2015年1月31日土曜日

ペルー天文学の父・石塚睦博士:忘れてはならない世界に散らばる知られざる日本人

世界には知られざる優秀な日本人が散らばっているのだ。30日のテレビ朝日「こんなところに日本人 4600m南米アンデスに渡った85歳のペルー天文学の父」石塚睦博士を訪ねた俳優のモト冬樹さんのレポートに感銘を受けた。

85歳の石塚博士は1957年、京都大学大学院の時、太陽コロナ観測所建設のためにペルーに渡り58年、高度4600mのワンカイヨに宇宙電波観測所を建設、今、天文学を専攻する息子さんが跡を継いでいる。日本に帰らずペルーで天文学の基礎を築いた功績は大きい。

その博士を訪ねてモト冬樹さんが南米ペルーに向かい、博士からいろんなことを聞き出すのだが、これが面白い。

飛行機とバスを乗り継いでワンカイヨ村で日本人を探すのだ。途中高山病予防薬を買うのだが気付け薬のような臭いがする薬をこめかみに塗るのが効くはずがない。

ワイカイヨに着いて番組の常套手段である「日本人を知っているか」と通りがかりの人に聞く。「知ってるよ」という人に会うと名前と行き方をたずねるのだ。地図に書いてくれて歩いて15分というのでモト冬樹さんは歩き始めるが家らしい物はない。1時間以上歩いてやっと警備員らしい人のいる建物に着く。ペルーの人は歩く速度が速いのかと嫌みを言う。

警備員に案内されて日本人のいる建物に着く。日本人は一瞬驚くが訪問の理由を知り家に招き入れてくれた(恐らく打ち合わせは出来てのことだろう)。

日本人はホセ・石塚さんと言って2世らしい。天文学が専門で観測所の所長だ。家族はリマにいて単身赴任という。観測所も案内され32mのパラボラアンテナが見える。何を研究しているのかと問うと「星や地球の生い立ち、起源を研究している」という。

願いが叶って家族のいるリマを訪れることになった。お父さん、お母さんに奥様が一緒らしい。

モト冬樹さんの質問にお父様が答えてくれたが、これがおもしろい。

京都大学で宇宙物理を専攻されたが、ボート漕ぎが趣味で願書に地球物理と思っていたら、隣に宇宙物理が書いてありおもしろそうなのでこっちにしたらしい。「何故、太陽の研究か」と聞くと、星だと夜の研究になるが太陽だと昼間の研究だからと言う。

「ペルーに来たのは」と問うと、大学院時代に観測所を作る話が出たとき、国内では既に乗鞍にコロナ研究所を東大が建設していたので海外と言うことになり、「ボートを漕いでいた石塚がどうか」と言うことになったようだ。当時結婚していたので家族でペルーに渡ったという。

建設場所を探しにペルー中を旅して、埃が少なく、晴天の多いワンカイヨ村を選んだそうだ。場所が決まり22年の歳月が過ぎ観測所が完成日本からも関係者がきて開所を祝ったようだ。

ここでチョット番組内容からそれるが、今、チリのアタカマ高原(高度5000m)にALMAという世界最高地点の天文台が建設され東大の赤外線望遠鏡など最大級の電波望遠鏡が設置され「生命の起源」などの研究を行っている。乾燥地帯なので赤外線や電波が吸収されず最適地であるらしい。今は国立天文台からの30人を含め総勢200人が研究している。

何でペルーのワンカイヨでなかったのかと不思議に思うが、東大と京大の学閥があったのか。

ところが折角開所した観測所だったが、政情不安でテロに襲撃され一時逃げたという。赤外線装置を提供するよう強要されたが、殺人に使われると言うことで拒否したがダイナマイトで爆破された。

石塚博士にとっては相当のショックだったようだ。その話をするときはしばらくの無言が続いた。

でも、負けてはいられない。各方面に協力を要請し再建に取りかかったのだ。

モト冬樹さんが「日本へ帰ろうと思わなかったか」と聞くと「仕事が終了していないので帰ろうとは思わなかった」という。強い意志を持っている。

「ペルーに何を残したか」という意味の質問をしたら、「天文学を継いでくれる息子を残すことが出来た」と喜んでいる。

奥様に「大変だったんですね」と聞くと、「もうわすれました」という返事が返ってきたのには驚いた。

ご主人がペルーに天文学の基礎を築き、息子さんがその意志を継いで研究している姿に昔の苦労などすっ飛んでいるのだろう。

知られざる苦労も乗り越えて世界各地に散っている日本人の偉大さを垣間見ることが出来た。

番組のコメンテーターも絶賛していた。そしてチョットしたことが人生を変えることに驚いた番組だった。

メモもせず、記憶に頼って記事にしたので不正確なところもあるだろうが概ね以上の内容だった。


ピゲテイの格差拡大縮小:安倍総理の経済成長が先か、民主党の言う格差是正が先か

21世紀の資本
読売新聞の単独インタビューで格差縮小と成長は
両立が可能という
政権の政策はどうしても大企業、富裕層向けになり格差は拡大する一方で上位10%を除けば「俺たちは90%だ」。安倍総理の経済成長が先か、民主党の格差是正が先か。ニワトリとタマゴの論争になってくる。

ピケティさんの「21世紀の資本」の「富裕の差の拡大が続くばかり」という主張に乗っかって野党・民主党は国会審議で「アベノミクスが格差拡大を招いている」と安倍政権の失政を追及する。

衆院予算委員会で安倍総理は「成長せずに分配だけを考えるとじり貧になる」と言えば、長妻さんは「適切な分配がなければ持続的な成長は出来ない」と応戦する(読売新聞2015.1.20)。

経済成長が先か、格差是正が先かというのだ。

ピケティさんもr>gが続けば一時的な縮小はあっても格差は拡大するという。その格差拡大を阻止するには戦争か、政策的なインパクトを与えることが必要で全世界的な富裕層への課税強化を提案している。

この動きはすでに始まっている。

OECDは「過度の節税」への対策として出国時の課税を提案する。G7の内で日本はやっと富裕層への株の「含み益」に課税することが政府税調で検討された。

また、オバマ大統領は20日の大統領一般教書で富裕層への課税強化と中間層への減税の税制改革案を提案するという。

ピケティさんの言うように富裕層への課税強化が始まるのだ。

ところが、安倍総理は富裕層への課税強化は実際面で難しいと言う。まず、デフレから脱して経済を成長路線に持って行くというのだ。安倍さん自身も富裕層だから課税強化はいやなのだ。

格差の拡大は消費の低迷、経済成長を阻害する。低所得者は収入のほとんどを消費に回すが、年金の削減で消費も落ちる。一方恵まれた層は収入が上がれば貯蓄に回す。大企業は法人税下げなどを要求するが、下がった分を賃上げに回すのではなく内部留保に回すのではないかと警戒されている。内部留保は300兆円にもなっているのだ。

麻生さんも、「政府は政策を出した。今度は財界が答える番だ」と言い、手詰まり感を匂わす。

企業の儲けを家計に再分配するシステムの構築は出来ていないが、安倍総理は「アベノミクスの成果を津々浦々まで」と、財界に賃上げを要求、経団連も応じるようだが企業によっては異論もあるようだ。

再分配の是非には歴史がある。中曽根内閣の時の前川レポート、福田内閣の21世紀版前川レポートでも失敗を経験済みだ。当時、内需拡大による経済成長を目指したが家計への再分配に企業側が抵抗したのだ。

経済成長が先か、格差是正が先か。


安倍総理のアベノミクスを支持するか、民主党の政策を支持するか。4月からの統一地方選で有権者が判定を下すことになるのか。

2015年1月30日金曜日

STAP細胞疑惑:理研OBが小保方さんを刑事告発、兵庫県警は受理し捜査に着手すべきだ

“さようならSTAP細胞、小保方さん”と言っても「誰が」「何で」と考えると後味の悪い結果になったが、理研OBで著名な研究者である石川さんが小保方さんを若山研究室からES細胞を盗み出したと言う容疑で兵庫県警に刑事告発した。兵庫県警は告発を受理して捜査に着手すべきだ。

調査委員会が「STAP細胞はES細胞の可能性が高い」と言っても「誰が混入させたか」が明確に出来なければ調査も中途半端で終わることになる。専門家もそこのところを問題視する。捜査権がない調査委員会が調査しても本人達が「自分はやっていない」と言えば、それ以上は突っ込んで調査できない。力不足は否めないのだ。

ところが捜査権のある検察とか警察が捜査に着手すると、今まで「やっていない」と言っていた人間が「私がやった」と白状する事態になる事が多いのだ。今回もその可能性が強いのではないか。

生ぬるい調査委員会の調査結果に加えて、理研は早々と調査を打ち切った。更に悪いことにこの事件の責任も理事長らの報酬の1/10カット、3ヶ月で濁そうとしている。

理研OBの石川さんは、理研が動かないのであれば自分が替わって更なる追求を続けるということで刑事告発したのだろう。

FRAIDAY(2015.2.6)に「若山さんからES細胞を盗んだのは彼女しかいない。証拠も揃っている」と小保方さんを刑事告発するという記事が掲載された。

石川さんはCDBの関係者から独自に証拠、資料集めをし小保方さんが「何をしたか」はっきり認識できたという。

それによると、3月頃から小保方さんがコソコソと細胞サンプルを廃棄、STAP細胞には関係ないES細胞のサンプルが小保方さんのフリーザーに保管されていたが、若山研究室が紛失した状態のまま小保方さんのフリーザーに保管されていたというのだ。

