2011年6月30日木曜日

内閣不信任決議案否決が政治への虚脱感を高める




今、政治への虚脱感が強く、この数日のメデイア報道も腑抜けた内容だ。先の内閣不信任決議案では、「もしかしたら可決か」とメデイアは煽ったが、民主党内の造反を回避しようと鳩山さんが動いた結果、民主党内を沈めることが出来、大差で否決する結果になり、はしゃいでいるのは菅さんだけ。

その後に続く民主党両院議員総会も、「脱原発」の解散・総選挙もあり得ることを匂わせた菅総理の強かな戦術も見えたが、不満分子の中途半端なガス抜きで終わった感がする。

復興担当大臣を選任もその舞台裏を知ると、あの松本新復興大臣の「民主党も自民党も公明党も嫌いだ」という発言もそうだろうと思う。2度も断り3度目に了承したという。こんな求心力を失った政権で大したことは出来ないと皆考えているのだ。「被災者のためにがんばる」と言ってもむなしく聞こえるだけだ。

浜田自民党参議員の復興担当総務政務次官への起用も唐突感は否めない。亀井さん達が、連立与党の参議院での過半数確保のための数あわせが目的だと聞いて、浜田さんは何を考えているのだろうと疑問に思う。実績、実力のない無節操な政治家の浅はかな行動だ。浜田さんは総務省で「力強く前へ進める」と挨拶しているが、釣られた側にも問題はある。

こんな政治家を笑ってはいられない。今の民主党執行部だって、これ程虚仮にされながら、何故その職にしがみついているのか。

内閣不信任決議案を提出した自民党も「今、何をやっているんだ」という批判に民主党政権と戦う意欲をそがれ、被災者の救済にウェートを置かなければならなくなった。野党の民主党追求でも曖昧さが出てくるだろう。

間違いの元は、先の内閣不信任決議案にあった。

本来の目的は、菅総理の政治手法では震災対応、原発事故対応に遅れが出ており、菅総理は辞任して政治手法を変えなければならないというモノではなかったのか。

ところが、だんだん権力闘争の様相を呈してきて、「今、菅降ろしの時ではなかろう」と批判されるようになった。

菅総理は「それ見たことか」と思ったかどうかは知らないが、退陣の時期は明確にせず、「一定の目処」と言うばかりで、やりたい政策を小出しにし、政権の延命を図っていると批判される。一度納得していた国会会期50日延長も、解散・総選挙を考えたときには70日が必要になる事から3党合意を拒否したようだ。しかし、未だ国会の審議は始まっていない。

菅総理には嫌気がさしているのだが、「総理の座」から引き下ろすことは並大抵のことではない。

憲法第69条には内閣不信任決議案の他に内閣信任決議案も出せることを記している。菅総理に反対する野党が内閣信任決議案を出し、否決する方法もあるがコレこそ権力闘争のもっとたるモノで、やってはならないだろう。

あの時、不信任決議案が可決されていたらどうなるか。

菅総理は総辞職するか、解散・総選挙するしかないが、新しい民主党代表を選んで、総理をどの党から出し、誰が総理に付くか。更には今時、780億円もかけて総選挙をするのか。

菅総理が退陣しても、その後の展望が見えてこない。主導権を握らんとベテラン議員が動くだろうが、今でも若手・中堅議員との間に溝が出来ている。

菅総理が居座るのも地獄、退陣するのも地獄の政界だ。国会は完全にメルトダウンしているが、政治に対する虚脱感からは早く脱しなければならない。

解散しかないか。


写真:一本釣りされた浜田さんが、総理と握手をしている前を亀井特別総理補佐官が横切る。今回の人事は亀井さんをはじめ旧自民党の3~4人が連携してシナリオをつくったらしい。亀井さんはこれで参議院で連立与党が過半数を握れチャンスをつかんだという。何時の時代も数あわせで政治が動くのだ。2011.6.30 テレビ朝日スクランブルより

2011年6月28日火曜日

菅独善政権に終止符を







今のような野蛮な「政治ゲーム」を見るのに飽き飽きし、もう菅独善政権に終止符を打って欲しいと思うのだが、民主党議員はどう考えているのか、これからどう進むのかを知りたいために28日の民主党両院議員総会のニュースをテレビのチャンネルを切り替えながら見だが、詳しい内容が伝わってこない。

菅総理は、退陣条件に3つの法案の成立を一定の目処とすることを繰り返したようだ。議員からは、「「責任を取るのが政治だ」とか「新しい代表を速やかに選ぶ作業を進めて欲しい」等意見が出たようだ。中でも自民党議員の一本吊りに対して「どうしてあんな事をしたんだ」という批判に対して、菅総理は「次ぎに安定した政治環境を引き継ぐためだ」と強弁していた。

岡田幹事長は、「十分な説明が出来なかったことは申し訳ない」と謝罪し、国会の正常化に向け各党と話し合いを始めたことを報告した。そこまでして菅総理を支える理由は何なんだ。

菅総理の話の中で、原発事故に鑑み、再生可能エネルギーなどエネルギーの基本計画をどのようにするのか。次期国政選挙で争点になるかも知れないことを仄めかした。今、憶測をよんでいる「脱原発」を問う解散・総選挙の可能性も匂わせた菅総理の戦略なのか。

しかし、民主党政権って不可思議な政権だ。

政権担当能力も未知数なのに、ポピュリズムで政権に就き、前原さんが「ポピュリズムで脱原発を決めるのはまずい」と言ったようだが、菅総理はポピュリズムで「脱原発」の是非を問うとしている。

「開かれたわかりやすい政治」を目指すと言ったが、何のことはないわかりにくい独善的政治だ。

政権与党だった自民党の公約とは180度違った実現可能性の不明瞭な大風呂敷のマニフェストを打ち出したが、案の定破綻し財源不足や与野党協調路線を進めるために見直しをせざるを得ず、「公約を守れ」とするグループを党内抗争の具になった。

欲を出して議席数を確保するために、社民党や国民新党と連立を組み民主党の本来の政策が変質するまでになった。特に国民新党の亀井さんの金融相、郵政民営化担当大臣就任では、日本郵便の社長に元大蔵省事務次官の斉藤さんを連れてきて、高級官僚の天下り禁止政策が蔑ろにされ、民主党のダッチロールが始まった。

そして、今、亀井さんのアドバイスで自民党参議院議員を復興担当の総務政務官への一本吊りをやってしまった。参議院での過半数を目指して自民党議員への勧誘だったそうだ。自民党は「禁じ手」を使ったと態度を硬化するが、昔は自民党も時々やったではないか。

野党時代、民主党の若手、中堅議員の国会での論戦を聞いていた人は、何か新しい政治が始まるのではないかと考えただろうが、小沢さんや亀井さんに牛耳られては新しい政治など期待できなかったのだ。

菅総理もどうして周りを信用しなくなったのか。

26日のNHKの「お江」の第24回利休切腹を見ていたら、病床についた秀吉の弟の秀長が最後に兄に忠告する場面があった。どう言ったか詳細には覚えていないが、「厳しい意見を言う者を大事にしろ」という意味のことを言っていた。

菅総理も亀井さんや北沢さんのような擁護者ではなく、耳さわりの悪いことを言う者を遠ざけるのではなく、意見を言ってくれる者を大事にしなくては、裸の王様になり晩節を汚すことになる。

1日も早く菅政権に終止符を願う者である。

写真左:民主党両院議員総会で、エネルギー基本計画の見直しが必要で、次期国政選挙では最大の争点になると解散・総選挙の可能性をほのめかす菅総理 2011.6.28 テレビ朝日 報道ステーション

写真右:2011.6.26NHK「お江」第24回利休切腹で、病床にあった秀吉の弟秀長が最後に兄に「厳しいことを言ってくれる者を大事にせよ」と忠告している場面。 菅総理も意見をするものを遠ざけては「裸の王様」だ

2011年6月27日月曜日

ここまで虚仮(こけ)にされても辞任しない腰抜け民主党執行部







菅総理の不可解な政治手法に振り回される国民も堪ったものではないが、ここまで虚仮にされても辞表一つ提出できない民主党執行部の腰抜けぶりには情けなさを感じる。

要は、菅総理と執行部とのコミュニケーションが出来ていないのだ。「ねじれ国会」、菅総理の退陣時期も絡んで国会運営は厳しさを増す一方であるが、その矢面に立つ執行部とあらゆる事につけコミュニケーションが採れていないのだ。

それもそのはず、執行部内からも「菅降ろし」が始まっているのだから異常な内閣であることに変わりない。菅総理は執行部を全く信用していないし、野党も信用していない。

そんな状況下で、どう政治をしようとしているのか。

一番不可解な一手は、「ねじれ国会」対策として参議院の自民党1年議員である浜田さんを総務政務官として復興担当の政務官に迎えたことだ。浜田さんは「挙国一致」の必要性を訴えるが、自民党大島さんは「自民党への挑戦」と態度を硬化させた。

民主党執行部には予め相談はなかったようだ。国対委員長の安住さんは、苦渋の顔で今後の国会運営の厳しさを「早く法案を通せと言っても無理だろう」という。

誰も信用できない菅総理が、亀井さんのアドバイスでリーダーシップ(?)を発揮した禁じ手なのだろう。

しかし、ここまで虚仮にされたのだから、岡田さんや安住さん、玄蕃さん達が、どうして辞表をたたきつけないのか。そうすれば、菅総理だってわがままなことはできないはずだ。

幹事長ともなれば、選挙にも大きな権限があるし、巨額な政党交付金を差配出来る与党幹事長の旨味は大きい。国会運営の潤滑油として官邸機密費の動きも気にかかる。

正常化に向け、まず統一地方選の惨敗と政治の混乱の責任をとって、民主党両院議員総会で辞任のコメントを発したらどうか。

幹部が責任も取らない民主党に国政を委ねることなど出来ない。

写真左:不可解な政治手法と人事で政権基盤安定を狙う菅総理 NHKニュースヲッチ9 2011.6.27

写真右:相手を態度効果させて法案を早く通せといっても無理な話と今後の国会運営を危ぶむ安住国会対策委員長 同上

2011年6月26日日曜日

菅総理 何時まで続けるのか「政治ゲーム」



いつまで続ければ気が済むのか「政治ゲーム」、菅総理自身は勝ったと思っているだろうが、最近の民放の世論調査でも内閣支持率はさがり、政党投票先も自民党に大きく差を付けられて改善する気配はない。菅総理がゴネればゴネるほど民主党は信頼を落としているのだ。

