2012年8月6日月曜日

いい加減にしろ!一体改革関連法案採決をめぐる民・自の攻防


もういい加減にしてくれ! 参院での一体改革・消費税増税関連法案採決を巡っての民主党、自民党の攻防にはうんざりしないか。自民党は8日採決、早期解散の確約がない限り信頼関係はなくなったとして3党合意破棄の強硬姿勢を示せば、民主党の執行部は20日を主張していたが、自民党の意向を汲み、お盆前を考慮して野田総理は10日を提案した。

暗雲立ち込める一体改革法案であるが、新聞報道によると、民主党執行部は8日に特別委員会採決、10日本会議採決も出てき、駆け引きが続きそうだ。

厄介なことは、他の野党も法案阻止のために内閣不信任案、問責決議案を考えているようで、野田総理にとっては三つ巴の攻防戦になってきた。

公明党の今国会会期中の法案成立にかける姿勢は正論であるし、野党7党の消費税増税阻止はそれぞれの党に思惑の違いはあるだろうが理解できる。

しかし、法案の成否がかかる自民党の姿勢には理解しにくい点もある。

8日採決に何故こだわるのか。「解散・総選挙」の確約に何故こだわるのか。解散は、政府と国会の考え方が違った場合に、国民に民意を問うためにある総理の専権事項であり、自民党の言う「話し合い解散」は憲法が想定していない。

3党合意ができているのだから、法案採決した時に政府と国会の判断が異なるはずはない。だから、通常なら総理の解散権行使など考えられないことだ。

新聞報道では自民党は「早期採決」から「早期解散」に舵を切り、「話し合い解散」のない限り3党合意は破棄だという。

もっとしっかり議論して会期末までに衆議院の再可決を含めた対応ではダメなのか。参院の特別委員会の国会審議を聞いていても未だに「何故、今消費税増税か」、「デフレ下での経済への影響は?」「関連法案付則18条はバラマキ予算の可能性があるのではないか」「軽減税率?」など核心に迫る問題が何ら説明できていない。

これで、法案が成立したとしたら施行時どうなるのか。またまた国会審議で不毛な議論の繰り返しになる。

自民党が採決を急ぐ理由に、9月の総裁選の行方、谷垣さんが再選されるかどうか。先の総選挙で落選した候補者救済も急がれている。政党交付金も大幅減になり、政治資金も底を突きつつあるなど自民党の党内事情があるようだ。

今、やらなければならないことは、民主党、自民党の政局に対する考え方をはっきり国民に説明すべきではないか。

自民党は、はっきり説明しにくいから「話し合い解散」を目指しているのではないか。

そんな自民党に期待していいのか。そして、自民党が総選挙で政権に返り咲いた時に、この社会保障と税の一体改革、消費税増税にどう取り組むのか。3党合意はどういう位置づけになるのか、攻守を変えてのゴタゴタがまた繰り返すのか。

2012年8月5日日曜日

政治改革の足かせになる憲法、国会議員・公務員のエゴ


財政再建が必須の課題であることに間違いはないが、改革を進めようと思うと足かせになっているのが憲法の規定であり、国会議員や官僚のエゴで、これを乗り越えるには憲法改正など法改正と意識改革を伴いハードルが高い。

社会保障と税の一体改革関連法案も参院での採決が不透明になって、衆議院での再可決の手が考えられるようになってきたが、成立させるには出席議員の2/3の多数の賛成が必要で、自・公の協力が必要だが、解散・総選挙確約の駆け引きで政局は混とんとしている。

事態の解決のためには、憲法を改正して1/2以上の賛成で可決としたいところだろうが、これにも時間がかかる。

あらゆる面で憲法が足かせになっている。

社会保障と税の一体改革、消費税増税で国民に負担を強いる前に「もっとやることがあるだろう」との批判にこたえる形で泥縄式の公務員改革に手を付けたが、連合、官公労を支持基盤とする民主党では根本的な改革はできない。