そのFRIDAYの記事から数日後、メデイア(名前は忘れた)のWEB版で石川さんがCDBを管轄する神戸水署に窃盗容疑で告発したという記事が目についた。

それには代理人(?)という弁護士のコメントも載っていた。「関係ない人がどういう法律構成で訴えたのか」と批判する内容だったと思う。弁護士は小保方さんが「やっていない」と言えば白の立場で弁護することになり真実の解明から遠ざかる恐れもある。テレビドラマで弁護士が「事実をはっきりさせることも弁護士の役目」と容疑者に不利なことをやっている例もあるが、これは稀だろう。

神戸新聞(2015.1.27)によると、石川さんの刑事告発を受け、理研が「要請があれば捜査に協力する。理研として更に何が出来るかも慎重に検討中」とコメントを出したらしい。

何を今更と言いたい。今まで調査委員会の調査にも十分に協力していなかった理研が刑事告発を受けて態度を変えたとでも言うのか。

ならば、石川さん側の参考人としてCDBの関係者に捜査に協力するように便宜を図るべきではないか。

兵庫県警が受理して捜査に着手するかどうかはまだ不明であるが、要は関係者の証言、容疑に関わる資料が入手出来るかどうかだ。理研が捜査に全面協力すれば真実追究の可能性が出てくるのだ。

もし、兵庫県警が受理しなければ真実は闇へと消えていく。今回のSTAP細胞疑惑は、コピペ、捏造、改ざんは科学者としてやってはいけない事だが、「知らぬ存ぜぬ」で責任逃れも出来ることを教えたことになる。


こんな結果になって欲しくない。


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2015.1.8掲載
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2015.1.04 掲載
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2015年1月28日水曜日

ギリシャ反緊縮政権誕生:デフォルトか、EU離脱か、緊縮見直しで欧州経済危機の再燃か

ギリシャの総選挙で急進左派連合が勝利し政権を取ったが、反緊縮でデフォルトか、EU離脱か、それとも緊縮財政見直しで欧州経済危機が再燃するのか。EUから支援の代わりに要求された緊縮財政は、経済停滞、失業率上昇でギリシャ国内の経済は疲弊、飽き飽きしていた国民は総選挙で野党の「反緊縮」へ大衆迎合した。

新聞報道によると、ギリシャの国内経済の実体は個人消費の激減、中小企業の倒産、融資は受けられず、デフレで借金は実質増の状態だという。

同じような状況にある南欧諸国の左派はギリシャに共鳴した。

スペイン左派新党・ポデモスは「変革の風が吹き始めた」と言い、イタリアの地域政党・北部同盟は「次は私たちの番」、イギリス独立党は「貧しくなった数百万人の助けを求める声」、フランス右翼・国民戦線は「EUに平手打ちを浴びせた」とコメントを発表したという(朝日新聞2015.1.28)。

急進左翼進歩連合と右派の独立ギリシャ人連合とで樹立したチプラス政権は緊縮政策を見直すという。財務相には、先の経済危機でデフォルトを主張した経済学者を任命した。

でも、EUからの支援がなければやっていけないのは事実だ。まず最初にやるのが借金の減免だろうがドイツが反対しているようだ。

ユーロ圏ではデフレを防止するためにECBは量的緩和に踏み込むようだし、各国に財政再建を要求している。

それともいやなら「デフォルトする」か、「EUから離脱する」かの難しい選択になる。EU崩壊は欧州経済の危機ばかりか世界経済への影響も大きく絶対に避けるべきだろう。

ギリシャ国民は安易に大衆迎合で「反緊縮」の方を選択したが、デフォルトしたり、EUから離脱しても自国経済の再建は難しい。ECを頼らざるを得ない状況は続くのだ。

欧州経済のゴタゴタは危機を呼び、株価、為替は目まぐるしく変動するだろうが新政権も財政政策の見直しで難問先送り、 EC支援続行と言うことになるのだろうか。


2015年1月27日火曜日

たけしのTVタックル「東京はゴミ箱が少なすぎる」に同感だ

この文字が読めないか
跡を絶たない吸い殻のポイ捨て
26日のテレビ朝日 「たけしのTVタックル「身近な不満を訴える直談判SP」」の「東京はゴミ箱が少なすぎる」という発言に同感だ。私の住んでいる東京・大田区久が原の公園でもゴミ箱がなくゴミが散乱する事態になっているのだ。イスラム国人質殺害ニュースばかり見ていて、途中から番組を見ることになったので何故、そういう不満が出て来たのか分からないが、「地下鉄でゴミ箱が少ない」という発言が続いた。