その要因になっている「菅総理の居座り」に毅然とした対応が出来ない民主党にじれったさを感じるし、実体は政局と言うにはおこがましい「政治ゲーム」なのだ。

ゲームだから「いかさま」も通用する。鳩山合意文書では「退陣が前提」と言えば、そんな約束はないと言う。再生自然エネルギー促進法案では、「新しい総理の下」が、「新しい体制の下」と、どうにでも採れる文言が踊り、ここからいろんな発想が出てくる。

しかし、「増税」への対応をはっきりしなければ、政治ゲームも前に進まない。菅総理は崖っぷしに立っているのだ。

復興予算、社会保障と税の一体改革でも増税が必要だし、特例公債法案も通らなければ赤字国債の発行も出来ず予算執行が出来なくなるが、増税に関しては与野党それぞれ同床異夢ってところだ。

国会会期延長だって、折角3党が50日で合意できたのに、野党が信頼できないために菅総理は拒否し、70日を強行したが、結果は寧ろ不安定はコースを選んだことになる。

そして、最後の「政治ゲーム」は、今盛んに言われ出した「脱原発」解散だ。再生自然エネルギー促進もあって原発依存を考え直すチャンスなのだろうが、安全が確認できたので原発再稼働を発表した海江田経済産業相の考えを菅総理は支持したばかりだ。

今しきりに言われており、大阪府の橋下さんが「15%節電」に反対し、ピークカットにはエアコンを止めればいいと言うが、節電要請には背景に原発問題が絡んでいるのだろう。

菅総理は、やりたいことは復旧・復興と「自然エネルギー」だと言い、燃え尽きる覚悟で復旧・復興に取り組むというが、あらゆる面で「増税」が絡んでくる。

菅総理では「増税」は出来ないと思うが腹案でもあるのか。一番の解決策は菅総理が退陣することだが、菅総理が退陣した後をどうするのか。与野党の構想が伝わってこない。

「菅おろし」の政治ゲームもここで窮まるのか。

写真:「燃え尽きるまでがんばる」という菅総理 2011.6.26 テレビ朝日Sフロンテイア

2011年6月25日土曜日

憲法第69条内閣信任決議案は、どういうときに使うのか

第69条 内閣は衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

議院内閣制だから当然のことだろうが、内閣信任決議案は、どういうときに使うのか。

先の菅内閣不信任決議案は、菅総理では震災復興、原発事故に対応できないとして、与野党の一部が不信任案を提出、もしかしたらと期待したが民主党鳩山さんの邪魔が入って腰砕けになった。

大差での否決で気をよくしたのか、菅総理は「大差で信任された」として続投意欲を高め、おまけに退陣時期に何ら言及していないことがわかり、意気軒昂で次から次に延命とも思える政策を打ち出した。

一方の「菅降ろし」に入った連中は、菅降ろしの大義名分が曖昧であった結果、権力闘争と思われ、「今、何をやっているんだ」と批判され、その後は菅政権に引きずり込まれる事になった。

民主党代議士会でも退陣時期をはっきりさせず、国会会期延長問題でも菅総理は、3党で合意した50日を拒否して70日を押し通し、民主党執行部、野党との信頼関を失う結果になり、今後の政権運営に暗雲が立ちこめた。

菅総理が退陣時期をはっきりさせないことから、「まだ暫く総理の座に座るんではないか」、「いや会期内に退陣するのが常識」とお互いに疑心暗鬼で、政治は進まない。

菅総理が退陣しなかったとき、どうするか。内閣不信任案は慣例で1回しか使えない。

ところが憲法は、内閣信任決議案も想定している。菅総理に対する不信が強まり国会が混沌としてくると、菅総理支持派が内閣信任決議案を提出し可決を狙う場合も考えられる。万一否決されたりすると、総辞職か解散だ。こんな手は使わないだろう。

内閣信任決議案は、余り使い道がなさそうだ。

菅総理は沖で「燃え尽きるまでがんばる」と記者団にコメントしていたが、そこまでがんばって欲しくもないのだ。菅総理が「がんばる」、「責任を全うしたい」、「アレもやりたい」という度に、反菅意識が高まるのは、菅総理に徳がないためだ。

菅流政治手法に付き合うのも限界がある。

経産省が古賀氏に退職打診:菅総理凋落で官僚が攻勢に







公務員制度改革などで思い切った改革を進めようとした古賀茂明氏が経産省から退職の打診を受けたという毎日新聞電子版を見た。最近では電力業界の「発送電分離」を提案するなど改革派官僚として興味を持っていたのだが、菅総理の凋落を目前に官僚機構が攻勢に出たのではないかと感じた。

公務員制度改革で「事務次官の廃止」「天下り規制」は避けて通れない。特に事務次官会議は絶対的で、事務次官会議を通らない事案は閣議にも上げられない程で官僚の思うが儘のやり放題だった。安倍内閣の時、事務次官会議に上がっていなかった議案を安倍総理が強引に取り上げたことが大問題になったことがある。

また、委員会で審議が終わっても、官僚に不利な条項には、法文を付け足し手抜きにすることなど朝飯前なのだ。国会で問題になった時、官僚は「一種の接続詞のようなもの」と誤魔化す厚顔ぶりには驚いたことがある。

「みんなの党」の渡辺さんは、自民党の公務員制度改革に反対し、党を飛び出し「みんなの党」で公務員制度改革に精を出している。

民主党政権に変わって、事務次官会議は廃止され、官僚主導から政治主導に動きが変わったかに見えたが、今回の大震災復興では、菅流政治主導はうまく対応できず、批判に晒され不信任決議案を出される始末だ。

官僚をうまく使わなければ、対応できないと見た仙石さんは、方向転換し、被災者救済を実施している。

また、菅総理は、福島第一原発事故に鑑み、電力業界の地域独占、利権に風穴を開けるべく「発送電分離」も検討課題に上げた。以前から改革の必要性は上がっていたが、電力業界、産業界から反対論が強かった。しかし、こういう大きな事故が発生しなければ検討するチャンスはないのだ。

古賀さんも、「たけしのTVタックル」などに出演し、発送電分離のメリットを説明していた。消費者に負担を強いる電力料金の決め方、原子力発電に対する安全軽視の経営は許されないことだ。更には、経済産業省をはじめ、エネルギー庁、原子力安全委員会、原子力安全・保安院など官僚機構も大きく利権に係わっている。

菅総理は、この構図にもメスを入れようとしていた。

しかし、残念なことに菅総理の凋落を目前に、公務員制度改革、発送電分離など改革を唱える古賀氏を追い落とすチャンスと経産省、官僚機構は見ての退職打診だったのだ。

巨大な官僚機構を相手の改革は、相当な力を持った内閣でないと出来ない。政治主導と言うには、官僚に勝てる情報、知見を持って政治に取り込まなければならない。

今の政治家にそんな能力を持った者はいない。

古賀さんは、将来「みんなの党」から出馬してがんばってもらいたいモノだ。

写真左:経済産業省が古賀氏に退職を打診したニュースを伝える毎日新聞電子版 2011.6.25

写真右:経済産業省、エネルギー庁

2011年6月24日金曜日

菅総理の損得勘定:本人の意思に反し、失ったものも大きい



「辞めたくないよ」とばかりに延命の政策を打ち出し、国会会期延長では、3党合意の50日案もごねて70日を獲得したモノの与党執行部、野党との信頼関係を大きく失し、今後の政局運営に赤信号がともった。本人は8月一杯総理の座を守り、その間、うまく行けば支持率を回復できるのではないかとの淡い希望を持っているかも知れないが、この茶番劇で失ったモノも余りにも大きい。

ここに来て、国民新党の亀井さんは、「大規模な内閣改造をやれ」と発破をかけるが、後数ヶ月の菅総理に誰がついて行くのか。本人は否定するが復興担当大臣を狙っているのは見え見えだ。何の魂胆もなく動く人ではない。民主党政権が躓いたきっかけは、鳩山政権時亀井さんが金融相、郵政民営化担当相になり斉藤さんを日本郵政の社長に据えたことだ。コレで高級官僚の天下り禁止が蔑ろになった。

「菅降ろし」の急先鋒であった仙石さんと会談し、「政権運営の協力を要請した」という。復興担当大臣の噂もあるようだが、反菅派を取り込んで延命を図る菅流政治手法に陥る議員なんて信用できない。

第2次補正予算、特例公債法案など重要法案を通すためには、参議院が法案の採択に応じなくても参院送付から60日で衆議院再可決が可能で、70日という事はそれを担保したことになる。衆議院で、民主党に圧倒的多数の議席を与えた結果だ。

国会なんて審議はいい加減なセレモニーだ。会期末が決まり、法案可決日が決まり、審議のスケジュールが逆算される。審議内容はどうでもよいのだ。時間が無くなったら強制採決すれば良く、国会内の乱闘騒ぎは常態なのだ。延長国会が始まったって直ぐ国会審議が始まるわけではない。

菅総理は、今回の茶番劇で、本心は総理の座を守ったと思っているだろう。鳩山合意文書にしろ、今回の「新体制の下で」の文言にしろ、退陣の言質は与えていない。いかようにも解釈でき「退陣」を突っぱねることは出来る。

しかし、今回のドサクサ劇で、菅総理の失ったモノは大きい。

菅総理を支えるはずの民主党執行部との軋轢は、今後の政局運営に支障を来すはずだ。予定されている両院議員総会は見物だ。菅総理は袋たたきに合うだろう。逆に、そんなに総理がやりたかったら、自分で民主党議員を説得すべきである。岡田幹事長をはじめ、執行部は統一地方選の惨敗、不信任決議案での処理の責任を取って辞任してはどうか。菅総理にこれだけごねられても職にあるメリットがあるのか。

野党に対する信頼関係も失墜した。折角3党合意した延長国会会期50日を拒否し、70日を獲得した。勝ったように見えるが、対野党の関係が悪くなったこと政局運営への影響は大きい。

また、国民にとって、民主党及び民主党政権に国政を委ねる事への信頼も無くなった。政権党としての心構えが欠如している。政権交代が出来る2大政党制も民主党のだらしなさで消えそうだ。