まず、「身を切る改革」も求められ国会議員の報酬のカットを決めたが2年の期間限定だ。おまけに諸手当の削減には手を付けていない。

議員定数削減も〇増〇減で議論され、参議員削減も鳥取地方区の定員1(半数改選だから2人)が基準にあって大幅な改革はできないらしい。

参議院を廃止して一院制にする話も自民党政権時にあったが、参議院の大反対に会い頓挫した経緯がある。

我が身に係る不利な改革には抵抗する国会議員のエゴが改革を妨害している。

国会議員は嫌がるが、国民はやってほしい改革を国会議員の妨害に会わずに国民投票にかける方法があるか。

候補者一人一人に、改革についての賛否を問い改革に賛成の候補者を選んでいく方法もあるだろう。国会議員を職業にする者が多いことを考えると、どうなのだろうか。

議院内閣制に代わって、総理を直接選挙で選ぶ首相公選制も以前から根深い人気がある政治改革テーマだが、根本的に憲法を改正する必要がある。

一方、憲法は連合軍から強制的に与えられた憲法だから、そろそろ自主憲法の制定をやろうという動きもある。しかしこの考え方は間違いで、日本側にも素案の提出が要求されたがモタモタしているうちに業を煮やした連合軍が自ら提案した憲法で、我が国でも相当議論された憲法であることに違いはない。

それにしても、改革をやろうとすればまず政治改革だが、そこには憲法の規定、国会議員、公務員が足かせとなって存在している。

日本が政治改革の手本にしている英国でも、英首相が党内反発に配慮して上院の改革を断念したというニュースが流れた(讀賣新聞2012.8.5)。

日本の参院とは違って英国の上院は、世襲貴族や政党推薦の有識者、英国教会の司教などからなる身分・階級社会の代表からなっており、民主化のために改革が検討されていたのだ。

上院が定数削減などの改革を実施されると、上院から下院に鞍替えし、自らの地位が脅かされる下院が反対したそうだ。

何やら我が国でも言えそうだ。

兎に角、根本的な改革には憲法、国家公務員、国会議員が足かせとなっている。憲法改正、国家公務員、国会議員の意識改革が最優先課題だ。

2012年8月4日土曜日

民主党政権の命取り:財務省に牛耳られる消費税増税

消費税増税で混乱が続いている民主党
次回総選挙で政権の座から降りるか

消費税増税採決で自民党からは解散・総選挙を突き付けられ、内閣不信任案、問責決議案と民主党・野田政権を揺るがせる政局になってきたが、民主党政権誕生時にこんなことが想像できたか。

政府債務残高が先進国一悪い状況にあることは財務省のHPにも掲げられているし、自民党はマニフェストで消費税増税を謳っていたので政権に就いている党には、その必要性はわかっていた。

一方で、民主党は4年間は上げないことを約束していた。でもどうしてこんなことになったのか。

「政治の仕組みを見直す」と政治主導を標榜していた民主党政権だったが、国家戦略局は作ったものの組織、政治手法は曖昧で肝心の予算編成への対応が全くできていなかった。そこを財務省の勝次官がついてきた。

国家戦略担当の菅さんが、予算編成を前にどうしたもんかと悩んでいた時、勝財務次官が「簡単です。紙一枚にこうしろと書いてくだされば、動きます」とアドバイスしてきた。菅さんは、助け舟とばかりに、その話に乗ってしまった。

その時、曖昧だった予算編成権が民主党政権から従来の財務省に移ったのだ。財務省に首根っこを握られたことになる。

政権を維持するために距離感をどう保
つか 財務省の存在は大きい
当時の藤井財務大臣は、「予算編成のノー・ハウは財務省が持っている」と豪語したものだ。小沢元代表が、民主党執行部を批判する時、「政治主導で根本から見直していないではないか」と言っても後の祭りなのだ。

菅さんは国家戦略相から財務大臣に、そして総理の座に就いた。その時から民主党政権は財務省の消費税増税路線に乗せられることになった。

その後の参院選で、突如、菅前総理は消費税増税、自民党の10%を参考にすると発表し、選挙結果は惨敗で「ねじれ国会」という状態になった。その後の政権運営は見ての通りだ。

野田政権になると、一層財務省頼りが続く。政権のいたるところに勝財務次官の息のかかった人材を配して政権をバックアップする。要所要所で根回しもしていたようだ。

野田政権は、完全に官僚主導の政権になった。消費税増税関連法案では、消費税増税で自由度の増した予算を官僚利権や公共事業につぎ込むことができるように付則18条で規定することも忘れなかった。

この規定は、増税に反対する国会議員を懐柔するため、選挙での人気取りの公共事業に配慮する手段にも使われるのだ。

そもそも今回の消費税増税の根拠も自民党政権時の所得税改正法104条で消費税増税の規定によるのだ。これも財務省の悪巧みだ。

今回の消費税増税もデフレ下での増税は景気に悪影響を及ぼさないかとの批判に、景気条項が載せられ、増税を停止する場合もあることを規定しているが、今までの国会審議で安住財務相は、今のような経済状況でもGOだと答弁している。リーマンショックとか大震災でも起きない限り増税は既定路線なのだ。

