを擁立し敗退、自民党内の権力闘争に負け離党、その後政党の結党、解体を繰り返し自由党の時、菅民主党に吸収合併された。軒を貸して母屋を取られる例えのように民主党で着々と勢力を伸ばしていった。
小沢さんの力(?)で念願の政権交代は出来たが、「政治とカネ」でクリーンな政治を目指すはずの民主党の金看板に汚点をつけ、代表を下り、検察審査会に強制起訴されることになった。
天下国家に関心があったといえば、念願の政権交代が出来たことであるが実現不可能なマニフェストを掲げたために、今、消費税増税などで党内を二分する事態に至っているし、自民党福田政権時には民主党代表として独りよがりの大連立構想に失敗し、代表の座を降りようとした。その時「まだ民主党は政権を担う力はない」と言ったのが、今現実になってきた。
一方、政治改革の面では小選挙区制、政党助成金制度、官僚答弁の禁止、内閣法制局長官答弁の禁止、党首討論、国会参考人喚問などの改革をやってきた。しかし、今その制度のあり方に問題が出てきた。特筆すべきは「政治資金規正法違反事件」で自ら作った国会参考人招致への出席を拒み続けたことだ。
政策よりも主導権争い、権力闘争に傾注し、マスコミは剛腕小沢の虚像を作り上げてしまった。
それがこの国難のときに、小沢さんの剛腕に期待する向きがあるが、それには疑問だ。
打開すべき政策は何もないのではないか。あればその都度提案し民主党の政策に載ってくるべきであるが、「ダメだ。ダメだ」しか聞こえてこない。政権に就いていないのだからでは了見が狭すぎる。
小沢さんの今回の政治資金規正法違反事件は、検察vs弁護人の法廷闘争ではなく、このような虚偽記載、政治資金が公明正大な政治活動を政治家がやっているかどうかを有権者が判断する政治資金規正法の目的、趣旨に沿っているかどうかで判断すべきである。
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