菅政権が歴史にどう残るか。今まで提案した政策をしっかり執行できればよかろうが、今までの様子では「総理の座に執着した最低の総理」のレッテルを張られかねない。

写真:3党合意を評価しなかった菅総理を批判する自民党谷垣総裁 2011.6.24 NHK「おはよう日本」

2011年6月23日木曜日

日本の経緯度原点、水準原点めぐり




































東経と言えば135度の明石の子午線が有名であるが、東経139度44分28秒8759、北緯35度39分29秒1572、これが日本の経緯度原点で東京都麻布台2-18-1に位置する。もう一つ、標高の基準となる日本の水準原点は東京都千代田区1-1-2の憲政記念館の庭にあり24.4140mだ。

この経緯度原点が今回の東北地方太平洋沖地震による地殻変動で20~30cm動いたようで、原点の変動量調査が始まったと言うことで、原点位置へ行ってみた。

JR浜松町駅を降り増上寺、東京タワーへ向かう。途中、東京タワーの頂部のアンテナ部分が地震の揺れで曲がったままになっているのが確認出来た。使用に支障はなく、近いうちに634mの東京スカイツリーに役目が移るので、そのままになっているのだろう。記念に残しておく方法もある。

東京タワーでは、鯉のぼりならぬサンマの幟が泳いでいる。被災地を元気づけるためか。

東京タワーを過ぎ飯倉交差点を横切り、ロシア大使館の角を左折する。警察の警備車や警官が至る所に立っている。道が狭いし通るのに勇気がいる。

ロシア大使館を過ぎ、アフガニスタン大使館の前に空き地が広がる。立ち入り禁止の黄色いテープがはったあり、6月21日~25日にかけて変動量調査を実施中の看板が立っていた。

原点の位置する処までは入れないが、調査のための高いアンテナが原点の上に立てられていた。

今回の巨大地震で日本列島の陸側プレートが大きく跳ね上がり、その反動で東北地方の太平洋側を中心に海岸部分の地殻が東側に移動し、沈降したらしい。海上保安庁の観測点では宮城県沖の海底が東南東に24m移動した。牡鹿半島では116cm、女川89cm沈下した。

東京も20~30cm変動したらしい。

私も工場の図面が必要だったために測量会社の仕事に付き合った事があるが、工場近くの「基準点」から等高線を出していく。この基準点も変わってくるのだ。この正確な情報がないと被災地の復興事業に影響するという。

飯倉交差点まで戻り、桜田通りを霞ヶ関から憲政記念館に向かった。今日の東京の気温は31.9度、暑い。

ここに日本の水準原点があるのだ。言われてみればローマ神殿風の豪壮な建家があるのであるが、以前に来たときはポンプ小屋ではないかと思ったぐらいで興味を引かなかった。

しかし、ここが東京湾平均海面を標高ゼロメートルにした標高24.4140mになるのだ。最初24.5000m賭されていたが、1923年の関東大震災で24.4140mに見直された。

暑くて喉も渇いたので、国会内売店に寄った。国会見学の学生が多い。霞ヶ関では地図を持って官庁街を歩く課外学習の学生もいる。今の菅政権、与野党の茶番劇をどう見ているのだろうか。

売店のお土産では、自民党谷垣総裁をはじめ数人の議員の似顔絵が入った「ねじれん餅」、今回の被災地救援活動が評価されてのことだろうか「がんばろう日本 ありがとう自衛隊」のお土産もある。菅総理のモノはないが小沢さんの「一兵卒」が棚に並んでいた。

私達が何気なく使っている基準の原点を巡って、ありがたさを痛感した。

(註) 10月18日 国土交通省が測量法施行令の一部改正を行った。


写真上段左:日本の経緯度原点 今変動量調査中 20~30cm変動しているらしい 2011.6.22


写真上段中:東北地方太平洋沖地震にともなう海底の動き 2011.4.7 民放テレビニュース


写真上段右:東京タワー頭頂部のアンテナ部分が曲がったままだ


写真中段:日本の水準原点


写真下段:国会内売店のお土産 時をよく反映している


 

2011年6月21日火曜日

総理の座を巡る攻防:「あきらめない」vs「もう辞めろ」



会期末を明日に控えて国会の会期延長が決まらない。民主党執行部は総理に花道を用意して退陣時期の表明を求め「もう辞めろ」と言っているのに、菅総理は相変わらずアレがやりたい、コレもやりたいで「あきらめない」姿勢で、毎日両者の鬩ぎ合いが続いている。

揉めれば揉めるほど、菅政権の支持率は下落し、菅総理の求心力はなくなり、おまけに民主党支持も下落しているのが分らないのだろうか。

一方、自民党はじめ野党も先の菅内閣不信任決議案の否決で、「今、そんなことをやっているときでは無かろう」との批判が高まり、「菅降ろし」の戦術も湿り気味で、妥協を強いられる政局になってきた。

何故、こんな事になったのか。

それは、先の不信任決議案の大義名分がはっきりせず、与野党の動きから権力闘争と見られたからだ。本当の理由は、菅総理の政治手法への不信が募り、政治を変えなければ今後の政局運営が難しいと判断したからではなかったのか。

私も先に、菅流政治手法は常に唐突に新しい政策に飛びつき、何の根回しもなく「オレが、オレが」で発表し、周辺は右往左往するばかりで、その負担は国民にくることになると記したが、市民運動というモノは、常に新しいテーマを扱っていないと存在価値がないが、菅総理はこのことが身に染みこんでいるのだ。

目処を付けることが政治家の本望だとまで言った「社会保障と税の一体改革」も消費税10%が絡んでくると民主党内もまとまらないが、菅総理は一向に民主党議員を説得する事はしていない。TPPだってうたったまではしたが、賛否両論で行き詰まっている。特例公債法案、第2次補正予算案を通すことで大臣の花道にしようと執行部は考えたが、菅総理は「再生自然エネルギー促進法案」を打ち出し、これもやりたいと言い出した。

何が菅総理をこれ程までに執念を燃やさせているのか。一方で「辞めろ、辞めろ」と言われているのに。

歴史に残る大仕事をしたいとい政治家の欲望なのか。財政再建をはじめ、発送電分離、原発問題など今まで出来なかった利権に風穴を開ける政治家の責任なのか。

でも、菅総理の政治手法は混乱を招くだけで遅々として成果があがらないのは目に見えている。国民に対しても説明をする努力が足りない。やること為すことパフォーマンスが鼻につく。総理として必要なバランス感覚に欠ける政治家であることに間違いない。

難しい国会運営を岡田さんはじめ民主党執行部に任せているのであれば、岡田執行部の方針も理解すべきである。

「あきらめない」「辞めろ」ではなく、「国民の国益を考えたら何が一番か」を考えるのが、民主党のスローガンである「国民の生活が第一」ではないのか。

民主党議員全員が、政権交代の原点に返るべきである(マニフェストに戻れと言うことではない)。

写真:民主党執行部との協議でも続投意欲を見せる菅総理 2011.6.20TBSニュース23 クロス

2011年6月20日月曜日

動き出した財務省主導の消費税10%、政治主導で詰めを





















社会保障と税の一体改革案で消費税10%引き上げが具体化してきた。今年度内の法案化に向けた協議が始まりそうだが、菅総理が政治家の本望とまで言った財政再建への一歩であるが政治主導なのか。必要性は分るが、IMFまで国の借金が対GDP200%は未知の領域として財政改善のため消費税上げに異例の提言をするほど財務省の強い意向が伺える。

確か配分など詳細は決まっていないはずだ。曖昧な内容ほど裁量が自由になる財務省の望むところで、財務省主導の増税ではないのか。

そもそも、我が国の借金(債務残高)が対GDPで200%を声、先進国では最悪の財政であること自体が本当なのか。もっと議論し、国の財政の本来の姿を国民に示さなければならないのではないか。

確かに、財務省のHPから一般政府ベースの債務残高の国際比較(対GDP比)を見ると2011年には204.2%になり、米国98.5%、英国88.6%、ドイツ81.3%、フランス97.1%と比べても異常に高い。

一方で、債務残高ではなく、政府が保有する金融資産などを差し引いた純債務残高で比較すべきだと言う考えもある。その純債務残高での比較でも、2011年には米国74.3%、英国57.6%、ドイツ51.6%、フランス61.8%と比べ、日本は120.4%でやはり異常な悪さであることは分る。

ただ、純債務残高を比較する場合、我が国政府の金融資産の多くは将来の社会保障給付を賄う積立金であり、直ぐに取り崩して債務の償還や利払いの財源などにすることは出来ないと注意書きが書いてある。何やら埋蔵金の取り崩し論議の時もそうだった。

IMFの援護もあるが、これに対してエール大の浜田先生は純政府債務であれば日本の借金は対GDP比60%以下になり、先進国とそう変わらないが、日本の借金は対GDP比約180%(2008年の173.9%)を用いていると批判している。

先進国に比べても遜色のない借金レベルであれば問題ないのだが、この見解の違いをはっきりさせるべきである。

一方で、一般政府ベースの他に、購買力平価ベースでの国際比較もある。コレだと比率がグッと落ちるが、それでも先進国では最悪だという。

IMFは、購買力平価ベースでの対GDPで財政赤字の見通し比較を発表した。それによると日本は2011年10.5%、2012年9.1%、米国はそれぞれ9.9%、7.8%で共に中期の財政再建策が不可欠というが、フランス、ドイツ、カナダは財政再建が進んでいるという(読売新聞 2011.6.18)。

購買力平価ベースは、国内総生産の実質比較を調査対象品目の価格、支出ウェートのデータで換算し、それぞれ通貨の購買力が等しくなるようにしたモノで、為替レートによる通貨換算の弊害を避けたやり方だ。

この購買力平価ベースのGDPで、最近センセーショナルなニュースが流れた。2010年の購買力平価ベースでのGDPで日本は3位だったが、今年はインドに抜かれて4位に落ちるらしい。米国、中国、インド、日本、ドイツと続くらしい。

でも予断になるが、GDPが増えたからと言って喜んでばかりはいられない。病気が増えて医者に行く、高齢化が進むと介護・福祉の需要が増える、環境汚染が進めばその処理関係でお金がかかる。すべてGDPは増加するのだ。GDPは増えても世の中は良いことばかりではないのだ。

