2016年12月11日日曜日

漂流するTPP:安倍総理が必要なのは1.2兆円の関連予算では

TPP反対の座り込みをする3人の高齢者
衆議院議員会館前にて 2016.11.2
米国の批准も当てがないまま国会で承認されたTPPは漂流の運命にあるが、押し切った安倍政権は「幅広い分野に恩恵が及ぶ」、「自由貿易を推進する日本の堅い決意を世界に発信した」(官房長官談)と言うが、本当に必要なのは1.2兆円に及ぶ関連予算、更には4兆円にもなるというカネのばらまきが必要なのではないか。

自民党が選挙に打って出たときの支持者であった農業従事者の票がTPPで離脱、東北地方の選挙では自民党が負けている。

新聞報道では何やら来年1月にも総選挙の可能性が出て来たという。安倍総理の真珠湾訪問で支持率が上がるのでチャンスだという読みだ。人気一杯の18年まで待てば安倍政権にとっては不利な要素が多すぎるのだ。

安倍総理は「離脱」を主張するトランプ次期大統領を説得できる事に期待しているが、トップ会談で解決出来る問題ではない。

米国はTPPにかわって二国間貿易協定を結ぶという。要するに比較優位の原則に立った貿易をしようというのだろう。でも昔の経済学の教科書にはお互いの国でメリットが出る比較優位の原則での貿易が成り立つと教えている。

でも今は、グローバリズムで海外の安い製品が入ってきて国内企業は疲弊、経営難、雇用も落ち込んでいると主張する。「強い米国」を取り戻すには企業が海外に出て行くのを押さえ、一旦出て行った企業の国内回帰を推奨するしかない。既にその動きをトランプさんはやっている。

実際にはそんな無茶はしないだろうと見ていた専門家も、これでは「本気か」と思わざるを得ない状況だ。

関税撤廃は自由貿易で多くの消費者、企業に恩恵があると主張し強行したが反対者も多い。結果的には反対者の方になったが、逆にホットしている面もあるのではないか。

関連予算も使えば選挙には役立つ。今が選挙のチャンスなのだ。


0 件のコメント: