理研・再生研の改革案は、今回のSTAP細胞不正事件がどうしておきたか、その根本原因の摘出からはじめるべきではないのか。要は、笹井さんの血迷いがどうして始まったか、笹井さんがどうして小保方さんのSTAP細胞研究にのめり込むことができたのか。そこに組織としての弱点があったのではないか。
朝日新聞(2014.8.26)の「理研再生研 幹部一新へ」という記事が目にとまった。それによると、改革委から指摘されていた解体はせずに、幹部を一新し組織を大幅に見直すというのだ。
理研は文科省と改革案を検討しているともいう。
理研・再生研発足後13年間、幹部研究者、組織が硬直化していたことが「構造的欠陥」を生んだとみて、新たに運営会議を設置したり、役職を廃止し、約40ある研究室を約30廃止、他のセンターに移すという。
しかし、今回の事件は笹井さんが小保方さんを特別に取り込んだことが主因ではないのか。理研にはルールがあったが、何故かルールを無視したために監視機能が働かなかったことにあるのではないか。
ルールはあっても、守るか守らないかは人間のやること。今回は他の研究者が「おかしい」と思っていても笹井さんの行動をとめることができなかった。
それだけ、笹井さんに権威があったことになる。1年ちょっと前に副センター長に就任したとはいえ、ノーベル賞に近い男と言われていれば他の研究者は黙ったのだろう。
だからこそ、本部の役員のチェック機能が問題になるのだが、生物学の常識を覆すことになるかもしれない研究テーマで、秘密にすべきテーマだと言われれば、折れたのではないか。
小保方さんが若山研に入りSTAP細胞実験を始めたが、新聞報道などによるとキメラマウス(?)の実験がやりたくて日本の研究機関を訪問したが、皆断られ若山研に来ることになったという。他の機関が断ったのになぜ若山研は採用したのか。それにはバカンテイ教授のもとで研究していた医師のつてがあったと言われている。
理研の研究者の採用なんてそんなものなのか。
また、理研の新しい研究課題の公募に応募したというが、応募期間も過ぎ手続きはすべてルールに反していたようだ。不満をもっている研究者も多いという。
それでも採用になり小保方さんはユニット・リーダーとして年間2000万円も使える立場になったらしい。私たちの税金からだ。
この辺の採用状況、研究課題の選択について本部の担当理事、理事長はどう判断していたのか。その責任については一切分からない。
笹井さんが絶大な権限で思うがままのことをやっていたとしたら、本部の研究担当理事、理事長がしっかりチェックすべきだったのではないか。
また、運営を外部有識者や若手を加えて新設の運営会議に委ねるというが、研究テーマの秘密保持はどうなるのか。特に外部有識者が加わるということで理研内部で秘密にしてしまう危険があるのではないか。
今回の事件の背後にも研究テーマの秘密保持にあったのではなかったのか。
笹井さんは、研究もさることながら新しい研究構想となる行政の仕事もやっていたという。センター長以上にカネと権限をもった人材に作り上げてしまったことに問題はなかったのか。
改革委員会の誰かが言っていた。CDBの解体を提言したのは、あまりにも理研に問題意識がなかったからだという。
850億円と言う運営費が国から出ていることで文科省も含めて「理研村」を作ったことが、諸悪の根源ではないのか。
理研改革案は、文科省ではなく日本学術会議の指導、助言で行うべきではないのか。それが科学者の総意にもなるし、誰だって利用するかもしれない理研の新しい姿を構築できるかもしれないのだ。
2014年8月26日火曜日
2014年8月25日月曜日
政府、日銀は今の日本経済の状況を「緩やかな回復基調」と言うが実感できるか
今の日本経済を政府や日銀は「緩やかな回復基調」というが、本当に実感できるのか。ある意味では実感できるも、民主党政権の方がよかったと感じる人も多いのではないか。安倍総理の経済政策をアベノミクスと称し「変わるんではないか」という期待感から市場は動いた。円高から円安、株安から株高へ転じる効果はあったが、経済は好循環ではなく、悪循環の傾向を呈している。