ところで財政赤字評価も、計算条件によって債務残高を使えば対GDP比204%と先進国で突出して財政状況は悪いが、純債務残高を使えば120%と悪いことに変わりはないが、債務残高ほどではない。しかし、この純債務残高による比較でも研究者によっては対GDP比約60%になり、何ら他の先進国と変わりがなく、日本の財政危機は財務省に作られたモノだというのだ。

購買力平価ベースでの対GDP比も先進藷国見通しが2011年で8%弱、2012年で約6%なので我が国は悪いことには変わりない。大震災での税収減、復興のための財政出動も見込まれているため悪化しているのだ。

菅総理は、消費税増税案を閣議決定し、今年度内の法案化に向けて協議したいらしい。財務省に押され気味にならず、政治主導でしっかり詰めて欲しい。内容が曖昧なままでの法案化は、財務省の思うがままに出来る余地を残すことになり、将来に禍根を残すことになる。

ところで、菅総理は国会審議で増税の場合、予め国民の信を問うと言ったことがあるが、そんなことはお構いなく、国民の信を問わず強行突破するのではなかろうか。国民は民主党に衆院で308議席を与えてしまった。総選挙になれば民主党は惨敗で民主党政権は存在しない。

菅政権での消費税増税などできないはずだ。まず、民主党内をまとめることが出来ない。「マニフェストで増税しない」といったはずだと党内論争が起きる。

消費税増税の必要性は分るが、国家財政のあり方に対し国会審議が不十分である。財務省言いなりの増税策ではなく、政治主導の増税策をやって欲しい。

写真上段左:IMFの11,12年主要国財政赤字見通し 米国同様中期の財政再建策が必要という 2011.6.18 読売新聞

写真上段右:財務省 何かにつけ悪者になるが、しっかり財政状況を説明すべきである

写真中段:純債務残高対GDP比 わが国は120%で、先進国では最悪 財務省HPより

写真下段:債務残高対GDP比 200%を超え、IMFは未知の領域に入ったという 財務省HPより

2011年6月19日日曜日

菅降ろし騒動:政治空白でなく、政治を変えるためではないのか



今の「菅降ろし」騒動は、政治空白を作るのではなく、政治を変えるための動きではないのか。次々に新しい政策に食らいつき政権続投意欲を見せる菅総理に対して「菅おろし」の雲行きもおかしくなりそうだ。このままで暫く行くのではないかとの見方も出ている。

この政局を「今そんなことをやっている時ではないだろう」と政治空白を作ることに批判的向きもあるが、チョット待て。「菅降ろし」の目的は「政治を変える」、「政治手法を変える」事ではないのか。

TPPはもとより、原発一時停止、震災対策、第1.5次補正予算、第3次補正予算そして再生可能自然エネルギー促進法案など党内調整もせず、所謂菅流政治主導で政策を打ち出す意義が今あるのか。政府が十分に煮詰まらないまま提出すると国会審議で揉め、時間がかかる。コレこそ政治空白である。

では、菅総理が退陣すると、今与野党でゴタゴトしている子ども手当など民主党のバラマキ予算をはじめ民主党のマニフェスト、連立にせよ閣外協力にせよ与野党での政策合意が出来るのか。

19日のメデイアの世論調査によると、報道2001は、内閣支持率29.3%、政党への投票は自民党26.4%で上昇、民主党20%で下降だ。菅総理の政治手法、民主党のゴタゴタが影響している。

NHKの世論調査「望ましい退陣時期?」では、今月中31%、8月頃まで25%、秋から年末15%、来年以降19%となっている。

菅総理はこの結果をどう見るか。「まだ内閣支持率は30%近くあり、周りは直ぐ辞めろと言うが、秋以降も期待している国民もいるではないか」と考えれば続投の意欲も出てくる。

菅総理が自主的に退陣しないのであれば、私も先に指摘したが民主党執行部の辞任、閣僚の辞任しかない。要は菅総理を守る国益は何かだ。

今、やらなければ為らないことは、「政治を変える」ことだ。それを政治空白と言ったら何も出来ない。

写真:NHK 与野党に問う どうなる菅首相「退陣」 2011.6.19

2011年6月18日土曜日

東京おもちゃショー2011:究極の「おもちゃ」を見つけたと思ったが































学生時代に、「究極のおもちゃは飛ぶことの出来るハエだ」と言われたことがあるのを覚えている。一見そう見える「おもちゃ」を今開催されている「東京おもちゃショー2011」のブースで見つけたと思ったが、残念ながら違っていた。

18日、有明の東京ビッグサイトで開催されている「東京おもちゃショー2011」に行った。今年は「おもちゃで世界を笑顔に」がキャッチフレーズで、癒し系の「おもちゃ」から、時代にあったハイテクな「おもちゃ」まで100企業以上の出店だ。

「飛ぶ蝶々」と見間違ったのは、イメージミッション木鏡社が出店していた「ソーラーバタフライ」だった。ソーラーパネルの付いた支柱の周りを蝶々がハネをバタバタさせながらぐるぐる回っている。近寄ってよく見ると支柱の上から出た極細のワイヤで蝶々が吊されている。遠方から見ると飛んでいるように見える。

担当の人に聞くと種明かしをしてくれた。残念だが究極の「おもちゃ」は出来ていなかった。飛ぶホタルが出来れば、夏の夜部屋を暗くしてお尻の光りを点滅させながら飛ぶのを見ると癒やされる気がする。

今、世の中はエコがはやりだ。「おもちゃ」も乾電池やソ-ラーではなく、発電機を積んだ「手ころがし発電」で後ろのタイヤで発電する「エコロ」が、メガハウスから出店されている。パトカーなら、光り、サイレンが鳴るハイブリッド・ミニカーだ。「おもちゃ」大賞優秀賞を受賞している。

ブロック遊びも、ただ組み立てるだけではない。新製品の「コアユニット」「コアカード」を組み入れることによりサイレン音、打ち上げ音、飛行音、プロペア音が出せる。コードの入力は○、△、□のボタンを押せば良い。ブロック遊びも一団と面白くなっている。ダイヤブロックの製品だ。

癒し系としては、「爆笑ペット」が面白い。サル、パンダなどのぬいぐるみが笑いながら転げ回っている。ついつい釣られて笑ってしまう。今の世の中笑うことも少なくなっているが、このぬいぐるみを触りながら一緒に笑う。

もっとゆっくり見れば、面白い、時代を反映した「おもちゃ」、開発者の思いも感じることが出来るのだが、見学も大変な仕事だ。

私達の子供の頃は、車も材木、丸太を集めて作り坂道を転がして楽しんだモノだ。作る楽しみ、喜びがあった。

今は、「おもちゃ」を使って遊ぶ楽しみ、喜びだ。飽きられないように工夫する開発者の努力も大変だろうと思った。

写真一段目左:ソーラーバタフライ

写真一段目右:おもちゃショー会場 2011.6.18 有明 東京ビッグサイト

写真2段目:エコロ

写真3段目:コアブロック

写真4段目:爆笑ペット

想定 党首討論



党首討論の国会中継がある度に聞くことにしているが、与野党党首が持論、党の政策の違いを主張するばかりで、妥協案まで持っていける可能性は全くない。そうだろう、妥協すると負けたことになり、党内で責任問題に発展するのが我が国の政界の常なのだ。

菅総理退陣を巡る与野党の右往左往ぶり、「ポスト菅」後の見通しが立たない政界にあって打開策を
探るも妙案はなく、党首討論も先送りされそうだ。政権の延命策に加担する結果を恐れての党首討論の拒否だ。

与野党お互いに疑心暗鬼では、実りのある討論などできるはずがない。今、党首討論をやるとどういう事になるだろうか想定してみた。

野党党首「総理 先の党首討論で総理が退陣すればすべてがうまく動き出すと言いました。総理は民主党代議士会で退陣表明ととれる挨拶をされましたが、その後一向に退陣時期の話がありません。寧ろ続投意欲満々だという。どうなっているんですか」

総理「責任を全うして、若い世代に譲りたいと言いましたが、その通りです。第2次補正予算案、復興基本法案、特例公債法案に目処を付け、更に再生自然エネルギー促進法案も責任を持ってやりたい。政治は一時の猶予もできない」

野党「退陣時期も明らかにせず、政策を小出しにして政権延命に余念のない総理と皆思っている。新しい政権で新しい政策に取り組むべきではないのか」

総理「先の内閣不信任決議案は、否決され大差で信任を得た。退陣、退陣と言われるが、私が退陣した後どうなるのか。そこが見えてこない。そんな状態で退陣することは、政治空白そのものだ」

野党「総理が何時退陣するか分らないから、その後が進まないのです。あなたが辞めれば政局は好転することは間違いない。更に民主党は財源問題から民主党マニフェストの見直しをやっている。政権交代のきっかけでもあったマニフェストを見直すと言うことは、政権交代の根底が崩れたことになるのではないか」

総理「今、緊急に財政出動しなければならない復興財源、そして野党の皆さんとの協調を目指してマニフェストの見直しをしている。是非、この難局を切り抜けるため野党の皆さんの協力をお願いしたい。特に特例公債法案では、第1次予算案の約4割を赤字国債で賄う重要な法案で、私の後、誰が総理になっても必要な法案です。今通さなくて、次ぎに通る可能性があるとは思えない」

野党「ところでですネ 総理。21世紀臨調が22日の国会会期末までに、退陣時期を明言するように緊急提言しました。読みましたか」

総理「提言があったことは知っていますが、内容までは把握していません」

野党「その提言では、民主党はマニフェスト、政治主導への信頼を失わせた責任は重大で事態収拾の道筋を付けるのが、総理の責任だとしています」

総理「有識者のご意見として、承わっておきたい」

野党「ズルズル政権を延命させるのではなく、心機一転政治を進展させるためにも1日も早い退陣を求めます」

党首討論をやったとしても、この程度だ。誰が菅総理を元気づけているのか。国民新党の亀井さんは、内閣改造などを提案していると言うが、連立となると国民新党の立場は無くなってしまう。孫さんだって自分の野望を達成するために菅総理に近づいているだけだ。