それによると「爆弾テロ防止」とか、「原則としてゴミは持ち帰る」という考えがあるようだが、地下鉄に全くゴミ箱がないわけではなく設置されている駅もあるが少ないことは確からしい。

セクハラ野次で一躍有名になった塩村都議会議員もコメンテーターに参加してのゴミ箱談義で他のコメンテーターから爆弾テロを危惧しているのなら「交番の前に設置したらどうか」という提案もあった。

でも、地下鉄でゴミ箱を設置している外国の例が紹介されていたが、爆発にも耐える頑丈なゴミ箱(NYの地下鉄)や不審物が外からも分かる透明なゴミ袋の設置(パリ)など工夫されているようだ。

東京・大田区には「清潔で美しい大田区を作る条例」があり、歩行中の喫煙や自転車運転中の喫煙は禁止でタバコの吸い殻のポイ捨て者には1万円以下の過料が科せられるようになっている。

ところが、タバコのポイ捨て、マンション植え込みへのタバコの吸い殻、ゴミの投げ捨て、公園でのゴミの散らかしは目に余るほどだ。

一番危険なのは火の付いたままのタバコをマンションの植え込みに投げ込まれたり、空き缶の投げ込み、細かいゴミは当たり前で何のためか分からないが数枚の食パンや夏日にあたり破裂を期待しての愉快犯なのか炭酸飲料水が一杯入ったままのペットボトルが投げ込まれたし、麺類が残り箸を突き刺したままのカップラーメンが植え込みの中の庭園灯の上に置いてあったりする。

通勤、散歩、犬の散歩など通行人が多い場所なので掃除しても追いつかない。

東京大田区久が原の道道橋のぞみ
児童公園
注意喚起の標識は多い
近くの道道橋のぞみ児童公園では季節、休日の前とか天候などで公園を利用する人数も変わるが空き缶、コンビニで弁当の包装、割り箸、ペットボトル、タバコの吸い殻、レシート,テイッシュなど多様なゴミが散乱する。

この公園はトイレ、水道は他の公園でも見かけるが、違うところはテーブルをはさんで向かい合って座るベンチが設置されている。だから数人で寄ってきて物を食べながらおしゃべりすることが出来る。さらに近くには自動販売機、コンビニが2店舗があり絶好の場所かもしれない。

そして他の公園と違うところは、子供や大人が集まりそうな公園でありながらゴミ箱が設置されていないのだ。だから燃えるゴミ、不燃物、金物がゴッチャで捨てられているのだ。

更に悪いことに、この辺はマンションが多い。一戸建ての住宅の間にある公園と違ってマンションの住民は公共心が乏しく、ゴミを散らかしても、散らかっているのを見ても知らぬふりなのだ。

松仙児童公園
ゴミ箱が設置され公園内はきれいfだ
子連れの母親の利用が多くきれいなのか
私の調べた一戸建ての住宅の多い地域の公園はきれいだし、ゴミ箱が設置されている。

そこで大田区のHPで「道道橋のぞみ児童公園にもゴミ箱を設置したらどうか」と提案したら早速担当部署から返事が来た。

「誤解されていると思うが、今は公園にゴミ箱は置かないことになっている」というのだ。公園の清掃は自治会の老人倶楽部に委託して定期的に掃除をしている。だからタバコの吸い殻のポイ捨てには「禁煙」の表示をし、ゴミの散乱に対しては「家庭ゴミの持ち込み禁止」の表示をすると言う。

「家庭ゴミを持ち込まないでください」の表示もチョット可笑しい。「出たゴミは持ち帰ってください」と言うべきではないか。以前はゴミ箱を設置していたが家庭ゴミが持ち込まれたので設置を止めた経緯があるらしい。

表示類はその日のうちにされたが、ゴミ箱を設置している公園は他にかなりあるのだ。それらの公園はどういう人が利用しているのか分からないが、きれいでゴミやタバコの吸い殻の散乱はなく、ゴミ箱にはきちんとゴミが入れられている。

道道橋のぞみ児童公園のテーブルとベンチ
物を食べながら団らんするにはうってつけ
天気は雨だったのでゴミの散乱も少なかった
2015.1.27撮影
テーブルをはさんで向かい合って座れる様になっているから近くのコンビニで食べ物を買い、自動販売機で飲み物を買い、数人で集まり団らんするのにこの公園が利用されているのではないか。
驚いたことに夜遅く、あるいは早朝に中学生や高校生と思われる学生も利用している。