財務省のおかげで財政再建どころか、予算の浪費は続くのだ。

そんなことが見え見えなので、野党7党は消費税増税を阻止しようとしているのだが、財務省に煽てられた野田総理を始め、自民、公明は知ってか知らずか、3党合意で「待ったなし」の増税に突き進む。

でも、3党合意にそれほど未練はなさそうで、野田総理が早期の解散・総選挙を約束しない限り破棄してもよいと自民党は考えているようだ。

その程度の社会保障と税の一体改革、消費税増税関連法案に踊らされている国会議員にあきれ返るばかりで、国民の生活を託せるはずがない。

民主政治を惑わす財務省の存在が諸悪の根源だ。

予算編成権を内閣府国家戦略局に移し、民主党のマニフェストに載っていた歳入庁を早期に設置し、財務省の力を削ぐことが利権を断ち切り、無駄を削減し、政治主導の一歩になるのではないか。

霞が関を訪ねる時に、新しくなる官庁ビルの中にあって古い建物を使用している財務省を見ると、将来どういう組織にしようか迷っている感じがする。

国民のためには財務省解体だ。

一体改革関連法案・参院採決:民主20日、自民8日、野田総理10日の真意?


一体改革関連法案の参院採決日で自民党8日、民主党20日、野田総理10日にどんな意味があるのか。譲らぬ自民党、民主党執行部に「一日でも早く成立させたい」と野田総理はお盆前の10日を執行部に指示したという。何やら日本人特有の真ん中をとって「10日で折り合いを」という感じだ。それぞれに意味があるのか、それとも「ただのメンツ」なのか。

今、国会は与野党でわかりにくい駆け引きが続いている。

自民党は解散・総選挙の確約が取れなければ7日に参院に問責決議案を出すという。またこれとは別に衆院に内閣不信任決議案提出を考えているようだ。

野党7党も動いている。参院で消費税増税関連法案採決前に、衆院へ内閣不信任案を提出し3党合意の破棄を狙っているという。

一方、民主党は特例公債法、衆院選挙制度改革など前にやらなければならないとして、20日の採決に拘る。

そんな状況下で、3党合意破棄を恐れる野田総理が「1日も早く成立させたい」と10日を指示したらしい。

10日にどんな意味があるのか。自民党がお盆前を指摘していたので、ギリギリの10日となったのだろうが、何故8日ではダメなのか。先送りを目論んだメンツを維持したまでのことか。逆に自民党は10日でどうしてダメなのか。たったの2日の違いが、そんなに意味があるのか。

国会日程の事情もあるようだ。11日から19日まではお盆休みらしい。そこで自民党は8日に参院採決を主張しているが、民主党は7日特例公債法の衆院通過、20日一体関連法案の成立、21日以降特例公債法の成立を目論んでいる。しかし、自民党は特例公債法には言及していない。

これに野田総理の1日の会見で2013年度予算編成を主導し、衆院選は来年に先送りする意向を示したために早期解散を目論む谷垣・自民党は態度を硬化した。

野田総理は、消費税増税にGO判断を下す来年中頃まで政権の座に居たいのだ。そして負け戦がわかっている衆院選は避けたいのだ。

政治スケジュールのほかに、民主党、自民党それぞれに思惑に違いがある。

民主党は、これ以上離反者が出れば、参院での第一会派を失うことになり今後の政権運営は厳しくなる。輿石さんはそれだけは避けたいようだが、増税反対者、造反者をどう説得しようとしているのかはわからない。

自民党の谷垣さんも、総裁選を控えて解散‘総選挙に持って行けなければ総裁再選も危うくなる。

同じ消費税増税論者でありながら、野田総理、谷垣総裁の於かれている立場は違う。谷垣さんは「解散・総選挙の確約を」というが、野田総理は「寝言でも言えない」と突っ張る。

9月には民主党代表選、自民党総裁選、更に98日の国会会期末、1年後には衆議員の任期切れを控えて、一体改革・消費税増税法案という国民の生活に直結する重要法案が絡んで国民の理解に苦しむ政治の駆け引きが続いている。