菅総理が政治家責任を全うしようと思っているのかも知れないが、既に信頼を落としていることは責任を全うできる立場にはない。

これ以上、バカにされないためにも、早期退陣を望む。


写真:菅内閣不信任決議案を大差で否決した国会 2011.5.20 菅総理を勢い付けたか

2011年6月17日金曜日

東海地震に備えた防災訓練:小学校の引き取り訓練に参加







私は、震災時小学校と保育園に行っている孫の引き取りに登録されている。東海地震に備えた防災訓練で、17日にその引き取り訓練が行なわれた。娘は「訓練だから特にいかなくても」と言ったが、時間があるので参加した。

運動場にクラス別に集合するように連絡があったが、雨天の時は教室の前に集まり、児童名、引き取り人名、続柄を言って引き取ることになる。30人クラスであったが、引き取りには15人ぐらいの保護者が来ていた。

訓練だからと言って軽視してはいけない。実際の震災時はどんなことが起きるか分らない。想定できる事態をすべて上げて対応を考えても実際にはうまく行かないものだ。訓練では時間が30分と決められているので、親の駆けつけも短時間で終わるが、実際にはそうはいかない。計画では一定時間後は体育館で待機することになっている。

東京都大田区のこの小学校は、震災時、避難場所になる多摩川河川敷に向かうための一時避難場所になっているが、避難生活を送るための避難所にも指定されている。大田区では自治会、町会毎に決められているのだ。

しかし、この小学校では1,2階で筋交いなど耐震工事をやった形跡がない。大田区教育委員会のHPでは耐震調査で1.09だったために工事は必要ないという。4階建ての学校で1,2階に筋交いを入れた耐震工事を見かけるので心配になるが、3階建て、地盤もしっかりしていることから不要なのだろう。

しかし、黙視や経験値からの耐震調査は当てにならない。ニュージーランド地震での英会話学校の入っていたビルが倒壊し多くの犠牲者が出た。このビルも1年前の地震後の調査では異常が見られなかったと言うが、今回の地震でエレベーター部分を残し全壊したニュースは、まだ新しい。

孫が通っている学校だけに、その心配はあるし地域の避難所でもある。訓練も大事であるが、建物もしっかり補強すべきである。

3月11日の東北地方太平洋沖地震では、私の住んでいる街でも古い和風の住宅の瓦が落ち、ブロック塀にひびが入った例がある。今は撤去され更地になっている。隣の品川区では河川の水位が1.6mあがった。想定が1.2mだったので見直ししなければならないという。

孫との帰り道、どんな危険が潜んでいるか孫に教えた。立派な一戸建て住宅が多いが、瓦や窓ガラスの落下、看板の落下、自動販売機の倒壊、倒れた電柱と垂れ下がった電線には注意が必要だ。車に注意して出来るだけ道の真ん中を歩くことだ。

また、この地域は学校の周り、街樹として巨大で枝振りのいい桜の木が多く保護されている。倒木は避けられないだろう。

何時起きても不思議ではない首都直下型地震、東海・東南海・南海地震の3連動型は近い将来必ず送る。平静から何をすべきか考えておかなければならない。


写真左:小学校の引き取り訓練 東京都大田区内の小学校で 2011.6.17

写真右:東北地方太平洋沖地震本震か余震で瓦が落ち、ブロック塀にひびが入って被害を受けた民家 大田区内で

菅総理 今の政治手法は許しがたい悪行だ



菅総理は自分勝手な「責任を全うする」ために、政権の延命策に余念がないが、今の政治手法は許し難い悪行であり、国民の政治不信をかき立て、国際的には笑い者になっている。菅総理ばかりでなく、民主党の信も落ちる一方ではないか。

先の民主党代議士会での挨拶でも、「退陣」について直接触れていないと思っているだろうが、国民やメデイアに「退陣決意」と受け取られた事は致命傷であった。

「何故退陣しないのか」、「何時辞めるのか」との国会での質問に、「責任を全うさせて欲しい」とか「時期については思っていても言うはずがない」とかいっているが、政治の駆け引きを楽しんでいるとしか思えない。

特例公債法、第2次(1.5次)補正予算の成立を期しているようだが、国際舞台で自然エネルギー割合を20%まであげ、1000万戸に太陽光発電を設置すると唱えた事もあって、再生自然エネルギー促進法案もやりたいらしい。推進議員の集まりで、孫さんに「粘り腰」と激励され、「この法律は絶対に通して欲しい」と要請された。菅総理は国会では「菅の顔を見たくない」という国会議員が多いことを何回も笑顔で紹介し、「見たくなければ、この法案を通せ」と悪態を付く始末だ。

こんな総理を抱える民主党執行部もだらしない。菅総理が繰り出す政策、作戦に右往左往するばかりだ。鳩山さんが、あんな稚拙な行為に出なかったら、今政界は大きく動いていたかも知れない。

そんな菅総理が、政治ゲームを楽しんでいる時、21世紀臨調が「退陣時期」を明言するよう緊急提言を発表した(MSN産経ニュース 2011.6.16)。

それによると、首相の責任、代表選のあり方、政策協議と国会の仕組みづくり、連立協議について提言している。民主党はマニフェストや政治主導と言う言葉の信頼を失わせ、菅総理は「事態収拾の道筋を付ける責任がある」という。

又、大連立構想では自民党に首相の座を譲る大胆な発想も大事だとしながらも、大連立より、○○特命政権にした方がわかりやすいとも提起している。

有識者で作る「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)の提言だ。菅総理はしっかり対応しなければならない。

政治ゲームは、もう御免だ。

写真:再生自然エネルギー推進法案の推進議連ではしゃぐ菅総理 2011.6.16TBSニュース23クロスより

2011年6月15日水曜日

民主党執行部全員の辞任で「菅おろし」を



菅総理は続投に相当の執念を持っているようで、当初否定していた国会延長、第2次補正予算の提出も決まり、関連法案の成立に意欲を示したという。「ポスト菅」の顔が定まらないことから、自分に分があると踏んだのだろう。

第2次補正予算も、何やら規模の小さい1.5次予算となるらしい。あからさまな延命策と思える。テレビ報道で被災地のガレキ処理を見ると、遅々として進まず、業者は3ヶ月ビタ一文もらわず赤字で作業をしているという。でも第1次補正予算でガレキ処理費は既に計上されている。予算がないのではなく、予算がうまく執行されていないのではないか。

歴代最低の総理、「大震災対応は能力を遙かに超えている」との評価を「復興に力を注いだ」評価にしたいのだろうが、如何にせん菅流政治手法には違和感がある。

政策課題には事欠かない。次ぎから次ぎにやりたい政策を小出しする菅総理に民主党執行部は「国民の感覚と違う」と異論を呈したと報道されている。「菅総理退陣」の気運が高まったかに見えたが、菅総理も粘り強いが、政策を打ち出すたびに延命工作と見られる菅総理は、本当に徳のない政治家だ。

「菅降ろし」が手詰まりの中で、最後の手段は民主党執行部全員が辞任し、菅執行部の崩壊しかないのではないか。今週中にも開催が予定されていた両院議員総会も「退陣要求」が出るのを警戒して先送りしたようで、「菅抜き」の両院議員総会も検討されていると言うが、本当にやるつもりなのか。

今の民主党の最優先課題は「混乱の回避」とは情けない。

また、菅総理は、周りの人間を舐めているのではないか。誰だって国政にあって目立つ存在でありたいと思う。先の不信任決議案で5人の副大臣などが辞職願を出したが、否決されたと見るや笑顔で辞職願を撤回した。閣僚だって「菅内閣の一員だ。菅降ろしに違和感を覚える」と優等生発言が続く。執行部の岡田さん、安住さん、輿石さんだって辞表を胸に職責に当たっているとは思えない。「あわよくば次はオレ」、政局のキーマンであり続けたいと思っているだけだ。

コレが今、民主党が置かれている状況なのだ。心機一転、政界の閉塞感を打破するためにも、民主党執行部全員の辞任で、「菅おろし」に進むべきだ。

2011年6月14日火曜日

何なんだ、この政局は



何なんだ、この政局は。政局と言うにはおこがましい茶番劇だ。先の不信任決議案の際の民主党代議士会で菅総理は退陣表明したと野党やメデイアは主張するが、聞いていて、そんなことは言っていない。責任を全うし、「若い世代へ引き継ぎたい」と言ったまでだ。調整能力に欠ける鳩山さんが、変な行動を取るからウヤムヤのうちに可決だけは回避した。

今は、野党はもとより、民主党執行部まで「1日も早く退陣を」と言うが、その後の展望が見えず、菅総理は「後が決まらないようでは、自分が続投するしかない」という始末。機会ある毎に「責任を全うしたい」と続投意欲丸出しだ。

国民新党の亀井さんは「総理は切腹しようとしているのに、介添人が刀を振り回している」と、今の政局を表現するが、菅総理は切腹するとは言っていない。今切腹(退陣)するとバカだチョンだと言われ、おまけに「大震災に対応できる能力なし」と言われたままでは、辞めようにも辞められないのではないか。

だからこそ、第2次補正予算案、特例公債法案、復興基本法案など自分で目処を付けたいのだろう。しかし、これらの予算案、法案は菅政権でないと出来ない政策が含まれているのか。官僚主導で作っているのだから誰の政権でも同じなのであれば、1日も早く退陣した方が、与野党協調出来るチャンスがあるのではないか。

それにしても民主党政権は、国民の期待を裏切った。党内コミュニケーションも保たれていない党に政権を託する危険も目の当たりにした。次期総選挙では、民主党は大惨敗だろう。

菅政権で重要政治課題に取り組むのは無謀だ。やはり1日でも早く退陣すべきだろう。

菅内閣不信任決議案が否決された今、菅総理を辞めさせる手だてはあるのか。問責決議案は道義的責任は問えるが法的強制力はない。閣僚が辞任する手もあるが、「今、何をやっているんだ」という批判の方が大きいだろう。

ここは、民主党内で処理すべきだ。執行部には早い退陣を主張する者が多いのだから、幹事長以下執行部が全員辞任すべきだ。そうすれば菅執行部は崩壊したことになるのだから、菅さんは辞めざるを得なくなる。

今週中にも開かれるのではないかと言われていた民主党両院議員総会がチャンスだと思っていたが、混乱を避けるために見送られることになったようだ。

民主党の今の優先課題は「混乱を避ける」ということなのだ。


写真:NHK国会中継 2011.6.14 

2011年6月12日日曜日

天災に政治災はつきもの、政治に頼らぬ自助努力?