「第一の矢」の金融政策は、日銀の異次元の金融緩和政策で、「その期待」から市場は大きく動いた。安倍総理はインフレターゲット設定を日銀に迫り、日銀は2年で2%の物価上昇を掲げた。国会審議で前原さんから「2%の根拠」を聞かれ、安倍総理は「2,3,4%といろんな説があるが、一番実現可能な2%を選んだ」と答え、前原さんから「特に根拠があったわけではないのだ」と指摘されたことがある。
前原さんにも民主党政権時、じれったさがあった。野田政権の末期に前原さんは日銀にインフレターゲットの設定を迫ったが、当時の白川総裁に拒否された。安倍総理は白川総裁を更迭してインフレターゲット設定に漕ぎ着けたのだ。
その2%物価上昇率達成にも日銀、政府と民間エコノミストでは大きな隔たりがあり、大本営発表と揶揄されている。
最近の会議などから政府、日銀は、今の日本経済をどう見て、今後の日本経済の舵取りをどうしようとしているのか調べてみた。
第13回経済財政諮問会議で安倍総理は予算の全体像に絡めて、(1)デフレ脱却、(2)民需主導で経済の好循環を目指す、(3)アベノミクスを地方へ波及を訴えている。公共事業など官公需から民間需要で成長を促進したいようだし、アベノミクスも津々浦々まで浸透していない国民の不満を知っているようだ。
当然の話で、アベノミクスも特に変わった経済政策ではなく、従来から言われているように大企業、富裕層向けの経済政策なのだ。農村、漁村、山村にまで浸透する政策ではない。
甘利経済財政担当相も8月13日の談話で、先行き景気動向指標、消費者マインド、設備投資計画が改善していることを踏まえ、反動減で一部に弱さも残るが次第にその影響は薄れ「緩やかな景気回復が進む」と見込んでいる。
日銀も政策委員会金融政策決定会合で、駆け込み需要の反動も見られるが「基調的には緩やかな回復」を続けているという(2014.7.14~15)。
また、日銀・黒田総裁は2%の平均物価上昇率をしっかりアンカーすることで労使がこれを前提に交渉行うことが可能となり、それによって企業や家計は2%の平均物価上昇率を前提にしっかり行動計画をたてることが出来るようになる。デフレを脱却させ、将来にわたって明るい展望を経営者と労働者が共有することが大切だという(カンザスシテイー連邦準備銀行主催シンポジウム「デフレーション、労働市場、量的・質的金融緩和」2014.8.23)。
日銀の政策は、企業と家計に期待感を持たせ経済の好循環に寄与しろと行っているようだ。
しかし、内需拡大を目指した提言である前川レポート、21世紀版前川レポートも政策がつまずいた要因は、企業が儲けを家計に再分配するシステムが構築できなかったことにある。
安倍総理は、そこを見て企業に賃上げを要求する手段に出た。「法人税も下げる代わりに賃上げせよ」というのだろう。
でも、結果的に賃上げは出来ても消費税増税などで実質家計はマイナスだというのだ。
そして、第2の矢の財政再建はどうか。
世界的に債務を削減する動きの中で、IMF,G20からは債務改善に向け特例扱いされているが、対GDP200%以上、1000兆円を越える債務は成長戦略で税収増を目指すしかないようだが前途多難だ。
第14回経済財政諮問会議で民間委員が、経済再生と財政健全化の好循環を実現していくこと、成長戦略を実行することで官公需から民需中心の成長へ転換、1%成長率を2%に引き上げることを提言し、歳出削減しなければ消費税を10%に引き上げてもプライマリーバランスは黒字化できないと指摘している(2014.7.25)。
第三の矢で成長戦略を掲げるが、成長戦略は以前の政権でも同じような政策課題で目新しさに欠ける。安倍総理は既得権益者の岩盤規制にドリルの刃となって風穴を開けると海外で豪語するが、利得権益官庁、族議員、既存の利得権益者の抵抗が大きくテーマは掲げるも内容は骨抜きの状態だ。
政府の出来ることはほとんどやったことになる。今度は経済界の出番だ。「おねだり」経済団体を脱却し、「何をすべきか」を国民に説明すべきではないか。もうお亡くなりになった経済同友会の代表幹事を長くやられ「おねだりは辞めろ」と訴えた品川さんのような人材が財界に居ないのか。
安倍総理とゴルフをやって親交を保つのも良いが、喧嘩してでも「これをやりたいからこうしてくれ」ぐらいのことを言ってほしいものだ。