そこで向かい合うようなベンチは止め、テーブルも撤去したらどうか。そうすると利用形態も違ってくるしゴミの出も少なくなるのではないか。

利用者の公共心に期待するのは早すぎる感じだ。毎朝、マンション周りのゴミ拾いをやっているがステッカーを貼っても読めない人が多すぎる。

こばと児童公園  千鳥保育園の前
ゴミ箱は燃えるゴミ、不燃ゴミに分別されている



















































2015年1月25日日曜日

高速道でのパンク事故:あわや重大事故の一歩手前を経験

高速道で異物が刺さりパンク事故
高速道での事故は死亡など大事故に結びつくと注意喚起されているが、その一歩手前のパンク事故を初めて経験した。夜間ではあったが幸いにも環八から関越道の練馬ICから入って新座料金所手前で比較的広い路肩があったために本線から比較的離れた場所で作業することが出来た。

料金所の700m程手前でバーンという音がして車の後部が異常振動を始めた。最初は何が起こったのか分からなかったが車の流れが途切れるのを待って路肩に車を寄せて止まった。パンクだ。タイヤも熱くなっている。出来るだけ本線から離して止め直した。

ハザードランプを付け、トランクを開けると三角停止板がでる。それだけでは不足のようで車に積んでいた緊急時に安全ベルトを切るカッター付きで赤の点滅ができる懐中電灯を車から離して置き、スペアータイヤとの交換作業をした。

一番心配したのはボルトを緩めることが出来るかどうかだったが、正規のトルクで締め付けてあったので備え付けの工具で緩めることが出来た。工具に足で立って体重を乗せても緩めることが出来なければJAFを呼ぶしかないのだ。

スペアータイヤ交換が終わって東京へ帰るためにUターン出来る場所を探したが料金所手前でもダメで、一度料金所を入って最初の所沢ICで出て再び入り直し東京に帰ることにした(Uターン出来ないのは当然の話で、すでに高速道に入っていることになるのだ)。

翌日、知り合いのタイヤショップでパンクの具合を確認した。溝の部分に比較的大きな異物が刺さってバーンと一度に空気が抜けたようだ。その異物も空気が抜けると同時に飛んでいったようだ。

空気が抜けたまま70kの速度でしばらく走ったのでホイールに変形が出来ているかと思ったがバランスチェックで異常は無かったようだ。

今回はたまたま広い路肩が利用できたのが幸運だったが、作業している背後を高速で車が通過するのは不気味だった。

高速道での事故は後続車にどうやって知らせるかが問題だ。ハザードランプ、発煙筒もあるが、たくさん白いタオルを用意しておき、白線替わりに事故車から離れるよう誘導する方法が一番効果があると以前にテレビ番組で検証実験していたのを覚えている。
一つだけタイヤショップで注意されたことがある。正規の空気圧は2.2k(?)だが、今回測定すると1.6kに減っていた。新しいタイヤを履いて6ヶ月しか経っていないが減っているのだ。「1ヶ月毎に空気圧のチェックに来てください。無料ですから」と言われた。

車を乗る前には必ずタイヤを足で蹴って空気圧がどうかチェックしていたが、それでは不十分なのだ。


車の足回りは大事だ。今回は重大な事故には至らなかったが良い勉強になった。

2015年1月24日土曜日

「イスラム国」人質殺害予告;危険に飛び込む前に「止める勇気」も必要では

イスラム国の人質殺害予告
テレビ朝日 スクランブル 2015.1.21
20日のメデイアが報じる「イスラム国」人質殺害予告の映像は私たちには大きな衝撃だった。自ら紛争状態にあるシリア、イラクに入っていったとは言え、危険に飛び込む前に「止める勇気」も必要ではなかったかと疑問になる。

戦争状態の危険な地域に入っていって現状を報告しようとするフリー・ジャーナリストの後藤さん、自らのビジネスに実績を残そうとする湯川さん、それぞれ目的があっての行動だったのだろうが、「危険と対峙するとき、止める選択肢」もあったのではないか。それがプロの道だと思うのだが。

自ら選んだ行為なのだから「自己責任」が問われるところだ。後藤さんはビデオで自分の責任に言及していたが、政府も国民も腹の中ではそう思っても実際にはそうはいかないのだ。政府はあらゆる外交ルートを通じてコンタクトしようとしているがシリア大使館は一時閉鎖しヨルダンに移転しているのだから情報収集も簡単ではない。

こういう事態になるといろんな専門家、事情通がテレビに顔を出す。イスラム国にパイプがあると言うジャーナリスト、大学の元教授も記者会見で発言しているが「政府からの協力依頼はまだ来ていない」と不満顔だ。この2人は北大生事件で公安から家宅捜索を受けているのだから無理だろう。

ネット時代だから情報発信もネットだが、これでは交渉相手が掴みにくく政府の考えが相手に伝わっているかどうかの確認も不確かだ。それでもネット上でそれらしい形跡を追っかけているのだ。