天災に政治災は付きものだ。震災規模が大きければ、スピーデイーな救済策など期待できない。東日本大震災は、経験したことのないM9の大地震、大津波の「天災」に、悪いことに「人災」とまで言われる福島第一原発メルトダウンと言う原発最悪事態、そして菅民主党政権による「政治災」が加わりどうしようもない状況に陥っている。

今回の大震災は他人事ではない。次ぎに起きる東海・東南海・南海地震の3連動型の超巨大地震、津波災害は東日本大震災どころではなく、東京、名古屋、大阪の3首都圏を巻き込んだ予想も出来ない災害になる。

自民党政権時の兵庫県南部地震(阪神大震災)では、関連法案も早く通り対応が早かったと比較されているが、何ぶんにも今回の被災は広域で、おまけに津波により防波堤など重要な公共建造物、道路、鉄道の寸断、消失、生活域も全壊、消失し、被災自治体も丸裸になり、且つ多くの職員を失っている。

そんな状況で、「国が・・・、県が・・・」といっても、菅政権でなくても対応が遅くなるのは当然で、政権を批判することは過酷な気もするが、原発災害もあって民主党菅政権の対応のまずさ、党内抗争は「今時、何をやっているんだ」と批判されても仕方ないことだ。

天災が起きても、政治の不作為は付き物であるが、被災現地から工場の再興、個人商店の再開、船の修理、まだわずかだが漁業の再開など明るいニュースが伝わってくる。政治に頼らない自助努力には、感心する。

それでも、流出した防潮堤の再構築、鉄道、道路の復旧計画、被災地・浸水地域の土地利用をどうするか。国や県が計画案を出さなければならないことは当然だ。しかし、被災土地を県や市町村が買い上げることには異論はないが、国が買い上げることは考えものだ。

これから起こるだろう超巨大災害で、被災地を国が買い上げていてはきりがない。財政危機を考えると、躊躇せざるを得ない。

第1次補正予算では約4兆円組んでいるが、第2次補正予算では10兆円を超えるという。財源は何らかの増税で賄いたいらしい。財務省の考えだろうが、ここに来てIMFも2012年までに消費税7~8%を提言してきた。IMFには財務省から多くのスタッフが出向しており、財務省の意向をバックアップしているのだろう。

OECDも、国の借金が対GDP200%は未知の領域だと我が国の財政状況に懸念を示した。

「何でもかんでも国に」という考えは、通用しなくなる。

私も今は東京に住んでいる。首都圏直下型地震、東海地震など何時起きても不思議でない状況にあると言われている。万一発生しても3日間耐えれば救援されると言うが、そんなにうまくいくとは思えない。

マンションには防災用具が倉庫に保管され、飲料水も会社が補給すると言うが頼ってはいけないだろう。防災マニュアルがうまくいった試しがない。地域のコミュニケーション、自治会組織がどうなっているか。一度行事に参加してみたいと思っている。9月の区の防災訓練には参加するつもりだ。

それにしても子供や高齢者、治療中の人達など生活弱者への対応は重要だ。特に震災後直ぐに被災地へ入ったボランテイアの医師が、「震災医療は老人医療だった」と言ったのは印象に残った。外科的な処置が多いのだろうと思っていたが、実情は老人医療だったのだ。

私ももうすぐその高齢者に仲間入りする。近くに娘夫婦が住んでおり、助けないは出来るだろう。震災寺、小学生と保育園児の孫達のお迎えが私の仕事にもなっている。来週は防災訓練で、子供達の引き取り訓練があり、参加する予定だ。

政治に頼らず、自分で出来ることを普段から考えておくことも必要だ。


写真:大連立は立ち往生、菅総理は居坐り政治空白を批判 2011.6.12 テレビ朝日 Sフロンテイアより

2011年6月11日土曜日

何たる勘違い:菅総理に「責任の全う」など期待していないのだ



菅総理に「政治家としての責任の全う」など期待されていないのだ。先に不信任決議案では、「退陣を臭わせた」ペテン的行為でやっと回避できたにもかかわらず、菅さんは大差で否決されたと豪語する始末。政権の政策が国会と合わず、不信任を突きつけられた従来の不信任決議案に対するコメントと同じなのだ。今回の不信任決議案は、政策もさることながら政治手法にも異を唱えているのだ。

そしてその後は、続投意欲ともとれる「最後の最後まで自分の責任を全うする」、「一定の目処が付くまで責任を持ってやりたい」との発言が続くが、野党は勿論のこと、民主党内、最大支援団体からも早期退陣論が広がる。

菅総理の何たる勘違いか

菅総理は退陣時期を明かさないことで延命策をとっているが、コレでは政治が前へ進まない。参議院の予算委員会を見ても質問者は最初に、一刻も早い首相の決断を迫られたり、首相後継に名の上がった野田さんや鹿野さんに感想を聞かれたりする始末だ。

官総理の答弁を聞いていると、8月末?、年末?、いやもっと先になりそうとも聞き取れる内容だ。

鳩山、菅合意文書の作成過程、その後のゴタゴタ騒ぎからも分るように総理の言葉に信はない。ただ時間が無駄に流れ、政治は混沌とするばかりだ。

菅総理に重要法案、予算案、政策を「自分の責任で通す」ことを国会は要求していないのだ。不信任決議案は回避できても「官退陣」が大前提なのだ。

官総理は、退陣するまでは国会に信任されていると思っているのであれば勘違いで、官総理に求められているのは即時退陣なのだ。

菅総理を降ろす手段として、民主党両院議員総会、代表選が取りざたされているが、民主党内がコミュニケーション不足であることを考えると挙党一致の方策を決める機会かも知れない。追求を恐れて記者会見も拒否している菅さんが「ウン」と言うかだ。

菅政権の全閣僚か、幾人かの閣僚が「早期退陣」を迫って辞任する事も考えられるが、折角取った政権だ、そう簡単にはいかないだろう。不信任案の時、5人の副大臣、政務官が辞職願を出したと言うが、否決された途端、笑顔で辞職願を取り下げ顰蹙を買っていた。

節操などない政治家なのだが、今、菅総理に忠誠を誓うことは、自分の政治生命に傷を付けることにならないか。

民主党全執行部の辞任ではどうか。岡田さんは、幹事長の仕事は「総理に退陣時期を教えること」といったそうだが、これだけの政治環境で、まだ教えていないのか。

「菅総理の早期退陣」が時間を無駄にせず、混乱を収める一番の方法であるが、やっぱり「指導力」「リーダーシップ」の欠ける総理だ。保身のための延命を今後も続けるのか。


写真:本会議でも「辞めろ」コールを浴びる菅総理 2011.5.20 民放テレビニュースより

2011年6月9日木曜日

延命を画策する菅総理に起死回生の一発があるのか



すでに周りは早期退陣、民主党代表選の話が持ち上がっているのに、菅総理は8月末までの延命の画策に余念がない。「仮設住宅」「がれき処理」「原発収束」に目処が立つことを上げているが、菅総理に起死回生の一発があるのか。

菅総理は、東日本大震災復興特別委員会で、「目処が立つまで、しっかりやれ」と議決されたと強弁し早期退陣をまたまた否定した。しかしあの不信任決議案は、間際での「退陣すると臭わせた」姑息な手段での大差で回避できただけのことだ。

この委員会で菅総理は、お盆までに全員仮設住宅へ入れるようにするという「仮設住宅」、8月中には生活域から搬出し、続く2次、3次処理つなげる「がれき処理」、年末か年明け早々には避難者の帰郷の目処を付けるといっていた「原発収束」、これらに一定の目処が付くまでやらして欲しいというのだ。

これらに起死回生の一発があるのか。

第1次補正予算では、応急仮設住宅建設、被災者などへの見舞金など4829億円、廃棄物処理費としてガレキなど処理に3519億円、公共土木施設復旧など1兆2019億円、学校・社会福祉施設復旧に4160億円、中小企業、農林漁業者などへの融資などに6407億円など4兆円を超える予算が組まれている。

実行に移すまでには時間がかかるのだろう。義捐金の配分が遅いとか会社を再興するのに資金がないとかガレキの処理が遅れて復旧がはかどらない。更に悪いことに有害物質の飛散での肺炎や細菌感染も心配されている。

実行までに時間がかかるのだろう。被災現場からの明るいニュースは聞こえてこない。

菅さんが狙っているのは、今まで第1次補正予算で震災復興の手は打っている。後はそれらが軌道に乗り成果として国民に分るようになると、「今後も菅総理で良いのではないか」という機運が起こることではないか。

一方、原発災害では、以前年末までに避難者の帰郷に目処を付けたいと言っていたが、8月までに低温停止に至る可能性があるのか。収束の目処がつかないので、「もう少しやらせて欲しい」なんて言い出すのではないだろうか。

兎に角、我が国は議院内閣制だ。国会が退陣要求すれば、従わなければ政局運営は難しくなる。


写真:がれきの処理がすすまない。仮置き場も少なく、搬入ルートもない。NHKクローズアップ現代 2011.6.9

2011年6月8日水曜日

与野党協調を進めるためにも、小沢氏離党を

菅総理が抜ければ与野党協調の可能性も出て来ると思っていたが、そう簡単にはいかないようだ。菅総理が退陣時期を明らかにしない事もあるが、連立構想も足踏み状態だ。民主党は財源不足から党内抗争の要因にもなっているマニフェストの見直しで野党の協調を目論んでいるが、自民党は解散・総選挙で政権奪取が当面の課題だ。思惑がこれ程異なればうまく行きはずがない。

大震災復興、原発災害対応、財政再建など、今の極めて困難な政策課題が山積する中で、政権与党の党内の不安定さは致命傷である。政権交代時、「国民の生活第一」をスローガンに自民党とは違った数々の公約を掲げたが税収の大幅減もあり、財源確保がままならずバラマキ予算になってしまった。野党からの批判と現実から見直し論が出てきたが、マニフェスト遵守を執拗に要求する小沢系グループとの間で党内権力抗争の様相を呈している。

今回の菅内閣不信任決議案への民主党議員のクルクル替わる「賛成」、「反対」は呆れかえる茶番劇だった。野党が賛成するのは当然としても、与党の一部が賛成することは異常な状態だったが、鳩山さんにハシゴを外された格好で、小沢グループは敗北した。

この茶番劇に小沢さんは「菅ではダメだ」と言っていたが、どう主導していたかは分らないし、側近連中が闇雲に動き、野党の盛り上がりもあってこんな事になったのだろう。

何時までもこんな混沌とした政治状況が続くのは良くない。衆議員選で308議席という多数の議席を確保でき、政権を取った民主党が党内抗争をやっていては、「国民の生活第一」と見得を切っても信じられない。

自民党とは差別化した大風呂敷のマニフェスト作成を主導したのも小沢さん、党内抗争の要因の一つも小沢さんの存在、「菅政権ではダメ」なら、どんな政策がよいのか、マニフェスト順守と言いながらその財源をどう確保するのか。党内一致団結のために何をしたのか。小沢さんの存在が与野党協調の話し合いを拒んでいる事をどう考えているのか。

自民党時代から、良かれ悪しかれ小沢さんは政治の中心にいた。しかし、これからの「新しい政治の枠組み」を考えるにあたっては、その存在はマイナスだ。

小沢さんが、民主党を離党しない理由は何なんだ。政治資金規正法違反疑惑では、検察が起訴する通常の起訴を違うと主張して離党を拒んだ。折角勝ち取った政権だから、自ら或いは息のかかった人材を政権の座につけ復権を狙っているのか。

しかし、もうそんな時ではない。
ここは潔く離党すべきではないのか。民主党を助けるためには、小沢さんはもち論のこと、晩節を汚しそうな菅さん、いつも政局を狂わす鳩山さんも離党すべきだ

2011年6月6日月曜日

政治が進まない本当の理由? 連立で進むのか







国民の生活第一、復旧・復興政策、原発災害対応、政策推進のための財源確保など本当に「国民のため」の政策であれば、与党、野党にかかわらず協調して政治は進むはずである。責任を持って推進する内閣は、それ相当の支持率を得るはずだ。

それが進まない理由は何か。

これ程までに菅総理が嫌われた理由に、菅流の政治手法があり、自民党、他の野党をはじめ政権与党である民主党内にも信頼関係を失った「菅さんではダメだ」という空気が広がった。「菅降ろし」が始まり、まだはっきりしないが退陣へと政局は動き出した。

では、菅さんが抜けたら進むのか。

民主党が野党と協調するにしろ、連立を組むにしろ考え方の違いが大きくのしかかる。それが政権交代を訴えたときの民主党のマニフェストだ。大幅な税収減、あれもこれもの4Kと言われるバラマキ予算での赤字国債は財政を圧迫する。財政再建、復興予算確保のため菅政権はマニフェストの見直しに言及したが、整合性に乏しく野党から了解は得られず、おまけにマニフェスト厳守を標榜する小沢系グループからは反対され党内抗争の具にまでなった。

野党対策を進めるのであれば、民主党内を整合性する必要がある。民主党分裂、再編が必要になる。小沢さんが、約50人を連れて離党できるか。又は、すべてを執行部に一任してマニフェストを一時凍結できるか。

自民党をはじめ野党と期間限定、或いは政策目標限定で連立政権或いは閣外協力をするにしても「法律をただ通せばよい」と言うことではないはずだ。例えば、復興構想案が出てきて採用するとしても復興・復旧財源の確保なくして実現は無理だ。そのためには消費税増税、特例公債法案で赤字国債の発行等が考えられるが、その前に民主党のバラマキ予算の見直しなども課題になる。

結局の処、政権党である民主党の政策を整合性すべきで、マニフェスト厳守を訴えるグループは、その考えを凍結するか、民主党を割って新党を立ち上げ、新しく出来る連立政権又は閣外協力政権に相対する政党になるしかない。

「ポスト菅」の顔は誰か。

ある報道機関の世論調査では、今回の不信任提案騒動を評価しないが、菅総理が退陣を表明したことは評価するという。もし、次の総理の顔が見えていたら、この騒動も評価されていたかも知れない。

世論調査で、次の総理を問うと「該当者なし」が一番多い。名前が挙がっても高々数%だ。それだけ期待される人材がいないのだ。でも衆議院の議席数からすると、民主党から出すのが無難だろう。議席数が多いのだから衆議院解散権は民主党選出の総理が持つべきである。

自民党から総理を出す話もあるが、自民党は民主党と連立を組むために民主党の公約に譲歩する気が少しはあるのか。

菅総理が退陣すれば政治が進む可能性があるとは思うが、その前提は民主党のあり方だ。マニフェストを見直すか、マニフェスト厳守派は離党するかだ。

2011年6月5日日曜日

民主党政権はもう御免、切磋琢磨し新しい政治の枠組みを







鳩山、菅政権と続く2年間の民主党政権には本当に懲りた。マニフェストを「守れ」「守れない」を政争の具にしたり、根回しなしで新たな政策への飛びつきは混乱を招き、一致団結して当たらなければならない大震災、原発災害に対しては組織論を無視した司令塔なき対応で、対策が遅れ傾向にある。

そして今回の内閣不信任案は、野党提出に与党の一部が乗る形での造反、民主党分裂を回避すべく鳩山さんが動いたが、「退陣時期」で一悶着、造反首謀者の小沢さんの処分も先送りの統制不能状態の執行部だ。

民主党が繰り出す総理は、バランス感覚に欠け、指導力、リーダーシップに於いて資質に欠けるとも批判される。自民党時代からそう言う事が指摘されてきたが、どうしてそう言う人材が出てくるのか。

結局は国会議員の政治力が劣化しているからではないのか。

また政策に於いても、政権交代を勝ち取った民主党のマニフェストに見るように民主は「反自民」、自民は「反民主」で差別化した大風呂敷の政策を掲げて、政権に就くと財源という現実の壁に突き当たり、政権が見直しを提案しようものなら、「マニフェストを守れ」と党内での反発が燃え上がる。

今回の大震災、原発災害は、菅政権でなくても対応に苦慮するはずだが、菅さんは良くやっていると思っているかも知れないが、復興・復旧に向けた組織的対応もまずく、原発震災に至っては細かいことに口を出し、対応に遅れを取った疑惑も出てきて菅総理による「人災」面が強いといわれだした。

しかし、原発事故や広域大震災への対応は、長く政権の座にいた自民党にも責任はある。「原発は安全」といってコスト重視、安全軽視で原発行政を進めてきたし、広域大震災への対応は以前から防災関係者から指摘されていたことだ。

ところで、これからの政権の枠組みはどうなるのか。

民主党は、菅総理が退陣し、代表選をやり新しい代表を選出するという。数からいくと又民主党政権が続くことになるが、ここまで来れば民主党単独政権は無理だ。

民主党がまずやらなければならないことは、2009年夏のマニフェストを小沢系議員が主張するように「守る」のか、現政権が摂っているように「見直す」のかをはっきりし政策の統一をすべきだ。
「国民の生活を守る」を第一に考えると見直せないと言うグループがいるのであれば、民主党を割って出るべきだ。

そうすることによって、野党との連立構想も現実味を帯びてくる。衆議院議員の任期一杯は、野党との連立を組み、大震災に対応していくべきだろう。

その後、総選挙で国民に信を問えばいい。

ただ問題は、今の小選挙区制は改めて、中選挙区制に戻すべきだ。何時でも政権交代が出来る2大政党制、カネのかからない小選挙区制のふれ込みで制度改革をやったが、獲得票数と議席獲得数の大きな乖離、地方区で落選し比例区で復活する奇妙な比例区、世の中の価値観は多様化している中での2大政党制は、その考えを反映できない。

それまでは、国会議員が切磋琢磨し、国会審議すれば政権交代に替わる効果があるはずだ。

与野党協同し成熟した政治運営をしなければ、この難局は切り抜けられないし、国民の信は取り戻せない。

2011年6月4日土曜日

菅内閣不信任決議案でわかった議員の政治力の劣化



あの程度の詰めに甘い鳩菅合意の覚書と鳩山さんの意見発表で賛成から反対に一気に流れが変わったことは、民主党内の「菅降ろし」の本気度を疑う結果になった。今回の菅内閣不信任決議案の採決に至る民主党の右往左往、自民党も提出に当たって一枚岩でなかったことを考えると何かしら国会議員一人一人の政治力の劣化が見えてくる。

最後まで賛成に拘ったのは、小沢さん側近の松木さんと離党宣言していた神奈川県比例区選出の若手議員の2人だけ、後は欠席した15人。民主党でも80人は賛成すると見られていたので、大勢はあわよくば「否決」で終わりたいと言うのが実情だったのだろう。

退陣があやふやな確認事項を「退陣表明」と捕らえ、賛成から反対に回った民主党国会議員の優柔不断さには呆れかえるが、回避できた菅総理の上機嫌な顔と対称に、はしごを外されたと批判された鳩山さんの顔は浮かれない。案の定、早期退陣を拒否した菅総理は、「退陣時期」で野党から追及を受ける羽目になった。

一方、自民党も「退陣のきっかけを作った」と評価するも、政権時代が懐かしい長老、派閥の領袖クラスのベテランに尻を押されての不信任案提出は、否決されたことで自民党内でもベテランと中堅、若手議員の間で溝が深くなった。

今回の騒動は、権力闘争の様相を呈し国民からも「何をやっているんだ」と批判が厳しい。

考えてみれば、国会議員の政治力も落ちたものだ。

国会議員一人一人が信念に基づいて行動すべきであるが、どうしても数人のリーダーの下で群れて動く。グループ、派閥でまとまって行動するから個人の責任は希薄になる。

自分たちが選んだ総理をどうして短期間に簡単に批判するようになるのか。選んだ「選択責任」は誰がどう取るのか。

国会議員になった以上は、総理を目指すのは当然であるとしても、何故指導力、資質に欠ける人材ばかりなのか。自ら総理の座を狙って行動する人、棚ぼた式に落ちてくるのを待っている人、今まで名前は売れていなかったが総裁選、代表選に出て2番手を確保しようとする人。いろんな人がいるが、人の痛みが分った苦労人はいない。カネを集め、数で勝負するのが一番手っ取り早い事を考えると、政治資金規正法違反疑惑も無くならない。

今回の不信任案提出でも、復興・復旧に向けた対応が遅い理由に関連法案の整備、瀬尾率が遅れていることが上げられている。

しかし、国会は国の唯一の立法機関(憲法第41条)で、法律を制定する事が出来る。国会議員が集まって知恵を出し、官僚の力を借りて法律案を作成することだって出来るのだ。何故、政府の法案整備の批判ばかりするのか。