クルーグマン教授も「今の企業の儲けは、労働者の犠牲の上に成り立っている」というように、人件費などのコストカット、内部留保、生産設備の海外シフト、非正規従業員などの見直しをすべきではないか。
若い者が結婚出来る年収、安心できる正規従業員への移行を考えないと少子化も回避できないのではないか。
消費税増税の是非もエコノミストで見方が分かれている。8%への増税でも反動減は想定ないと言ってみたり、影響はあるものの次第に薄くなっていくと楽観的で、経済財政諮問会議では民間委員は「増税しても経済は成長する」という。
しかし必ず成長戦略が必要だと付け加えるのだが、ここが一番難しいことではなかったのか。
8%でも異論が続出しているのに、10%への引き上げではどうなるのか。
内閣府参与のエール大名誉教授の浜田さんは、10%への引き上げは待った方が良いという発言をしていたと思う。8%でも消費に影響が出ているのだから10%ではもっと影響が大きいのではないか。
そして肝心なLことであるが、3党合意で10%への引き上げが決まっているので「待った」をかけることになると、新しい法案が必要になる。増税分を社会保障費に回すと言うが、公共事業で甘い汁を吸おうとしている族議員は多いはずだ。
需給ギャップも、この間プラスに転じたと言われたが、またマイナスらしい。
経済指標も良くなったり、悪くなったり、速報値と確定値で評価も違ってくる。安倍政権も政策の評価のためには数値をいじくることなど朝飯前だろう。
発表される経済指標は、実態を反映させたものなのか。御用学者はヨイショするが間違っていないか。成長率の官民乖離をどう判断するか。
今のところ言えるのは、黒田総裁も、岩田副総裁も首を洗って待っていた方が良いのではないか。
安倍総理もアベノミクスを「バカノミクス」、「アベノミス」と揶揄されている。デフレ脱却宣言はどの政権にとってもやりたいことだ。民主党政権では、確か菅政権で検討されたことがあるが諦めた経緯がある。
デフレ脱却、民需主導の好循環に向けしっかり国民に説明すべきだ。
「第一の矢」の金融政策は、日銀の異次元の金融緩和政策で、「その期待」から市場は大きく動いた。安倍総理はインフレターゲット設定を日銀に迫り、日銀は2年で2%の物価上昇を掲げた。国会審議で前原さんから「2%の根拠」を聞かれ、安倍総理は「2,3,4%といろんな説があるが、一番実現可能な2%を選んだ」と答え、前原さんから「特に根拠があったわけではないのだ」と指摘されたことがある。
前原さんにも民主党政権時、じれったさがあった。野田政権の末期に前原さんは日銀にインフレターゲットの設定を迫ったが、当時の白川総裁に拒否された。安倍総理は白川総裁を更迭してインフレターゲット設定に漕ぎ着けたのだ。
その2%物価上昇率達成にも日銀、政府と民間エコノミストでは大きな隔たりがあり、大本営発表と揶揄されている。
最近の会議などから政府、日銀は、今の日本経済をどう見て、今後の日本経済の舵取りをどうしようとしているのか調べてみた。
第13回経済財政諮問会議で安倍総理は予算の全体像に絡めて、(1)デフレ脱却、(2)民需主導で経済の好循環を目指す、(3)アベノミクスを地方へ波及を訴えている。公共事業など官公需から民間需要で成長を促進したいようだし、アベノミクスも津々浦々まで浸透していない国民の不満を知っているようだ。
当然の話で、アベノミクスも特に変わった経済政策ではなく、従来から言われているように大企業、富裕層向けの経済政策なのだ。農村、漁村、山村にまで浸透する政策ではない。
甘利経済財政担当相も8月13日の談話で、先行き景気動向指標、消費者マインド、設備投資計画が改善していることを踏まえ、反動減で一部に弱さも残るが次第にその影響は薄れ「緩やかな景気回復が進む」と見込んでいる。
日銀も政策委員会金融政策決定会合で、駆け込み需要の反動も見られるが「基調的には緩やかな回復」を続けているという(2014.7.14~15)。