湯川さんと後藤さんが人質になっていることは関係者の間では確認できていたようだが、後藤さんが人質になっていることがメデイアに出て来たのは初めてではないか。フリー・ジャーナリストとして戦争状態になっている国の現状を報告したり、出版したり幅広い活動をしている数少ないジャーナリストの一人らしい。

23日にはお母さんも記者会見で「後藤さんはイスラム国の敵ではない」という意味のメッセージを送っておられた。聞くところによると2週間前に子供さんが生まれたという。そんな状況の下で何故イスラム国に走ったのか。

友人である湯川さんを助けるとか、イスラム国の現状を取材するとか言っておられたそうだ。「家族より友人の方が大事なのか」と素朴な疑問が出てくるが、過酷な戦争を一緒に戦った戦友との絆は家族との絆以上に強いと言った戦争経験者がいたが、シリア、イラクの厳しい環境の元で一緒に活動した友人も同じことなのだろうか。

ところでこの人質殺害予告は安倍総理の中東訪問と関連が強いと言われている。安倍総理は17日のカイロで中東政策として今まで25億ドルの支援をしたが今度新たに22億ドルの支援をするという。そしてイスラム国がもたらす脅威を少なくするために難民、避難民の人道支援に約2億ドルの支援をすると発表した。

この人道支援をイスラム国が敵対行為を判断したようで、2人の身代金として約2億ドルを要求してきた。金額が符合するので安倍総理の中東訪問のタイミングを見た人質殺害予告とみられている。

メデイアの報道によると、海外のメデイアはこの人道支援を大きく報道してはいないようだ。日本は聲髙に主張するが、残念ながらその通りには受け止められていない。安倍総理のバラマキ外交が裏目に出た事件なのだ。

では「どう解決するのか」、判断も難しくなってきた。

政府が言うように「テロに屈せず」が基本だが、米英も全面的に支援すると言っている以上は身代金解決は遠いのではないか。身代金を支払えば国際世論を敵に回すことになる。米国も国際的イスラム国壊滅作戦に出て来た。

考えてみればどんな理由があれ、最後はビジネスなのだ。

おカネが入らなければ仕事を続けることは出来ない。他の人より差の付く結果を出そうとすれば無理をしてでも危険を顧みずに飛び込んでいくことになる。うまく行けば評価されるが、失敗したから今回のような人質殺害予告事件になったのではないか。

山登りでもよく言われる「撤退する勇気を持て」と同じで「危険と思ったら止める勇気」も必要だ。死んでしまえば何も出来なくなる。


兎に角、無事救出されることを祈るばかりだ。

2015年1月23日金曜日

八ッ場ダム本体工事始まる:政権に翻弄され2度の反対運動を経て

ダム本体工事が始まる現場
2014.5.26撮影
政権に翻弄され2度の反対運動を経て八ッ場ダムの本体であるダム工事が始まった。1953年建設計画が持ち上がってから住民を2分する激しい反対運動を当時のニュースで知ることが出来るが、2009年民主党鳩山政権で凍結方針が出ると今度は凍結反対運動だ。当初は建設反対し、今度は凍結反対で建設推進を訴える奇妙な反対運動を経験した。

その八ッ場ダムのダム本体工事の準備作業が21日始まった(東京新聞Web版 2015.1.21)。

2010年春、川原湯温泉、八ッ場ダム関連工事を見に行った時には温泉街にある唯一の食堂でラーメンを食べたが、そこのご主人に「反対運動はどうなっているんですか」と聞くと「どっちの反対運動ですか」と問い直してきた。そうなんだ。ここでの反対運動は「当初の建設反対運動」か、「凍結反対運動」かの2つがあるのだ。

「ここまでやって、政権が変わり「コンクリートから人へ」になって凍結されては迷惑この上ない」ということになるのだ。政治に翻弄された60年の八ッ場ダムの歴史なのだ。

何故か選挙では争点を避けた。先の参院選では民主党候補の富岡さんは何ら言及せず、自民党候補の中曽根さんは建設続行を主張し当選。民主党は全国区に元知事の小寺さんを擁立したが小寺さんは八ッ場ダム建設推進派だった。反対運動にかかわった住民は「困るンよね。小寺さんもよく知っているから」と困惑顔だった。

親子、親戚間でも対立する激し反対運動だったが1980年に代替地造成による現地再建が提案され、1992年に町が基本協定を結び生活再建が優先する計画になったが4度も変更され完成時期も2000年から2015年、そして今回2019年が決まった。

その間総事業費は2110億円から驚くことに4600億円に増額、今回のダム本体工事費が342億円だとするとほとんどの事業費はダム本体工事外の生活再建関連になる。

長引く工事は川原湯温泉の旅館の廃業、人口流出が相次いだ。それでも2009年には「中止したらどうなるか」と言う問に国土交通省は「工事継続より800億円高く付く」と回答したこともある。どんな計算か知らないが疑ってかかるべきだ。