勿論、今の国会での法案提出は内閣提出法案が圧倒的に多い。憲法で政府が提出する規定はないが、内閣法第5条で内閣に発案権が認められている。批判する前に国会議員同士でどうして法案提出の動きがないのか。

官僚に手伝ってもらってもいい。法案を作成する能力、調整する能力を持った議員であってほしい。
国会議員の政治力が問われた今回の菅内閣不信任決議案の採決だった。


写真:不信任案騒動が青樹不信を高める原因になっていることを認めた枝の官房長官 2011.6.3 TBSニュース23

政治家はペテン師、政治は騙し合いではないのか



政治家はほとんどペテン師、政治は騙し合いの面も大きい。しかし、今回の不信任決議案は、ひょっとしたら政治の流れを変え、気分一新出来るのではないかと期待はあったが、またまた調整能力に欠ける鳩山さんの出しゃばりで浪花節的は茶番劇で終わった。挙げ句がペテン師呼ばわりだ。

私も当初は、菅総理の打ち出す政策、政治手法の是非を問うモノと思い、早く提案して国会で判断を下し、少しでも政治を良い方向に持っていくべきだと思っていたが、鳩山さんの覚書での「民主党を壊さない」、「自民党に逆戻りさせない」は権力闘争の様相を呈していた。「今、そんなことをやっていて良いのか」の批判は真っ当である。

ところで今回の政局は、勝ったように見える菅政権であっても、後になって時期が問題になっている「退陣の臭い」をかかせたことで政権は「死に体」になり、負けたはずの野党、民主党反政権派にとっても脱力感は否めず今後の展望が掴めないのではないか。

おまけに、一国のリーダー、政権党の代表である菅さんが、退陣の時期を巡って鳩山さんから「ペテン師」呼ばわりされているが、鳩山さんだって総理時代に普天間移設問題でペテン師的発言があったではないか。

数々の政治資金規正法違反疑惑での政治家の否定、正式なことはよく分らないが米国政府の外交文書が違法漏出した件でも日本の官僚、政治家の否定が続いた。官邸機密費も潤滑油といった政治家もいるが、国会運営に行き詰まると、ばらまかれることを考えると国民を騙したことにもなる。今起きている原発災害だって「原発は安全」と国民にPRしながら、裏では官民上げてコスト重視、安全軽視が横行していた結果だ。

曖昧な退陣時期について、菅総理は3日の国会審議で退陣の言質を取られないように国会答弁でも「覚書の通りだ」というばかりで、押し問答の平行線だ。「冷温停止が一つの目処」と言うが、冷温停止だっていろんな条件がある。東電が作成した工程表は専門家の間では無理と言われていることを考えると、来年9月までだって総理の座に食らいつける言い訳は出来る。

2009年の政権交代では、民主党は「情報の公開」、「開かれた政治」を訴え、自民党時代の密室、料亭政治を排除すると約束した。確かに自民党時代の特に小渕総理が脳梗塞で入院した際に、数人が密約し、「次ぎを森さんに託した」と言うことで森政権が出来た。国民を騙した極めつけの密室政治だったが、今回やったことも自民党時代とかわらない。

騙した、騙されたと騒いでいるが、政治の駆け引きは「騙しあい」だ。いかにしてうまく騙すことが出来るかが政権の延命につながることは分っている。

こんな民主党/政権には愛想が尽きた。これから数ヶ月(否、もっと先かも知れない)、仕方なく菅政権とつきあうことになるが、その後どうなるか。衆議員の任期まで、このまま民主党が新代表を選び内閣改造で民主党政権が続くか、解散・総選挙で自民党などの連立政権が出来るのか。

言えることは、こんな民主党/政権を守る価値はないのだ。


写真:早期退陣を否定された鳩山さんは菅総理をペテン師とまで言う 2011.6.3 TBSニュース23

2011年6月2日木曜日

菅内閣不信任決議案否決:浪花節だよ国会も



今回の菅内閣不信決議案、昨日から今朝にかけての状況は、「もしかして可決の可能性も」と菅総理の政策・政治手法に疑問を持つ私にも緊張感が走った。テレビ欄を見るとNHKが午後1時から国会中継をやることを知り見る予定をした。国会開会の前に民主党代議士会も予定されているという。

午前中の情報番組では、民主党の何人が賛成するか、共産党は棄権、社民党は欠席で衆議院過半数のハードルはどうなるかの検証が主だったが、賛成を表明している民主党松木さんのインタビューで菅総理が辞任する噂もあることを知った。

午後になって1時過ぎ、NHKにチャンネルを合わせたら、画面表示に「引退表明」が出て、菅総理が代議士会で涙目で挨拶している姿が映った。しかし、引退表明にしてはおかしな話の内容だった。

今まで、指導力や考え方に不十分な点もあったと殊勝なことを言い、三つの目標に取り組んでいくというのだ。一つは、震災の復興・復旧、原発事故対応に全身全霊で取り組んでいく。2つ目は民主党を壊してはならない。3つ目は自民党に政権を戻すことがないよう努力するというのだ。

そのまま聞いていると、引退表明とはほど遠い内容だ。民主党政権をこれからも維持するというのだ。

しかし、その後、震災への一定の目処月板段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代に責任を引き継いでもらう。その一定の目処が付くまで責任を果たさせてもらいたいという。

暫く続投したいというのだ。では何時引退するのか。目処が付くと言っても、そう簡単に目処が付く震災対応はない。復興関連法案を作成したときか、それが国会を通ったときか。2次補正予算案とその財源案が決まったときか、それとも国会を通ったときか。3次補正予算も必要と言われている。

財源にしても、消費税増税か、時限増税なのか。財政再建の目処を付けることも菅総理の政治家本望だ。国民に信を問い、増税法案成立となると菅政権では不可能だ。

目処が立つ時期と考えられるのは、福島第一原発での事故対応、避難されている方達の帰郷の判断が出来るのが年末か、来年1月、2次補正予算案は7、8月、社会保障と税の一体改革報告書、復興構想会議の報告書も6月末に出る。

早ければ6月末、先になっても来年はじめだ。

菅総理と鳩山さんが交わした覚書が読売新聞web版に出ていたが、菅総理が代議士会で約束した3つの目標で、退陣時期の記載はない。しかし、菅さんと鳩山さんの間では退陣の合意が出来ているというのだ。

御多分にもれず、退陣時期が問題になっている。

しかし、曖昧な菅総理の退陣表明であったが、菅内閣不信任決議案投票結果は賛成152票、反対293票で、民主党の造反は押さえ込むことができた。

国会も浪花節だ。「退陣」と言うことは胸を打つ。国会での民主党議員の反対演説で「よろしくお願いします」と野党席、与党席に向かい深々と長い時間頭を下げた姿も土下座をしている姿だ。

菅総理は、言い訳をせず、自らの退陣時期に指導力を発揮すべきである。


写真:2日の民主党代議士会で退陣表明する菅総理 2011.6.2 NHKニュースウォッチ9

2011年6月1日水曜日

消費税10%へ:経済へのマイナス効果は少ないって本当か




社会保障と税の一体改革、財政再建に向け,政府は消費税wo2012年に3%上げ,続いて15年までに更に2%上げ10%にする事の検討を始めるらしい。今のような経済状況では、景気の足を引っ張るのではないかと心配されるのだが、増税分は社会保障分野に使うために、確実に自分に戻ってくると納得すれば経済への影響は小さいのだという。

増税は財政再建にとっては重要課題であるが、総理の立場で言うと相当の求心力がなければ扱えない政治課題なのだ。

最近では、麻生総理が2008年10月30日の記者会見で、新総合経済対策を発表し、財政規律や安心な社会保障のために行政改革、景気回復を前提に3年後(2011年)に消費税を引上げると言明した。この時も経済財政相だった与謝野さんは10%程度を目指すと言った。

この背景には、総選挙で消費税率引上げを避ける民主党との違いを強調する狙いもあったようだが、2009年の総選挙で政権の座は民主党に移った。

政権交代時、民主党は4年間は消費税増税はしないと公約したが、菅政権になって一転し、財政再建、社会保障のために消費税上げを主張し、最近では目処を付けるのが政治家の本望とまで言い出した。

厳しい経済状況の下では、増税は経済を更に悪化させる戸見るのが常識だが、菅総理の持論は「増税しても使い道を間違えなければ景気は良くなる」なのだ。

その「有効な使い道」とは、雇用の拡大に繋がるかどうかだ。環境、医療、介護、観光などに投資し、雇用拡大で経済成長につなげるという。今回も経済への影響は小さい(経済の足を引っ張る主因にはならない)と言う。

この菅総理の持論のブレーンは内閣府経済社会総合研究所の小野さんだ。その小野さんが、震災復興には時限増税が必要だが、なかなか進まない。その要因に政治家の選挙事情がある。政治家は自分だけ増税を言うと相手が減税だと闘えないという。だけど世論調査でも7割の人が「増税も仕方ない」と認めているのだから政治家はもっと有権者を説得しろと言うのだ(読売新聞2011.5.10)。

ところで、この消費税増税も財務省に言わせると、2012年4月から3%上げを考えているようだが、菅政権はどういうスケジュールを考えているのか。私は以前、「菅総理は国民に信を問わず国会審議だけで強行突破するのではないか」と書いたことがあるが、その後菅総理は、値上げ前に国民の信を問うと言明した。

次の臨時国会に法案を提出するとして、何時どういう形で国民の信を問えるのか。

総選挙をやっても民主党は惨敗で菅政権は消えて無くなる。自民党も10%増税を以前から掲げていたので、自民党政権に戻っても増税論議は残るだろう。

消費税増税は、その時の経済情勢に大きく影響される。社会保障分野、成長分野への投資と言っても増税は増税だ。消費者心理としてはマイナス効果と見るのだが・・。

6月下旬に正式に社会保障と税の一体改革案に盛り込まれると言うが、菅、与謝野とくれば財務省の言いなり案と言うことだ。聞くところによると詳細はまだまだ曖昧らしい。曖昧なことこそ財務省の望むところなのだ。財務省を制するためにもしっかりした検討をして欲しい。

増税ばかりでは財政再建にはならない。赤字を減らすことにも専念せよ。YESMANの御用学者ばかりでなく、広く反対意見も聞くべきだ。