また、日銀・黒田総裁は2%の平均物価上昇率をしっかりアンカーすることで労使がこれを前提に交渉行うことが可能となり、それによって企業や家計は2%の平均物価上昇率を前提にしっかり行動計画をたてることが出来るようになる。デフレを脱却させ、将来にわたって明るい展望を経営者と労働者が共有することが大切だという(カンザスシテイー連邦準備銀行主催シンポジウム「デフレーション、労働市場、量的・質的金融緩和」2014.8.23)。
日銀の政策は、企業と家計に期待感を持たせ経済の好循環に寄与しろと行っているようだ。
しかし、内需拡大を目指した提言である前川レポート、21世紀版前川レポートも政策がつまずいた要因は、企業が儲けを家計に再分配するシステムが構築できなかったことにある。
安倍総理は、そこを見て企業に賃上げを要求する手段に出た。「法人税も下げる代わりに賃上げせよ」というのだろう。
でも、結果的に賃上げは出来ても消費税増税などで実質家計はマイナスだというのだ。
そして、第2の矢の財政再建はどうか。
世界的に債務を削減する動きの中で、IMF,G20からは債務改善に向け特例扱いされているが、対GDP200%以上、1000兆円を越える債務は成長戦略で税収増を目指すしかないようだが前途多難だ。
第14回経済財政諮問会議で民間委員が、経済再生と財政健全化の好循環を実現していくこと、成長戦略を実行することで官公需から民需中心の成長へ転換、1%成長率を2%に引き上げることを提言し、歳出削減しなければ消費税を10%に引き上げてもプライマリーバランスは黒字化できないと指摘している(2014.7.25)。
第三の矢で成長戦略を掲げるが、成長戦略は以前の政権でも同じような政策課題で目新しさに欠ける。安倍総理は既得権益者の岩盤規制にドリルの刃となって風穴を開けると海外で豪語するが、利得権益官庁、族議員、既存の利得権益者の抵抗が大きくテーマは掲げるも内容は骨抜きの状態だ。
政府の出来ることはほとんどやったことになる。今度は経済界の出番だ。「おねだり」経済団体を脱却し、「何をすべきか」を国民に説明すべきではないか。もうお亡くなりになった経済同友会の代表幹事を長くやられ「おねだりは辞めろ」と訴えた品川さんのような人材が財界に居ないのか。
安倍総理とゴルフをやって親交を保つのも良いが、喧嘩してでも「これをやりたいからこうしてくれ」ぐらいのことを言ってほしいものだ。
クルーグマン教授も「今の企業の儲けは、労働者の犠牲の上に成り立っている」というように、人件費などのコストカット、内部留保、生産設備の海外シフト、非正規従業員などの見直しをすべきではないか。
若い者が結婚出来る年収、安心できる正規従業員への移行を考えないと少子化も回避できないのではないか。
消費税増税の是非もエコノミストで見方が分かれている。8%への増税でも反動減は想定ないと言ってみたり、影響はあるものの次第に薄くなっていくと楽観的で、経済財政諮問会議では民間委員は「増税しても経済は成長する」という。
しかし必ず成長戦略が必要だと付け加えるのだが、ここが一番難しいことではなかったのか。
8%でも異論が続出しているのに、10%への引き上げではどうなるのか。
内閣府参与のエール大名誉教授の浜田さんは、10%への引き上げは待った方が良いという発言をしていたと思う。8%でも消費に影響が出ているのだから10%ではもっと影響が大きいのではないか。
そして肝心なLことであるが、3党合意で10%への引き上げが決まっているので「待った」をかけることになると、新しい法案が必要になる。増税分を社会保障費に回すと言うが、公共事業で甘い汁を吸おうとしている族議員は多いはずだ。
需給ギャップも、この間プラスに転じたと言われたが、またマイナスらしい。
経済指標も良くなったり、悪くなったり、速報値と確定値で評価も違ってくる。安倍政権も政策の評価のためには数値をいじくることなど朝飯前だろう。
発表される経済指標は、実態を反映させたものなのか。御用学者はヨイショするが間違っていないか。成長率の官民乖離をどう判断するか。
今のところ言えるのは、黒田総裁も、岩田副総裁も首を洗って待っていた方が良いのではないか。
安倍総理もアベノミクスを「バカノミクス」、「アベノミス」と揶揄されている。デフレ脱却宣言はどの政権にとってもやりたいことだ。民主党政権では、確か菅政権で検討されたことがあるが諦めた経緯がある。
