円の動き テレビ朝日Jチャンネル 20145.12.28 |
今の円安、原油安は消費者にとっても企業にとってもプラスになる反面、マイナスになる要因もあり好循環か悪循環かはそのバランスにある。市場がどういう情報で動いているかを冷静に判断する必要があるのだ。
円高の時は生産設備を海外に移し、国内の空洞化、失業者数の増加と社会に暗いニュースとなり、物価は安くデフレから脱却出来ず日本経済には暗雲となった。各政権は脱デフレを目指すが未だ達成出来ず、民主党政権時菅財務相(当時)が「為替の適正レートは」と問われ「90円台半ば」と答えたことがある。
その時、金融の責任者がそんな事をいうべきではないと顰蹙を買っていたのを覚えているが財務省などの本音だったのだ。今も十分通用する水準ではないか。
そして安倍政権の金融政策、日銀の異次元の金融緩和で円安基調に変わり、110円を超え、今1ドル120円台になったこともある。
円安になればなるで、又動きも違ってくるのだ。それに原油安が影響し分かりにくくなってきた。
原油価格の動き テレビ朝日スクランブル 2015.1.6 |
原油安は家計の負担を和らげ消費にプラスに働くかもしれない。電気代などが下がり企業もプラスに働き企業活動も活発になると見え経済に好循環と思える。
しかし、今は原油安の上に消費税増税による個人消費の冷え込みで物価は下がり生産活動も落ち込む。
それに米国経済の堅調が続くも、ギリシャの財政危機、欧州経済のデフレ傾向で量的緩和の動きも出て来た。欧州は緊縮財政に嫌気がさし政情不安も出ている。
円安のメリットとして家電、自動車産業の国内回帰の傾向も見られるが今後どうなるかは読みにくい。
政府は2015年度の経済成長を原油下落で家計負担が和らぎ個人消費も回復するとみて1.5%にする政府方針を決めた。GDPも504兆円になるという。2014年度は消費税引き上げによる個人消費減速で0.5%減とみている。
ユーロ圏の物価も目標2%が5年ぶりに0.2%下落、デフレ懸念からECBは量的金融緩和へ踏み込むのではないかとみられているが、ギリシャの政治、財政危機が再燃し、欧州に波及する危険もある。
今世界経済を引っ張っているのは米国経済の堅調さだが、オバマ大統領は日本やドイツに期待を寄せるが、日本経済の先行きには不安を隠さない。世界は日本がスタグフレーションに落ち込むのを心配しているようだ。
今、円は118円で円高に動いている。欧米で何かが起きると円が安全資産と見なされるが、決して日本経済が強いわけではない。
国と地方の借金が1000兆円を超え、対GDP比230%に市場は注目しているが、安倍総理は日本経済再生と財政再建を両立すると主張する。
全てバランスの問題だ。
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