2010年4月10日土曜日

連合の立つ位置:政権寄りか、国民寄りか


先の衆院選で、小沢さんと連合の前会長が一緒に地方行脚する報道が頻繁になされた。民主党の主要支持団体である連合の巨大な組織力が「政権交代」大きな要因となっていることは明らかだ。

ところが、つい最近の報道で、連合の現会長は小沢さんとの地方行脚を避けようとしているという。小沢さんの参議院選候補者選びでの複数区2人擁立問題で静岡が「小沢さんの辞任とセットなら、検討しても良い」と発言し、連合から「不謹慎な発言」と注意された。

世論調査では、小沢さんの辞任を8割が訴えている。しかし、連合は鳩山さんや小沢さんに国会で説明責任を果たすよう何ら圧力をかけていないように見える。そこで、連合のHPの「問い合わせ」に「民主党政権橋自律を落としている原因は政治とカネの問題が大きい。何故、説明責任を果たすように圧力を加えられないのか」と書き込んだ。

一方、連合の推す民主党議員が4人入閣し、重要ポストに就いている。仙石さんは、改革に向けて発言しているが、それ以外は何を考えているのか分からない。平野さんに至っては、無能呼ばわりされており、先の鳩山総理記者会見で、「内閣改造」の可能性を質問されていた。

私も、インターネット新聞に「組合出身者が幅を利かす、民主党政権に期待できるか」という内容の記事を書いたことがあるが、今もその考えに変わりはない。

連合の立つ位置は、政権寄りか、国民寄りか。

連合のホーム・ページから「政策・制度 要求と提言の基軸―労働を中心とした福祉社会の構築」を開いてみた。

市場原理主義、小さな政府政策の結果、格差を生み、雇用構造には、非正規雇用者の急増という大きな変化をもたらした反省に立ち、「公正」「連帯」「規律」を重んじ、様々なハンデイーのある人を孤立させ、排除するのではなく社会的に支え合い、包み込み共に生きる社会の実現に、日本へ変えていかなければならないと言う。

そして、230ページに及ぶ紙面で、政策を提言している。労働組合の組織だから、労働条件の改善、春闘に見る賃金の確保などが主要な仕事と思っていたのは、かなり前の話。政治改革、行政・司法改革など広範な問題に提言している。

選挙に関しても、より投票しやすい選挙制度への改革の必要性を説いている。曰く、候補者の政策や資質を深めるため候補者同士の討論の場を設ける。組織は、政治教育・政治活動を通じて関心を高め、政治への参加を促す。政党との連携も強化し、地方議会改革に取り組むと言う。

確かに候補者の資質までは分からない。議員になって初めてこんな人間だったのかと分かってくる。昔、立ち会い演説会があったが不人気で廃止された。高齢者には人気があったが、若者には興味がなかったのだ。

労働組合による政治教育、政治活動は、どうしても革新系だ。私が若かった頃は、社会党、民社党など革新的な教育が種だった。今、政権党を支持する段になって、どういう教育をしているのか。選挙活動でも、自民党系は草の根でボランテイア活動で動員していたが、組合は容易に動員出来た。

しかし、今は、動員、資金面で組織に頼るそのやり方も再検討すべき時期なのだ。

小沢さんは、自分の目に叶ったその地方では知名度のある新人を擁立し、自らの政治目標でもある参議院過半数確保をめざし、票になるなら利権誘導してでも、あらゆる組織を民主党支持に廻そうとしている。

そうした選挙は、連合の理念とは異にするものだ。

連合も鳩山さんの言う「新しい公共」に言及している。どんな理念か分からないが、「新しい公共」を目指す上では、人と組織改革が必要だという。そのためには不祥事の温床を除去し、説明責任を果たすことだとも言う。

連合よ 民主党トップ2人に、強く異議を唱えるべきだ。そうしないと折角の「政権交代」も幻想で終わる。

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