2015年1月8日木曜日

さようならSTAP細胞、小保方さん:でも本当はどうだったのか

さようならSTAP細胞、小保方さん。理研の調査委員会が「STAP細胞はES細胞に由来する可能性が高い」と断定し、新たな捏造疑惑を小保方さんが認めたとするする最終報告に対し、小保方さんが不服申し立てをしなかったことで「誰がES細胞を混入させたか」不明なまま調査は終わろうとしている。同時に中断していた懲戒処分の検討を再開したというが、すでに小保方さんは退職しているのでどういう処分が下ろうと効果はないという。

次にSTAP細胞や小保方さんの名前が出てくるのは、理研の懲戒処分決定時と「あの人は今」のメデイア記事だろう。それと研究者倫理教育での資料としてだろう。

でも、この捏造疑惑事件の真相はどうだったのか。「小保方さんが故意にES細胞を混入させた」と仮定するとすべてうまく説明できるるのだが、小保方さんが真実を述べない限り闇の中だ。

昨年1月末の論文発表記者会見は衝撃的だった。若干31歳の女性研究者がノーベル賞候補間違いなしと言われた再生医療での画期的なSTAP細胞論文を世界的科学誌Natureに発表したのだ。「若返りも夢ではない」と自嘲気味に話す小保方さんを国民はどう見たのか。

ノーベル賞クラスの発想は物理学では20代後半から30代に思いつくものだと言われていたので何ら不思議ではなかったが、よく考えると専門外から再生医療に方向転換し2008年からバレンテイさんの研究室で実験を始め、2011年11月にはキメラマウスの作製に成功している。3年で成功し論文掲載は拒否されたが最終的に2014年にNatureに掲載された。実験を始めて6年後だ。

小保方さんは「今日失敗したらもうやめようと思いながら5年が過ぎた」といった。これは多くの国民に感動を与えた。小学校の校長が6年生の卒業文集に「諦めずに頑張れば目標を達成できる」と小保方さんのこの言葉を引用したが、論文ねつ造が発覚しどうしようか悩んだそうだ。

小保方さんの本音は「今日失敗したら明日はES細胞を混ぜてみようか」ではなかったのかと疑いも出てくる。

それにしても、あまりにも早い成果に逆に驚かされた。しかも小保方さんは早稲田大のAO入試で入学した人材だったので早稲田大の喜びは並み外れたものだった。

本当はどうだったのか、皆の関心事だ。

2008年にバカンテイさんの研究室で何を学び、どんな実験をやったのか。バカンテイさんのSTAP理論を裏付けるために未分化のごく少量存在する細胞を細い管で選別する作業をやるうちに選別ではなく「作成している」と考えるようになったと言われている。

でも、バカンテイさんのSTAP細胞は米国では「存在しない」、「ES細胞ではないか」と見られていたのだ。

小保方さんは帰国し理研の当時の若山研究室でSTAP細胞を若山さんに渡しキメラマウスの作製に成功した。2011年11月だ。若山さんは身震いするほど驚いたというし、竹市さんも確認し「STAP細胞を信じたんです」と言わしめた。

その時点で小保方さんは酸処理したSTAP細胞に、すでに知られているES細胞を混ぜて論文では複数の細胞の塊とした(勿論、小保方さんは混ぜてはいないと否定した)。この場合正式にはそれぞれの細胞でキメラマウスが作製できるかどうかを確認すべきだったが怠ったか、やらなかったようだ。

共著者の一人、笹井さんもES細胞だけでは説明がつかぬ現象が見つかっておりSTAP細胞の存在を確信(?)しているようで、従来の生物学の常識を覆す理論、「自分の今までの研究生活でもっともインパクトのある出来事」という意味の発言をしていたが、悪い方向で本当にそうなった。

論文、画像に疑いが持ちあがっても何故か2人は動じなかった。

同時期、国も若い女性研究者の成果、女性登用を評価しようと科学研究会議(?)に小保方さんを招へいし安倍総理とツーショットの計画があったが小保方さん側からドタキャンされた。その時、官邸は「急に予定がつかなくなったのだろう」とコメントしたがどちら側から断ったかは不明、もしツーショットが出ていれば安倍総理は大恥をかいたところだ。

4月に小保方さんは弁護士を司会役に記者会見を開いた。

「200回も成功した」、「STAP細胞はあります」、「自分なりのテクニック、レシピがある」、「第三者で再現に成功している」、「理研は知っている」など新事実(?)を披露した。

「STAP細胞はあります」は、文部科学相や科学技術担当相をして「検証実験に小保方さんを参加させよ」と言わしめ、懲戒処分は先送りで検証実験を実施することになった。日本分子生物学会は無駄な実験と反対した。後でわかったが実験には1300万円かかったという。

5月には一番よく知っているはずの笹井さんが弁解記者会見を行った。

小保方さんと若山さんがやっていた実験で、自分は後から論文指導で加わったと責任逃れの内容で顰蹙を買った。笹井さんの記者会見でもSTAP細胞の真相ははっきりせず亡くなった今は、解明は覚束なくなった。

実験ノートの不備や実験をやっていない図表もあり「研究基盤の崩壊」と調査委員会は厳しい判断を示した。

新聞ニュースでは朝から晩まで研究室で熱心に研究していたというが、どういう研究をしていたのか。論文調査には長けていたらしいので必要な個所のコピペはお手の物だったのだろう。実力を間違った方向に使ったのは残念なことだ。

最終的に理研の報告に不服申し立てをしなかった。

自ら不正を認めた面もあるし、実験に基づかない図表の作成、実験記録で反証することもできなかったのだろう。ES細胞の混入も「小保方さん自身は否定、誰かは分からない」ということで特に不服はなかったのか。

例えSTAP実験に妬みをもっている人間が混入したとしても、どの段階の何に混入させればいいのか分かるはずがない。

調査委員会は複数回混入していたと見ているので故意にやったとしか思えない。実験者本人がやったということであればすべてうまく説明できるのだ。

疑惑解明が不十分なまま、「さようならSTAP細胞、小保方さん」ということか。











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