21世紀の資本 読売新聞の単独インタビューで格差縮小と成長は 両立が可能という |
ピケティさんの「21世紀の資本」の「富裕の差の拡大が続くばかり」という主張に乗っかって野党・民主党は国会審議で「アベノミクスが格差拡大を招いている」と安倍政権の失政を追及する。
衆院予算委員会で安倍総理は「成長せずに分配だけを考えるとじり貧になる」と言えば、長妻さんは「適切な分配がなければ持続的な成長は出来ない」と応戦する(読売新聞2015.1.20)。
経済成長が先か、格差是正が先かというのだ。
ピケティさんもr>gが続けば一時的な縮小はあっても格差は拡大するという。その格差拡大を阻止するには戦争か、政策的なインパクトを与えることが必要で全世界的な富裕層への課税強化を提案している。
この動きはすでに始まっている。
OECDは「過度の節税」への対策として出国時の課税を提案する。G7の内で日本はやっと富裕層への株の「含み益」に課税することが政府税調で検討された。
また、オバマ大統領は20日の大統領一般教書で富裕層への課税強化と中間層への減税の税制改革案を提案するという。
ピケティさんの言うように富裕層への課税強化が始まるのだ。
ところが、安倍総理は富裕層への課税強化は実際面で難しいと言う。まず、デフレから脱して経済を成長路線に持って行くというのだ。安倍さん自身も富裕層だから課税強化はいやなのだ。
格差の拡大は消費の低迷、経済成長を阻害する。低所得者は収入のほとんどを消費に回すが、年金の削減で消費も落ちる。一方恵まれた層は収入が上がれば貯蓄に回す。大企業は法人税下げなどを要求するが、下がった分を賃上げに回すのではなく内部留保に回すのではないかと警戒されている。内部留保は300兆円にもなっているのだ。
麻生さんも、「政府は政策を出した。今度は財界が答える番だ」と言い、手詰まり感を匂わす。
企業の儲けを家計に再分配するシステムの構築は出来ていないが、安倍総理は「アベノミクスの成果を津々浦々まで」と、財界に賃上げを要求、経団連も応じるようだが企業によっては異論もあるようだ。
再分配の是非には歴史がある。中曽根内閣の時の前川レポート、福田内閣の21世紀版前川レポートでも失敗を経験済みだ。当時、内需拡大による経済成長を目指したが家計への再分配に企業側が抵抗したのだ。
経済成長が先か、格差是正が先か。
安倍総理のアベノミクスを支持するか、民主党の政策を支持するか。4月からの統一地方選で有権者が判定を下すことになるのか。
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