皮肉なことだが、批判が多い与謝野経財相の登用で社会保障と税の一体改革の問題点が明らかになってきた。自民党政権時にさかのぼり、民主党とのマニフェストの相違も浮き彫りになった。
メデイアは菅政権と与謝野さんとの考え方の違いを掲げ、閣内不一致を危惧する。
日テレニュースZEROに生出演した与謝野さんに、キャスターが自民党提案の消費税10%をたたき台にしているのか質問した。2007年の社会保障費21.3兆円、消費税5%で13.3兆円が、2015年にはそれぞれ25兆円、消費税は10%で25兆円の試算があるからだ。
与謝野さんは、たたき台にしていることの明言を避けた。
しかし,今誰がやっても同じコトなのだと主張する。ムダを削減→経済成長→増税のプロセスを考えるが、この考えは逃げの考えだと言い、この3つは同時にやっていかなければならないのだと主張した。
確かにそうだろう。ムダの削減だって事業仕分けでは余り効果がなかった。経済成長も何時になるか分からない。その間に景気対策と言って赤字国債の発行を続けると、益々財政は逼迫する。
社会保障と税の一体改革の進め方は、まず夏までにどういう考え方をするか案を作成する。そしてどうすれば国民の承諾を得られるかを検討しなければならないという。
来年の通常国会に提出かとキャスターが切り返すと、与謝野さんは「これは決まっていない」と逃げた。
菅総理も6月までに一定の結論を得るべく社会保障の案を作ると言っているように、法の付則に規定されていることに沿って作業を進めるらしい。しかし、可笑しなもので、この法の付則事項には当初野党であった民主党は反対していたのだ。
財源についても意見がわかれている。民主党政権は税方式で消費税でまかない、最低70,000円を支給するとしているが、与謝野さんは25年以上納め、66000円の現行方式の社会保険料方式を進めるという。
与謝野さんに対策を丸投げした菅総理は、どう舵取りをするのか。
一体改革を図るのであれば、赤字国債に頼らなければ為らない子ども手当などバラマキ予算の見直しなど、民主党マニフェストの見直しも必要になってくる。
更には、消費税増税となれば解散し、国民の信を問うことは当然である。閣内でも海江田さんや前原さんがコメントしているようだが、総選挙になれば民主党に勝ち目はない。
与謝野さんが政権に加わって、社会保障と税の一体改革を担当するようになり、政局がらみで問題点が明らかになってくるが、ここは政治哲学の問題だ。
しっかり監視する必要がある。
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