広島土砂崩れ 泥流町をえぐる 読売新聞 2014.8.21 |
広島市北部の土砂災害の現場の映像を見ていると、人口増による宅地開発が山際まで迫っている。背後に山を抱え昔から土石流の繰り返しで形成された地形で、土石流の流れた傷跡は沢状に見える。15年前にも土石流災害が発生したが、今回の被害を防げなかったというのだ。
都市開発でデベロッパーは危険なところを宅地開発し、住民は何の心配もせずに購入するが今のような異常気象は何時発生するか分からない。過去にそういう事例があったとしても何時起きるか分からない災害に注意する人はごく少数だろう。
今、地名も○○市○○―○―○―○○という現代的な表示になり、昔のようにその土地の地形などを表す○○沢、○○沼という地名はなくなり、土地を購入するにも古い地名に注意しなければならない。
更に自治体が土砂災害警戒区域に指定するのを嫌う住民も多い。土地の資産価値が落ちるというのだ。売買で利益をだそうとする建物なのか。住むための家なら関係ないと思うが。
又、災害が発生する住民の話を聞いていると、「私は80年、ここに住んでいるがこんなことはなじめてだ」という。しかし、地形上危険がある場所では、今まで起こらなかったことは、ただ運が良かっただけなのだ。
私も他人事ではなかった。
母が岡山で一人暮らししていたところは、背後に山を抱え車一台がやっと通る急傾斜地の麓近くで、今回の広島の災害地とよく地形が似ている。上の方には集合住宅も建っているのだ。
背後の小高い山は、観光開発がされていて尾根付近を舗装された道路が走り、宿泊施設、イベントが出来る建物、広い駐車場が整備されていた。しかし倒木が目立ち、大きな岩がごろごろし、山肌はあれている。沢伝いに山から麓まで歩道もあるが通行止めになっており、途中には池もあると言う。
今回のような異常気象での豪雨があると、同じような惨事が起きる可能性はあるのだ。
母には、大雨が降って道が泥水で川のようになったり、石がゴロゴロ流れたり、寝ていて耳元でゴロゴロ言う音が聞こえたら危ないから親戚の家に早めに行くように言い聞かせていた。
「ガスようの臭いもする」と言うことは良く聴いていたので、それも教えたが判断は難しいだろうと思ったが、今回の広島の現場の住民もガスの臭いをかんじていたようだ。
今、母はなくなったので、そう言う心配はせずに済んでいるが自分たちが住んでいるところの地形はしっかり把握していることが大切だ。
その上で、地域住民による防災力が威力を発揮する。
自治会の役員などが中心になって声をかけあい、「命を守る」行動を取ることが重要なのだ。
いつも思うことだが、昔は人が住んでいなかった山際に迫ったところを宅地開発するなど、自然災害と言うより人災の傾向が強い気がする。
0 件のコメント:
コメントを投稿