デフレ脱却、民需主導の好循環に向けしっかり国民に説明すべきだ。
2014年8月24日日曜日
政治を動かす力:内閣改造情報に見る政策か、権勢拡大志向か
政治を動かす力は政策も勿論大事だが、権勢拡大志向ではないか。9月3日の内閣改造を目指し、新聞報道によると永田町でいろんな情報が飛び交っているようだ。注目は安保相での安倍vs石破、女性登用での女性議員枠に誰が入るか、党内不満を解消するために入閣待機組の処遇そしてサプライ人事があるのか。政策もさることながら安倍総理、各派閥の領袖の権勢拡大志向が見え見えだ。
その中でもポスト安倍も絡んで石破さんがどう出るかが最大の関心事になってきた。安保担当相と言うよりも政治バランスの問題になってくる。
安倍総理は閣内に取り込んで石破さんの力をそぎ、長期政権の基礎を作りたいだろうが、石破さんや支持者はポスト安倍を狙った権勢拡大が至上命題になる。
それぞれの思惑が絡んで結局、石破さんは幹事長を外れ、安保担当相も固持することで無役になりそうだ。
安倍さんの周辺筋は選挙での候補者選び、集団的自衛権での公明党などとの対応に不満があると言えば、石破さんの方も官高党低の今の安倍政権のやり方には不満があるだろう。
集団的自衛権行使、集団的安保では安倍さんとの考えの違いもあるだろうし、安保相に着けば以前出版した本で主張していた点との違いを野党から追及される時間に追われて建設的な議論が出来ない可能性もある。
でも、今回の改造は政策課題を誰に担当させるかだ。
集団的自衛権行使にかかわる関連法案の改正と新法制定、集団的安保、経済政策、経済成長と財政再建、国土強靱化、TPP,近隣諸国との外交、北朝鮮問題、少子高齢化など重要政策課題を誰に任せるかだ。
朝日新聞(2014.8.23)に、政治部記者が現閣僚の勤務評定を満点が5つ星で表示していた。
一番成績が良かったのが4つ星で、ほとんどが2つ星だったと思う。
自分の意見を発信せず安倍総理の言いなりという評価もあった。国会審議のほとんどを官僚が作ったペーパーの棒読みに費やしている姿を見ると誰でも何とかなるのだろう。
しかし、自分の権勢拡大に血眼を上げるようでは、国民が安倍さんを諦めるのも時間の問題だ。
特に最近は驕りの姿勢が見え、危ない総理とみられている。野党の不甲斐なさから国会での追及はままならないが、県知事選、春の統一地方選で国民の民意を示すしかない。
今回の内閣改造、自民党執行部の人事で安倍さんの本意を見抜いてはどうか。
2014年8月23日土曜日
「なぜ戦争をするか」:クルーグマン教授は「算数の苦手な指導者の政権強化策だ」という
クルーグマンコラム 朝日新聞 2014.8.22 |
納得のいく内容だ。
今日の新聞を広げて見ても世界の紛争に関連する記事が多い。
注目はウクライナ情勢だ。ロシアのウクライナのクリミヤ半島編入以来、政府軍vs親ロシア派武装集団は欧米vsロシアの構図になってきた。日本もロシア制裁に参加したがロシアは日本に報復制裁を課してきた。エネルギー問題、北方領土問題にも影響するだろう。
イラクではイラク軍、シーア派民兵vs「イスラム国」でイスラム国が勢力拡大を狙っている。
イスラエルも大変だ。パレスチナ自治区ガザでの軍事衝突でイスラエルvsイスラム主義組織ハマスでの戦闘継続だ。恒久的な停戦協議も決裂したらしい。
タイではタクシン派を排除し軍による暫定政権が出来、改革を進めようとしている。
パキスタンでも総選挙の不正を追及し、シャリフ首相退陣デモが頻発し軍が介入する懸念も出て来た。
中国は尖閣諸島問題、南シナ海での領土問題で一触即発の危険まで出ている。
昔と違うことは、世界の平和、安全を守らなければならない国連の常任理事国、中国、ロシアが近隣諸国と領土問題で紛争の当事者になっているのだから、国連に仲裁などの機能を期待することは出来ない。
そして決して国内は富裕ではなく、貧しい国民の生活を守らなければならない国で国内紛争が頻発し、それに大国が一方を支持し紛争が長期化している。
このような世界的紛争にあってクルーグマンは第1次世界大戦の開戦から100年、「全ての戦争を終わらせるための戦争」であると多くの人が明言したが、あいにく戦争は起こり続けたと言い、日増しに恐ろしさを増すウクライナのニュースに「何故?」と問う好機だという。