政権も乱れた。2009年に民主党鳩山政権は「凍結宣言」したが、2011年再検証の結果、建設継続を打ち出し2013年作業が再開され昨年2014年11月に川の仮締め切り工事、国道145号の閉鎖が決まり工事専用道路となり今に至っている。

10年前から八ッ場ダムの本体工事に興味を持ち川原湯温泉に通っていたが、住居を東京に移してからは行く機会が減ったが、久しぶりに2014年の5月25日に訪ねた。

ダム本体工事現場には業者の現場事務所が建ち、測量などの準備作業をやっているようだった。30人ほどのツアー客を引率する案内人は「建設反対、自然を守れ」と訴えていた。

ダム湖に沈む吾妻渓谷
一番の見所
吾妻渓谷の一番の見所である瀧見橋周辺は「通行止め」になり、もうあの景色は見られない。向かいの散策道にも入れないようになっていた。

JR川原湯温泉駅近くには湖面1号橋(八ッ場大橋)が建設され、桁の高さは74m、標高583mに表示されている。ここが満水時の水位なのだ。 見上げると結構高い。

橋脚の立っているところは、以前茅葺き屋根で水車も回っていた食事処「ふるさと」のあったところだ。「胸が痛む思いで閉店」という紙が前に来たときに張ってあった。「ここは橋が立つので撤退しなければならないが、未だはっきり代替地の計画も決まっていないので何とも言えない」と今後について話していたのを思い出す。

温泉街に入っていくと土産店は撤去され基礎だけが残っていた。郵便局も営業をやっていたが新聞報道によると最近それも撤退したらしい。川原湯温泉の中心地の柏屋、高田屋など数軒の旅館が建っていた場所は建物も撤去され基礎部だけが残り、駐車場に利用されていた。

山水館向かいの崖に586mの標識
この下3mが満水位になる
2006.11.25撮影
考えてみれば急峻な崖地にピーク時は30軒ばかりの温泉旅館が建っていたのだ。そして周りは崖崩れの跡や落石防止ネットが張り巡らされている。「よくも建物毎崩壊しなかったものだ」と驚くばかりだ。

こういったひなびた川原湯温泉のイメージが、ダムが完成し満水になり湖畔の温泉地になるとイメージが大きく違ってくるが、川原湯温泉ファンの人はどう考えるか。

露天風呂の「聖天様」も前年の6月30日に閉鎖されていた。今やっていたのは公衆浴場の「玉湯」と足湯だ。露天風呂はバイクで旅する若者達に人気があったようだ。湯質もきれいで「後の人のためにきれいに使いましょう」と注意書きがしてあった。

足湯では以前に温泉タマゴを作っている年配の男性に会った事がある。スーパーからタマゴを買って来てここで温泉に浸けて作っていた。「そんなにたくさんどうするんですか」と聞くと、「近所に分けるんです。喜ばれますよ」と言った。

温泉街の一番高いところ付近にお墓があった。ここでも年配の男性に会い、「墓参りですか」と聞くと「これが家の墓です」、「民主党政権で工事凍結が発表されたがどうなるんですかね」と聞いてきた。「別に墓地も買っているけれど工事が凍結であれば動かす必要はないのですが」と困惑気味だったが、その後訪ねたときはお墓も移転していた。

代替地工事が進む
川原畑地区から打越地区を望む
2009.10.21
高台の代替地である打越に言ってみた。相当立派な家が建っている。棟数も増えてきたが区画や道路整備がまだ十分ではない。観光客に有名だった土産物店の「お福&まるきや」も営業していたし「玉湯」も 湖近く(?)の移転先が完成しているように見えた。

新築の家と続きで畑もあり作業している人もいた。宅地と畑では分譲価格(?)も違うだろうがどう評価されているのか。あたりを見ても畑地は少ない。田んぼなんて見られない。これでは農業で生計を立てている人たちはどうするんだろうと疑問が出てきた。

代替地の打越地区、川原畑地区を見るとまず神社、お墓が移転してくるのだ。

不動大橋から湖底に沈む下流を望む
2014.5.26撮影
一時有名になった湖面2号橋(不動大橋)を渡り「道の駅 八ッ場ふるさと館」によった。ここは生活再建事業の一つのようだ。終車場も一杯で繁盛しているようだ。不動大橋から下流を見渡してみる。畑など農地、国道、JRは湖底に沈んでしまうのだ。

一時はどうなるんだろうと心配していたが、国の計画通り八ッ場ダム建設、生活再建事業は進んでいるのだ。

でも、難題は残したままだ。

まず、八ッ場ダムの意義が薄くなっていることだ。利水、治水と言うが節水も進み「水余り」の状況が出ているし、カスリーン台風の被害から治水が重要視されてきたがその効果に疑問が出ているのだ。

