2015年1月14日 京都府南部地震 気象庁地震情報 最近は震度3以上はこの1件だけ |
3.11東日本大震災を経験して分かるように「大地動乱の時代」と言われ、今、日本の巨大地震、火山噴火は9世紀に酷似しており巨大な災害に警戒が必要だという。9世紀の災害を見ていると富士山噴火をはじめ陸奥海溝地震津波(貞観地震)、阿蘇山噴火、関東地震などとともに京都群発地震が多発しているのだ。
京都はこれから群発地震に悩まされることになるのか。
関東大震災を予測した今村博士は日本列島の地震活動には旺盛期があり、7世紀末から9世紀末、16世紀末~18世紀初、19世紀半ば~に分類できるという。
そして今、専門家は9世紀に似てきたというのだ。では、9世紀にどんな災害が発生したのか。「歴史になかの大地動乱」(保立道久 岩波新書 2012.8)からその恐ろしさを知ることができる。
勿論8世紀末、10世紀初めも同様だが、9世紀に入り31件の巨大災害、うち15件が地震、16件が火山の噴火だ。
主だったものを拾ってみると、富士山噴火が2回、京都群発地震が4回、陸奥海溝地震津波(869年M8.3)、北関東大震災(818年M7.5以上)、南関東大震災(878年M7.4)、阿蘇山噴火(867年)、薩摩開聞岳噴火(874、885年)、伊豆新島噴火(886年)、南海、東海地震(887年M8)等があげられるが、京都群発地震は4回(827年M7.5,851年 ,868年 ,880年 )で頻度的に特に目立つ。
827年の群発地震は5月に雷鳴が鳴り響き、7月に群発地震がはじまった。「大震1度、小動7~8度、M6.5~7.0、4日間毎日激しい余震に襲われ、7月中は連日大震、小動が続き8月は11回、9月は10回、この年年間43回の地震に襲われたという(「歴史のなかの大地動乱」より)。
最近では松代群発地震で長い間住民は日常生活にも支障を来したと報道で見たことがあるが、京都の群発地震はそれどころでなかったようだ。
今は、時々京都府南部を震源にする地震の発生を気象庁の地震情報で知ることが出来るが、2013年には月一回程度で12回、2014年は4月5回、5月2回、6月3回、8月3回、9月1回、10月1回であるが2015年1月には6回で1月14日はM3.8,震度3で揺れた。最近では震度3以上はこの1回だけだ(tenki.jp)。
気象庁が発表する京都府の震源域は福知山、舞鶴が入る京都府北部と京都市などが入る京都府南部の2つがある。
では京都盆地に関わる活断層をどうか調べてみた。
京都府の主要活断層帯より 地震調査研究推進本部公表 2013.1.1 |
有名なのは花折断層だ。京都から修学院、八瀬、大原三千院を通り若狭湾に抜けるが、昔は繰り返し大地震を起こしているという。南部は1500~2500年前、北部は1662年に活動したらしい。30年の発生確率は0~5%だ。
後は、黄檗断層帯、西山断層帯、宇治川断層も見つかっているし、奈良盆地東縁断層帯も関わっている。予想規模はM7.2,断層の長さは26km、活動間隔は3000以上もあるし不明が多い。
有馬―高槻構造線活断層も京都を揺らすらしい。
京都盆地は多くの活断層が関わっており歴史的に見ると地震多発地帯であるが、不思議に1830年以降は静穏を保っているようだ。
だからといって油断してはいけない。地震、火山活動はいやが上にも繰り返す自然災害なのだ。
今、我が国は自然災害において9世紀の状態に酷似していると専門家は警告する。
何時かは見通せないが、京都盆地がM7クラスの群発地震に襲われる時が来るのだ。その時は、富士山、伊豆、鳴子、神津島、鳥海山、阿蘇神霊池、鶴見岳、開聞岳、新島が噴火しているのだ。
ところで869年の貞観地震(2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震は、その再来)という名称を使うのは混乱を招くので「九世紀陸奥海溝地震」と呼ぶことを推奨している。「貞観」とは唐の最盛期となる「貞観の治」と言われた立派な政治を目指そうと選択された中国の唐の時代の年号で、地震史研究に無用な混乱を招いてはいけないと言うのだ(「歴史のなかの大地動乱」より)。
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