クルーグマンは専門家の見方も紹介しながら次の様に言っている。
貧しい国でよく起きる内戦を予測するにはダイヤモンドなど略奪可能な資源の有無を見れば良いという。反政府勢力がいろんな理由を挙げるが、誰が不正な商売を取り仕切れるかどうかという犯罪者一家の抗争に進むのだという。
何やら今の中国指導部の不正防止、北朝鮮の権力闘争でも言えることだ。
又、豊かな近代国家では、戦争は楽勝でもペイしない。相互依存の世界では戦争になれば戦勝国でも深刻な経済損失を被り、近代戦は高く付くというのだ。
たとえば、イラク戦争の費用は1兆ドルを超え、イラクのGDPの何倍にもなるという。
ブッシュ前政権がフセインを倒して新政府を樹立するのに500~600億ドルと算出したらしいが、今のイラクを考えたらどうなのか。
ウクライナ問題では、プーチンは少しの費用でウクライナ政府を転覆できると思っていたのではないかとも言う。
なのに戦争は何故起きるのか。
それには、指導者が算数が出来ないからだと言う。
でも、戦争で政府が得することも非常に多いのだ。ウクライナへのロシアの介入はロシアの経済実績の悪化を国民の目からそらそうとしているとみる。過去にはフォークランド紛争、対テロ戦争で時の政権の支持率は急上昇している。
今は中国、韓国が対ニッポンで同じことをやっている様に見える。
そして、最後に独裁主義政権が実績を示せなくなったとき、武力をちらつかせて脅したくなる。だから戦争はまずいが起こり続けると言うのだ。
ロシア、中国に注目だ。
2014年8月22日金曜日
巨大化する土砂・洪水災害:家周辺を自ら見直す自己責任も大切では
広島土砂崩れ 泥流町をえぐる 読売新聞 2014.8.21 |
広島市北部の土砂災害の現場の映像を見ていると、人口増による宅地開発が山際まで迫っている。背後に山を抱え昔から土石流の繰り返しで形成された地形で、土石流の流れた傷跡は沢状に見える。15年前にも土石流災害が発生したが、今回の被害を防げなかったというのだ。
都市開発でデベロッパーは危険なところを宅地開発し、住民は何の心配もせずに購入するが今のような異常気象は何時発生するか分からない。過去にそういう事例があったとしても何時起きるか分からない災害に注意する人はごく少数だろう。
今、地名も○○市○○―○―○―○○という現代的な表示になり、昔のようにその土地の地形などを表す○○沢、○○沼という地名はなくなり、土地を購入するにも古い地名に注意しなければならない。
更に自治体が土砂災害警戒区域に指定するのを嫌う住民も多い。土地の資産価値が落ちるというのだ。売買で利益をだそうとする建物なのか。住むための家なら関係ないと思うが。
又、災害が発生する住民の話を聞いていると、「私は80年、ここに住んでいるがこんなことはなじめてだ」という。しかし、地形上危険がある場所では、今まで起こらなかったことは、ただ運が良かっただけなのだ。
私も他人事ではなかった。
母が岡山で一人暮らししていたところは、背後に山を抱え車一台がやっと通る急傾斜地の麓近くで、今回の広島の災害地とよく地形が似ている。上の方には集合住宅も建っているのだ。
背後の小高い山は、観光開発がされていて尾根付近を舗装された道路が走り、宿泊施設、イベントが出来る建物、広い駐車場が整備されていた。しかし倒木が目立ち、大きな岩がごろごろし、山肌はあれている。沢伝いに山から麓まで歩道もあるが通行止めになっており、途中には池もあると言う。
今回のような異常気象での豪雨があると、同じような惨事が起きる可能性はあるのだ。
母には、大雨が降って道が泥水で川のようになったり、石がゴロゴロ流れたり、寝ていて耳元でゴロゴロ言う音が聞こえたら危ないから親戚の家に早めに行くように言い聞かせていた。
「ガスようの臭いもする」と言うことは良く聴いていたので、それも教えたが判断は難しいだろうと思ったが、今回の広島の現場の住民もガスの臭いをかんじていたようだ。
今、母はなくなったので、そう言う心配はせずに済んでいるが自分たちが住んでいるところの地形はしっかり把握していることが大切だ。
その上で、地域住民による防災力が威力を発揮する。
