2010年11月20日土曜日

菅総理、「歯を食いしばって」までやってほしくないのです


最近、菅総理は、国会審議で「歯を食いしばってでも」とか「石にかじりついてでも」がんばっていきたいという政権を担う意気込みを連発している。

19日の参院予算委員会で、舛添さんが「世論調査で内閣支持率が30%を切った。その要因は菅総理の指導力が見えないためでは」と問うた。

それに対して、菅さんは「改造内閣がスタートし2ヶ月、尖閣問題では支持を失ったが、TPP、事業仕分けでは成果が出てくる段階になった。厳しいが歯を食いしばってでも成果が国民に見えるまでがんばりたい」と答えたのだ。

内政、外交共に「どんなに苦しいことがあっても(=石にかじりついても)」、評価されない「くやしさ、苦しみなどをこらえて(=歯を食いしばる)」、引き続き政権を担当する意欲を示したのだ。

しかし、「もうそんなにしてまでがんばってもらわなくてもいい」と国民は思っているのではないか。

菅さんが評価している「自由貿易の問題」は、農水省、経産省ではまるっきり反対の調査結果が出ている。関税撤廃になれば輸入食品は安くなるが、日本の農業は壊滅するとまで心配されており、民主党内でも意見が割れている。

民主党政権が鳴り物入りで始めた「事業仕分け」は、第3弾終了で一区切りするようだが、言われていたほどの成果もなく、今後の展望も全くない。

どうして、成果を国民に示すことが出来るのか。

外交でも菅政権は失態の繰り返しである。尖閣諸島近海での中国漁船領海侵犯、公務執行妨害での船長逮捕も、中国の恫喝にあい処分保留の儘釈放してしまった。「日本固有の領土」とは裏腹の外交処置ではないか。

国益を守るためにも即時公開が必要だったビデオ公開も、「隣国の嫌がることはやらない」方針で、部分公開にしたが、海上保安庁職員のネット投稿は80%の国民の支持を得た。

APECでの胡・国家主席との会談は、ペーパーを見ながらの会談で、お互いに従来の主張を繰り返しただけだという。

マニフェストもころころ変わる。財源確保との問題も絡めて、国民にしっかり説明する必要があると思うが、正式な記者会見は予定されていない。

閣僚では、柳田法務大臣の「2フレーム発言問題」は、国会を冒涜するモノで不信任決議案が提出されるという。

仙石官房長官も、自衛隊を「暴力装置」と表現し、撤回謝罪させられた。尖閣問題の処理の間違いを含めて大きな責任があり、自民党政権だったら更迭されているはずだ。仙石さんに頼ることの危うさをしっかり知るべきだ。

菅総理は「開かれたクリーンな政治」を目指すと言ったが、予算委員会の国会中継を見ていると以前の自民党政権と何ら変わらない。大臣席に座る人間が自民党から民主党に変わっただけだ。

「政治とカネ」では、小沢さんの国会招致もままならない。岡田さんの調整を待って必要なときに、自分が決断すると言うが、野党は小沢さんの国会招致をカードに使おうとしている。

菅さんが、歯を食いしばってがんばることに国民の70%以上は期待していない。

党内では、小沢さんが妙な動きをしていると言うが、民主党だって一致団結して菅政権を守ろうとはしていない。

本当に困った政権だ。世論調査での自民党支持率も、民主党と逆転している調査も出ている。しっかりしたメッセージを国民に送る必要があるのは、自民党も同じことだ。
写真:歯を食いしばってもがんばるという菅民主党官邸

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