解散・総選挙でゴタゴタをクリヤーして、一体改革・消費税増税を議論すべきだと思うが、自民党が政権を奪取できたとしても、今のゴタゴタが攻守を変えて再燃するようでは解散・総選挙を急いだ意味がない。

一番の問題は、力の落ちた野田政権が政権の座に居座ることにあるのではないか

2012年8月3日金曜日

新聞も消費税8%を容認すべきではないのか

新聞は民主主義を守る公器として
軽減税率の適用を訴える
読売新聞 2012.8.3

新聞も、あれほど増税賛成をぶっていたのだから軽減税率を要求せず消費税8%まで容認すべきではないか。社会保障と税の一体改革、消費税増税を巡り政権与党の民主党内が更なる分裂の危機にあり党内事情から先送りを提案すれば、早期解散を目論む自民党は3党合意の破棄を臭わせている。野田総理は「待ったなし」の改革というが、政局絡みでは「待ったあり」なのだ。

そうは言っても増税は既定路線だろう。そんな中で先の国会審議で公明党の議員が、低所得者向けに軽減税率の適用を訴えていた。しかし、軽減税率の採用では税収減になり政府、財務省は一律給付金支給で対応しようとしていた。

ここに来て、今まで財務省の圧力(?)で消費税増税賛成一辺倒だった新聞が、活字文化と民主主義を守るためにも新聞や書籍に軽減税率を採用すべきだと訴える厚顔無恥さを曝け出した。

海外ではすでに軽減税率を導入しているので、我が国もそうすべきだというのだ。

讀賣新聞(2012.8.3)も社説「消費税と新聞 文化と民主主義を守るために」で欧州の事例に学び、「知識」や「教育」に対する課税は慎重に考えるべきだと言い、新聞は国や地方の政策や多様な言論を伝えて判断材料を提供するなど、民主主義を担う「公器」と認識されているというのだ。

しかし、今回の消費税増税に関して「公器」として国民がその是非を判断する材料を提供してきただろうか。

今になって消費税増税のマイナス面も論じるようになってきたが、今までは増税賛成へまっしぐらの論調で、反対意見を排除する記事が多くなかったか。

特に民主党内の増税反対者、造反者には厳しく処分を迫り、分裂→離党→新党結成の動きとなった。反対意見を蔑にする無謀さに民主主義を守る「公器」とは言い難い。

国論を二分する重要政策だからこそ、新聞の論調も公平でバランスのある内容にしなくてはならないのではないか。それで初めて国民に是非の判断を下す材料を与えることになるのだ。

今の新聞はそこまでやっていない。

確かに新聞はテレビやデジタル・ニュースに押されている。迅速な報道では負けるのは確かだ。また映像では新聞記事と違って色んな情報が読み取れる。

例えば、田中前防衛相更迭の問題でも新聞で読む限り「野党の政局絡みか」と思えるが、テレビの報道画面を見ると後列座席で事務官に取り囲まれて答弁の耳打ちをされる姿を見ていると、恥さらしもいいところなのだ。決して政局絡みの問題ではないことがわかる。

でも、新聞には新聞のいいところもある。欧州経済危機でもスペインの情報だけでなく、ギリシャの情報もあわせ、総合的に判断できる記事を送っていることも確かだ。

社会保障と税の一体改革、消費税増税で暮らしの負担はどんどん増えるという(朝日新聞 2012.8.3)。子ども手当が減る分、年間負担は5.4万円増える。年少扶養控除の廃止で6.6万円の負担増、消費税8%の引き上げで10万円の負担増など家計の厳しさは増すだけだ。

新聞代も今、朝刊、夕刊合わせて月に4000円ほどになり、年に約5万円になる。経費削減で新聞を止めるのも大きな効果だ。後はネットでただの記事を読めばいいが、最近は「後を読む」をクリックすると有料の欄に導かれる。

だとすると、図書館の利用だ。真夏の暑い日は家庭での冷房を止めて公共施設に避難する方法も電力削減で推奨されている。

兎に角、新聞の論調は勝手すぎる。消費税増税に賛成していたのだから、消費税8%までは耐えるべきではないか。ドイツは7%だという。

2012年8月2日木曜日

民主党の新キャッチフレーズに「前へ もう一歩前へ進める政治」はどうか


「国民の生活が第一」のキャッチフレーズ
が消されたままの会見室背景
2012.8.2 NHK ニュース7
民主党の新しいキャッチフレーズに「前へ もう一歩前へ進める政治」を提案する。小沢元代表グループの離党、新党結成で、民主党が政権交代以来使っていた「国民の生活が第一」を党名に使われたことで、新しいキャッチフレーズを党員、民主党国会議員に募集したという。