自治会の役員などが中心になって声をかけあい、「命を守る」行動を取ることが重要なのだ。
いつも思うことだが、昔は人が住んでいなかった山際に迫ったところを宅地開発するなど、自然災害と言うより人災の傾向が強い気がする。
2014年8月21日木曜日
広島土石流災害で分かった天皇と安倍総理の対応の違い
広島市北部を襲ったバックビルデイング現象による土石流災害は宅地が山際まで伸びた結果、甚大な被害を伴った国内最大級の惨事となったが、その背後で国民の災難に対する天皇と安倍総理の対応の違いを如実に示す結果にもなった。
どちらが本当に「国民の共感」を得るか。
天皇・皇后両陛下は当初、予定されていた軽井沢行きをイベントを中止しての計画に変更されたが、災害の大きさに考慮され、軽井沢行きを中止されたと宮内庁が発表した。
常に「国民とともに歩む」と言っておられる皇室にとっては、当然の結果で、これが帝王学なのだ。
昔から地震、火山噴火などの天変地異、疫病の流行、政変は為政者の責任と考えられ、いろんな施策が実行された。たとえば京都などで疫病が流行したの退治するために八坂神社を建立したののも一例だ。
天皇・皇后両陛下が、今でも戦災地、被災地を訪問されるのものも帝王学の一つで、多くの国民がその姿に感動するのだ。
一方、安倍総理はどうか。今回の広島の土石流災害でその対応が批判されている。
危機管理センターを立ち上げたまでは良かったが、惨事が伝わっていたにも関わらず避暑地でゴルフに出かけ、惨事の大きさに2時間で切り上げ急きょ官邸に戻り各方面に指示を出し、また避暑地に帰ったという。
この安倍総理の行動を批判する野党もあれば、情報を受け、指示を出せる状態であれば問題ないのではないかというもの分かりのいい野党もいる。
各方面に指示を出せばいいのではないかという考えは自民党内にも多く、国土交通相は「安倍総理のご指示で・・・・」とコメントするが、「それぐらいのことは自分で指示すべきではないのか」とも思える。
国民がこの安倍総理の行動をどう評価するかだが、要は「総理の心得」だろう。
集団的自衛権行使では「国民の生命を守る」と豪語しながら、災害ではちぐはぐな行動をとり批判にさらされる。
民主党・野田政権の時、北朝鮮でデポドンの発射の危険があった時に、野田総理は「何かあったら連絡するように」と指示して街頭演説に出かけたが、途中で官邸に引き返したことがある。
これを見て当時野党の自民党は「危機管理がなっていない。発射の危険があったのだから官邸にとどまるべきだった」と批判したものだ。
今、民主党の海江田代表は安倍総理を批判している。
安倍総理も最近は驕りの姿勢が目立つ。天皇の政治行為は内閣の助言が必要であるが、天皇の「国民とともに歩む」考え方は参考になるのではないか。国民の安倍離れは何時、どんな時に起きるかわからない。油断禁物だ。
最後になりましたが、今回の広島土石流災害で亡くなった方、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
どちらが本当に「国民の共感」を得るか。
天皇・皇后両陛下は当初、予定されていた軽井沢行きをイベントを中止しての計画に変更されたが、災害の大きさに考慮され、軽井沢行きを中止されたと宮内庁が発表した。
常に「国民とともに歩む」と言っておられる皇室にとっては、当然の結果で、これが帝王学なのだ。
昔から地震、火山噴火などの天変地異、疫病の流行、政変は為政者の責任と考えられ、いろんな施策が実行された。たとえば京都などで疫病が流行したの退治するために八坂神社を建立したののも一例だ。
天皇・皇后両陛下が、今でも戦災地、被災地を訪問されるのものも帝王学の一つで、多くの国民がその姿に感動するのだ。
一方、安倍総理はどうか。今回の広島の土石流災害でその対応が批判されている。
危機管理センターを立ち上げたまでは良かったが、惨事が伝わっていたにも関わらず避暑地でゴルフに出かけ、惨事の大きさに2時間で切り上げ急きょ官邸に戻り各方面に指示を出し、また避暑地に帰ったという。
この安倍総理の行動を批判する野党もあれば、情報を受け、指示を出せる状態であれば問題ないのではないかというもの分かりのいい野党もいる。
各方面に指示を出せばいいのではないかという考えは自民党内にも多く、国土交通相は「安倍総理のご指示で・・・・」とコメントするが、「それぐらいのことは自分で指示すべきではないのか」とも思える。
国民がこの安倍総理の行動をどう評価するかだが、要は「総理の心得」だろう。
集団的自衛権行使では「国民の生命を守る」と豪語しながら、災害ではちぐはぐな行動をとり批判にさらされる。
民主党・野田政権の時、北朝鮮でデポドンの発射の危険があった時に、野田総理は「何かあったら連絡するように」と指示して街頭演説に出かけたが、途中で官邸に引き返したことがある。
これを見て当時野党の自民党は「危機管理がなっていない。発射の危険があったのだから官邸にとどまるべきだった」と批判したものだ。
今、民主党の海江田代表は安倍総理を批判している。
安倍総理も最近は驕りの姿勢が目立つ。天皇の政治行為は内閣の助言が必要であるが、天皇の「国民とともに歩む」考え方は参考になるのではないか。国民の安倍離れは何時、どんな時に起きるかわからない。油断禁物だ。
最後になりましたが、今回の広島土石流災害で亡くなった方、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
2014年8月20日水曜日
STAP細胞も終わりか:バカンテイ教授、1年間の休職の真意は
騒がせたSTAP細胞も終わりになるのか。アイデイアを提案したバカンテイ教授も1年間の休職を申し出たようだ。旅先でニュースを知って帰ってmsnを見ると、バカンテイさんが友人にメールで知らせたのがブログに掲載されたようだ。STAP細胞との関係は不明と言うが誰だって疑う。
ずっと前にバカンテイさんが勤める病院も調査に乗り出したと言っていたが、そろそろ報告も出そうでバカンテイさんに取っては不利とでも見たのか。兎に角、キーマンが真相を説明せず休職して逃げるのは納得がいかない。
バカンテイさんは麻酔科の先生らしいが、何故再生医療に興味を持ち、STAP細胞というアイでイアを提案したのか。植物ではそういう現象があると言うが本当に正しい着想だったのか。
小保方さんがバカンテイさんの研究室で実証実験を始めたと言うが、どの程度の研究内容をひッさげて理研にやって来たのか。「生物学の常識を覆す理論」であるならどうしてバカンテイさんは自分で論文を書かなかったのか。
実証実験にはカネもかかるので、自分の研究室では出来ず、日本の研究機関に実験を託したとでも言うのか。
また、バカンテイさんは最後まで論文撤回を拒否していたが、自分で再現実験をしたのか。小保方さんの論文通りでは再現できないと言われると、酸性溶液の他に細い管を通すことも重要と発表したが、香港の研究者は、それでも再現できなかったとさじを投げた。何故、自ら実証実験をして小保方さんを助けなかったのか。
アイデイアの域を出なかったとしたら、何故、理研の研究者は興味を持ったのか。信じてしまったのか。竹市センター長は「私は信じたんです」と記者会見で言っていた。小保方さんのプレゼンテーション、ハーバード大のバカンテイ教授と言うことで信用してしまったのか。
新聞報道によると、STAP細胞論文疑惑が出たときに、米国の学会では「STAP細胞は存在せず」が大勢だったそうだ。シンポジウムを主催した研究者も再現に失敗したという。
米国では余り相手にされなかった新説だが、日本では理研の論文と言うことで異常な反応を示したのか。
笹井さんはなくなり、バカンテイさんは一時退き、大和さんは入院状態ではSTAP細胞を論じる研究者はいなくなる。小保方さんでは再現実験は無理だろう。
0.1%の可能性も期待したいところであるが、説明不足ではどうしようもない。マスコミに追っかけられる不安もあるだろうが、それは十分に説明していないためだ。
理研は早く処分を発表し再建に向け進んで欲しいが、下村文科相や山本科学担当相の意向もあって小保方さん自ら参加する実証実験を先行している。
850億円という税金で運営を賄うのだから仕方ないことだろうが、日本学術会議の助言と指導で国民の納得のいく再建へ進んで欲しい。
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