2013年12月15日日曜日

103円の円相場よ何処へ:105円→110円→115円の道筋か

朝日新聞 2013.12.14
103円の相場よ何処へ。105円→110円→115円の道筋をたどるのか。メデイアは一斉に円、一時103円92銭、リーマン・ショック直後の水準になったことを伝える。まだ分からないがFRBの量的緩和縮小の読みもあって円安が進んでいるらしい。確かに米国の失業率は7%、就業者数の伸びも20万人を越えた。言われているように量的緩和縮小の期は熱しているのだ。

でも素直にそうはいかないだろう。2月には債務上限問題が再燃しデフォルトの危険も残っている。さらにはFRB総裁の交代もあり、縮小時期のタイミングを市場は計りかねている。

メデイアが報じる円相場の推移を見ると、2008年9月15日のリーマン・ショック時は自民党麻生内閣、その後民主党政権が続き2011年10月28日には75円85銭、そして野田政権が終わり自民党安倍総理はインフレターゲット2%、思い切った量的緩和を唱え、2013年4月4日黒田日銀総裁は量的・質的金融緩和を導入、12月13日103円92銭の最安値を記録した。

安倍総理のアベノミクス、量的緩和での日銀への圧力で円安基調に転換したが、野田政権時でも日銀に量的緩和を働きかけたが白川前総裁は頭を縦に振らなかった。しかし安倍総裁(まだ野党の時)になって日銀法改正での介入圧力がかかると一転して日銀は量的緩和を受け入れ、黒田総裁のマネタリーベース2年で2倍、2%インフレ目標で円安、株高へ動いた。

ところで円安はどこまで進むのか。

白川総裁時の円高は、日銀の政策を批判する政治家、エコノミストらは市場への資金の供給量が足らない。リーマン・ショック直後からアメリカなどはマネタリーベース2,3倍に増やしたが、日本は1.5倍でしかない。これでは円高だと言い、もっと資金を供給しろという。先の衆院選でも自民党安倍総裁らは日銀をこう批判した。

でも、低金利下での金融政策は効果がないのが経済学者間での見解になっていたのではないか。米国でもマネタリーベースで物価やインフレが決まるわけがないと言われていた。

5年前、白川さんが副総裁から総裁へ昇格するときも、ゼロ金利に近い低金利下では誰が総裁になっても難しいだろうと言われたものだ。日銀の武器は金利を上下させて物価を安定させることだったのだ。それがゼロ金利に近ければ出来ないのだ。
ところで民主党政権時の円高は、本当に日本経済は強かったのか。逆に欧州やアメリカ経済が酷く日本の方がまだマシだったのか。

そして、市場への資金の供給量が少なかったためなのか。今、日銀は年に60~70兆円のペースで増加するように金融市場調節を継続している(日銀政策委員会 金融政策決定会合議事要旨(2013年10月31日))。

マネタリーベースを増やすと円の価値は落ち円安になるはずだが、一時的に104円手前だ。

100円を越えるのに時間がかかったが、これから105円→110円→115円への道筋をたどるのか。

月曜からの円相場に注目だ。



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