本来は民主党代表に就いた人が、「どういう政治を目指すのか」で決めなければならないキャッチフレーズであるが、野田総理はそういう政治目標を持っていないようだ。

野田総理自ら「待ったなし」という財政再建、社会保障と税の一体改革、消費税増税では、各議員の思惑からなかなか進まず、野田総理の決断力が問われた。

「先送り」は日本文化と揶揄され、海外でも先送りが目立つ政治が続いていている。

ところが、任せておくとなかなか進まないことに業を煮やした野田総理が「決められえる政治」へ舵切りをしたのだ。海外メデイアからも高い評価を得た。国内メデイアも追随した。

しかし、如何にせん、増税は国会議員にとっては鬼門だ。党内を二分する事態になったが、野党との協調路線をとった。修正3党合意で更に前に進むかに見えたが、党内のゴタゴタは続いている。

不安定な政権運営を余儀なくされているが、「決められる政治」、「前へ進む政治」は評価すべきだろう。

民主党政権になって政治の流れも賛否両論あろうが、変わった面もある。

これらの点を評価して、「前へ もう一歩前に進める政治」にしたらどうか。今までの総理と違ってブレない姿勢は大したものだ

2012年8月1日水曜日

脱原発官邸前デモ:問われるのは間接民主主義か、民意を問わぬ政権のあり方か


「誰デモ入れる市民の列」
脱原発国会大包囲集会
日比谷公園内
2012.7.29

ますます参加者数を増す脱原発官邸前デモ、国会大包囲デモは、間接民主主義の在り方を問うているのか、民意を問わず重要課題に取り組む野田政権の在り方を問われているのか。最初は3~400人ではじまった抗議行動が、今や数万人の規模に膨れ上がったことは政府の原発再稼働決定に対する国民の不安への高まりを示すものだ。

メデイアの論調では、民意が直接政治に反映されない間接民主主義の在り方を問う面もあると解説する。

しかし、本当にそうか。社会保障と税の一体改革、消費税増税、原発再稼働に限らず、TPP参加、自衛隊の集団自衛権問題など重要政治課題を直接国民の民意を問わず暴走する野田政権の政権運営の在り方にもあるのではないか。

野田政権の政権運営が国民の民意を反映していない。そもそも野田総理自身が直接国民の支持を問わず、マニフェスト問題で信頼を失した民主党というムラだけの投票で出てきた総理なのだ。

しかも脱原発は、任期途中で出てきた重要課題だ。民意を問わずとも政権与党内でも二分する問題で、このまま野田政権が進めば民主党は更なる分裂の危機にある。

政権与党と野党では、政策に対する責任も違ってくる。野党であれば気楽に(?)反対していればいいようなものだが、野田政権にとっては産業、国民生活に与える影響を考慮せずにはいられない。

国民に不自由と負担、産業に大きな支障を強いるリスクより、再稼働によるリスクの方が悪さ加減が少ないと見たのだろう。

今回の東電・福島第一原発の事故を考えると安易な原発再稼働は許せないのは当然だ。一度事故が起きると取り返しのつかない事態になることは、今の福島第一原発を見ていればよくわかることなのだ。

「脱原発」という民意をどうやって国政に反映させるか。大人しくしていれば政権は再稼働、「原発ありき」に突き進む危険はある。

政権の在り方を問おうとするデモ参加者は日本全国から集まった。その功もあってか、原発依存の審議も慎重に検討するために延期になったし、菅前総理を始め国会議員の中にはデモ主催団体と対話する機会もできた。

次期総選挙も近づいている。岡田副総理の1月解散説を自民党は拒否したということで9月解散説が高まってきた。お盆前に問責決議案を提出し早期解散に追い込むというのだ。

総選挙で「脱原発、是か非か」が問われることになると、政党も国民も難しい選択を強いることになる。

各政党は実現可能で、責任の持てるエネルギー政策の一環として原発の是非を問うことができうるのか。

ただの人気取りで再稼働反対、脱原発を謳ってもらっては困る。

朝日新聞 2012.7.31
教えて! エネルギー5 原発減らすと、経済が悪化するの?
谷垣・自民党総裁が言ったように今度の選挙は「日本再生」を問う最後のチャンスとまでは言わないが、重要な場になるかもしれない。