そもそも60年前の計画を屁理屈を付けながら事業を継続する国土交通省の姿勢が可笑しい。完成後の維持管理も含めて大きな利権があるのだ。

しかし、専門家も指摘する地滑りの危険は拭えない。打越代替地の後ろの山、沢を見ると至る所に砂防ダムが設置されているし、盛り土部分も多い。最近豪雨で斜面が崩れ駅まで泥流が押し寄せた事がある。

心配なのは奈良県の大滝ダムを思い出す。ダムが完成し試験的に水をためていたら周辺で地割れが発生し住民が避難した例がある。専門家が計画時から指摘していた事でもあり事業者の無責任さがうかがえる。八ッ場ダムもその危険があるのだ。

そして巨大な維持管理費をどう捻出するのか。恐らく税金での持ち出しだろうが役人の安易な天下りは許せない。

更に新しい川原湯温泉としてどういうイメージ作りをするのか。ひなびた温泉地から湖畔の温泉地になるが、近くには有名な草津温泉も控え競争も激しくなる。温泉旅館ばかりでなく娯楽施設も必要になるが積極的に投資する意欲が出るか。代替地には旅館の建設予定地表示されている。

不安だらけの八ッ場ダム建設工事は最終章を迎えたのだ。

吾妻渓谷に設置されている「自然を大切にしましょう」の看板にむなしさを感じるのだ。


2015年1月20日火曜日

民主党自主再建の成否:固定観念で民主党を見るのを止め、プラス思考で育成できないか

民主党自主再建を固定観念で見るのを止めプラス思考で野党第一党としての地位を確保し政権交代が出来る2大政党の一つとして民主党を育てなければならないのではないか。民主党自主再建派の岡田さんが新代表に選ばれたが、「誰がなっても変わらない」「党内で熟考し最後はリーダーが決める政党文化が必要」と保守系、リベラル系が混在する政党で「まとまりのなさ」が相変わらず続くとみている。

私も19日、「岡田・新民主党に何を期待するか、否期待出来るか」と言う内容の記事を掲載したがご多分に漏れず、民主党再建の難しさを強調しすぎた。民主党の立ち位置は「中道」と言い、保守系、リベラル系の混在を良い意味では「多様性」と言っているが結局のところは「曖昧さ」のことで、これでは一強自民に対峙できないと言うことだった。

ところが、「チョット待てよ」という気になった。20日朝、NHKラジオで「ABC理論」の話を聞いて、民主党もそう見られているとすると「気の毒だなあ」と感じたのだ。

ABC理論とは、A:出来事、B:思い込み、固定観念、C:その結果導かれる感情、行動と言うことになる。出来事が原因で感情、行動が起きるのではなく、出来事をどう受け取ったかで感情、行動が起きるというのだ。この「どう受け止めるか」が私たちの固定観念であり、思い込みなのだ。

皆、自分勝手に思い込んで出来事を評価、判断しているのだ。

今の民主党、これからの民主党も民主党政権時のゴタゴタ、肝心なところでまとまらず、分裂、離党を繰り返すという固定観念、思い込みが強く民主党が信を取り戻すまでに至っていない。これでは、政策も曖昧で、自民の対立軸になれず、政権を託す政党にはなれないというのだ。

そこで、こう言った固定観念を捨て民主党をプラス思考で育成する手を考えて見る必要があるのではないか。

政策はこれから出てくるだろうから、取り敢えず新聞に載った人事でも考えてみよう。幹事長に枝野さん、政調会長に細野さんだ。

枝野さんは海江田体制でも幹事長だったので続投と言うことだが、岡田さんは「最も信頼できる人」として登用したという。いち早く岡田さんを支持したお返しと見られがちだが、党運営の手堅さ、自民安倍政権に対案を突きつけて対峙していく能力を期待したい。曖昧な政策は批判の的になる事も知っているはずだ。

細野さんは代表選での対立候補で政治の世界では選挙後、要職で答える慣例がある。自民党でも総裁になるには数度の総裁選を経験しなければならなかった。今回もそれに答えたと見るべきだろうが、民主党も「若さ、世代交代」で無党派層の支持も得ようとする現れではないか。でも決して「風頼み」の政治であってはならない。

代表戦で戦ったもう一人の候補者、長妻さんも要職で起用することを考えているようだ。自民党政権が一番手強い相手は長妻さんだと言っていたが、政策に通じた論客として自民党と対峙できる地位が良いのではないか。

メデイアも民主党のマイナスイメージばかりの報道ではなく、プラス思考でエールを送ってはどうか。安倍総理から「偏向報道が目立つ」とクレームが付くぐらいのことをやってはどうか。