2011年1月24日月曜日

民主党執行部の苦悩:「小沢氏との距離」に加え「与謝野氏との距離」という「しがらみ」

与謝野さんはどう民主党政権に溶け込んでいくのか。否、民主党政権がどう与謝野さんに溶け込んでいくのか。「政治とカネ」の問題で小沢さんとの距離のシガラミに苦悩する執行部が、新たに与謝野さんとの距離というシガラミに苦しみそうだ。

案の定、国会審議に向け閣内不一致の事態だけは回避すべく、勉強会を始めたという。見守る国民も不安で一杯だ。

小沢問題で紛糾しそうな予算委員会から「親小沢」派議員を差し替える強硬手段に出ている。政治倫理審査会への出席を何かにつけ拒否する小沢さんに残された道は証人喚問しかない。強制起訴を控え指定弁護人が小沢さんとの聴取を要請したとき、「検察審査会の議決にない事項についても聞きたい」と言っていたように、小沢さんの政治資金原資に疑惑の目が向いている。

小沢さんとの距離を広げ、影響力を遠ざけることが野党対策にもなるが、それでも小沢さんを守ろうとする議員の存在は鬱陶しい。強制起訴を受け一緒に離党した方がわかりやすい。

一方、新たに入閣した与謝野さんとの距離をどうとるのか。

自民党は、マニフェストとの関係、与謝野さん入閣の政治姿勢に対して追求し、「政治とカネ」の問題も絡んで、谷垣さんは解散に追い込む構えだ。

「民主党が日本経済を破壊する」とまで攻撃した与謝野さんだが、財政再建の必要性では意見が一致するも消費税増税ではマニフェストも絡んで菅総理が考えるほど簡単ではない。

今夏までに民主党マニフェストを見直すと言うが、政権交代へ大きく影響したマニフェストだ。根本的に信を問う必要があるのではないか。子ども手当、高速道の段階的無料化、予算の根本的組み直しなど政権交代へ大きな流れを作った政策を国民に簡単に諦めろと言うのであれば、政治的詐欺だと言われても仕方ない。

与謝野さんは政治生命をかけても、社会保障と税の改革をやらなければならないと考え政策を進めようとしているが、民主党には増税に対しての抵抗が大きい。国会で、そして民主党内で与謝野さんがどう説得できるか。菅、野田、藤井、与謝野の財務大臣経験者が主要をポジションを占める政権に財務省の胡散臭さを感じるが、わが国の借金は秒速150万円で積み上がっているようだ。

しかし、増税への動きは選挙で敗北を意味する。

24日に通常国会が開会するが、主要法案である税制改正関連法案、輸入品400品目の関税軽減のための関税定率法改正案、子ども手当法案、赤字国債を発行できる特例公債法案、郵政民営化見直しの郵政改革法案、国家公務員制度改革関連法案、幼稚園、保育所を一体化するこども園関連法案などの審議は難航必至とメデイアは見ている。

これだけ与野党対決情勢であれば、機密費を使っての懐柔策は使えないだろう。党首会談、総理会見などあらゆる手段を使ってでも説明責任を果たすべきだろう。

そして、社会保障・税一体化改革案、スケジュールが出来た段階で、国民の信を問うべきだ。それまでに民主党は、まとまらなければならない。

0 件のコメント: