理化学研究所 |
理研が不正防止でアクションプランを公表した。発生・再生科学総合研究センターのしっぽ切りで「社会のための理研」を目指す改革を進めるのか。理研にとって最大の財産は「社会の信頼」と言うが、今回のSTAP細胞不正事件で完全に失墜させた。
それなりの運営体制も構造的疲労を起こし、監査・コンプライアンス室も実効性において不十分さをさらけ出した。理事長も研究不正の防止措置、リスクマネージメントに至らぬところがあったことを認め、反省し有効な再発防止策を講じるという。
27日、理研は「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」を発表した。
理研 アクションプラン 理研HPより |
その中で、社会的使命を再確認し実効性のある運営改革を目指し(1)ガバナンスの強化、(2)CDBの解体的出直し、(3)研究不正防止策の強化、(4)アクションプラン実施のモニタリングなどの策を掲げた。
ガバナンスの強化では、今までも独立行政法人評価委員会の評価やRACの助言で運営し、外部有識者の助言も取り入れていたが、今後は国立研究開発法人の使命である成果の最大化を目指すという。
理研全体でも13の研究センターを理事長直結にし研究センター毎に研究推進室を設置し、理事長の下で一元的にガバナンスを担保する体制にするらしい。
では今まで理事長は何をしていたのか。お飾り的な存在だったのかと疑問が出るが、名誉職だったのだろう。
CDBの解体的出直しでは、名称を「多細胞システム形成研究センター」に変え、40研究室から20研究室へ半減、運営会議を設置すると共に、センター長を補佐する機能も強化するという。またセンター長は国際水準1級の科学者に委嘱する。竹市現センター長は更迭するらしい。
又、若い経験の浅い研究者を研究主宰者に採用するときは、2人のメンターを配置するという。これで小保方さんのようなことは起こらないのだろう。
不正再発防止では、改革推進本部を設置し、高い規範を再生すべく抜本的改革に向け、アクションプランを公表した。
このアクションプランの実効を担保するために運営・改革モニタリング委員会を立ち上げ、運営に関する助言、不正防止改革のモニタリングをする一方で、国立研究開発法人審議会の助言も踏まえ、継続的な改革に取り組むと言う。
そして、今回のSTAP細胞論文は日米5機関、14人の共同研究で共著者間での内容確認がはなはだ不十分だったことから内容検討プロセス、責任分担の明確化を進めるとも言う。
STAP細胞検証では可能性に対する社会の期待感からその有無を明らかにすべく期間限定で実験を行っていることを付け加えている。
今回の理研の不正事件は、理研内の各種手続きがあるにもかかわらず、権力者に成り上がった笹井さんの恣意的運営、iPS細胞への対抗心から暴走が始まった。ルールを守るかどうかは人間次第であり、1人の暴走を止めるのも人間だ。
いろんな会議を設置し、外部の有識者の助言を仰ぐ改革を進めているが「本当に大丈夫か」と不安が残る。研究者はえてして世間知らずなのだ。
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