2010年11月21日日曜日

予算委員長の「仙石総理大臣!」:存在感薄い菅総理


先の参院予算委員会をNHKの国会中継で見ていたら、予算委員長が「仙石総理大臣!」と指名した。「エッ」と思った人が何人いたか。菅総理は一瞬「ムッ」として委員長を振り向いたら、委員長は苦笑いしながら手で誤っていた。

今までも何回かこうした場面があり、菅総理も苦笑いし、場内の笑いを誘っていたが、度々総理が替わるので今誰が総理か級には思い出せない時もあるだろうが、一国の総理、しかも日本の国会での話だ。

何とも「たがのゆるんだ」国会だ。

柳田発言、尖閣ビデオ流出事件、それに関連しての危機管理、予算案審議、TPP、雇用など難問が山積する中で、緊張感に欠けた国会である。

内閣支持率の低下の要因は、「総理の指導力の無さ」が指摘されている。重要課題は仙石官房チョ婦菅主導、「政治とカネ」での小沢さんの処置は岡田さんに丸投げ。事業仕分けは期待はずれ、おまけにAPECでは下手外交、ペーパーの棒読みで菅さんも認識しているように評価を落とした。

外交は素人と言うが、「では、何が玄人なんだ」と問いかけたい。

最近の菅―仙石路線は、国益を害する一方だ。

今、参院では柳田法務大臣の問責案が注目されている。補正予算案と引き替えに、首を差し出すと言うのだ。

確かに、柳田さんの2フレーム発言は、国会を冒涜するモノだとはいえ、「個別の案件には意見を差し控えたいが、一般論として・・・」は、自民党時代からよく使われたフレームだ。身内でのパーテイーとは言え、笑いを誘うとした面は大きい。

そんなに責任が大きく、問責にかかる問題なのか。かえって仙石官房長官の「自衛隊は暴力装置」発言や、尖閣諸島での中国漁船長釈放問題など国益を害すると思われる判断の誤りは非常に大きい。

「悪さ加減」は、仙石官房長官のほうが大きいのだ。野党は、菅内閣の一角を崩すために柳田法務大臣の首を取ろうとしているのだろうが、定例記者会見で記者から「柳田法相問責問題はドミノ式に他の大臣に及ぶのではないか」と問われ、仙石さんは「一寸先は闇・・」と答えていた。

仙石さんは、旧社会党に属した議員で、「暴力装置」は学生運動のころの考えだろうが、大昔の感覚である。偏った思想で、大臣として政権を担った経験のない仙石さんに多くを頼ることの危うさを知るべきである。

菅総理が、以前身内の会合で、「官邸には情報が来ない」を嘆いたニュースが新聞に載っていた。冗談ではない。官邸にこそ情報は集まるモノだ。菅さんにまで届かないのは、途中で遮断されているのだ。

それは、官房長官の処だ。国民に信を問うていない仙石官房長官が、すべての判断を下しているのだ。

柳田法務大臣にも問責に問われるべき大きな責任はあるが、仙石官房長官の責任は、それ以上に大きい。柳田さんは自ら辞任をすべきだろうが、柳田さんの首で問題を矮小化してはならない。

国民や世界に恥を晒さない、国益をきちんと守ってくれる政権を選ばなければ。
写真:参院予算委員会でもたがの緩んだところをさらけ出す国会。

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