2014年8月28日木曜日

理研のアクションプラン、STAP細胞検証実験中間報告で分かったこと

昨日の理研のアクションプラン、STAP細胞検証実験中間報告の一連の報告は「社会のための理研」改革、STAP細胞の存在の有無を確認する重要な報告であったが、分かってきたことは期待と大きく離れていることだ。

[改革委員会が提言したCDBの解体と言えるのか]
センター名の変更、研究室の規模を40~20に半減し、センター長を更迭することで解体的見直しとした。CDBのしっぽ切りで批判を回避しようとしていないか。

そして、今回の事件は笹井さんと言う権力者が出てきてルールを逸脱した恣意的運営を許したことにある。そういう温床はどうして出来上がったのか。今回のアクションプランで透明性を高めた民主的な運営が確保できるのか。

[本部は今回の事件に責任はないのか]
理事長や他の理事の辞任はないという。日本の科学界にこれほどの悪いインパクトを与えながらトップにお咎めなしで国民は納得するのか。

今こそ、野依理事長は責任をとって辞任すべきチャンスではないか。この機を失すると馬鹿な理事長のレッテルをはられることになる。

[文科省と築いている「理研村」を守る構想を温存していないか]
再生医療分野以外にも理研は大きな利権を抱えている。下村文科相は、「この課題をクリアーしなければ特定国立研究開発法人構想は進まない。野依理事長の強力なリーダーシップで理研の再建にあたってほしい」という意味の発言をしている。文科省としては野依続投を願っているのだ。

理研は今までも外部の評価、助言を受けながら運営してきたが、今回の不正事件を防止できなかったことは構造的欠陥があったことになると言い、改革として第三者を含めた会議などを設置し、運営の透明性を高めようとしている。アクションプランもモニタリング委員会でチェックするというのだ。いわゆるP→D→C→Aで改革の質を高めるというのだ。

しかし、人選をどうするのか。誰が任命するのか。理研寄りの人選になれば、会議などが形骸化する。厳しい意見の言える人材を探し出す必要があるのだ。

[丹羽さんが実証実験の責任者では、実験に対する判断が迷うのではないか]
今回も22回も実験しながら「まだ結論に至っていない」と慎重姿勢を崩さず、一抹の光を求めてダラダラした実験が続けることは税金の無駄遣いにならないか。そして結論の先送りは、懲戒処分の先送りになり、改革に足かせとなる。

[丹羽さんは共著者でありながら本当に実験にはタッチしていなかったのだ]
論文の通りではSTAP細胞の再現はできていない。実験に携わっていればノーハウも分かっているはずだ。今回のアクションプランでも、2か国、14人の共著者の存在を重視し、共著者の責任についても論じられている。

[そして、検証実験、小保方さんの実証実験を更に続けるということは、理研には予算が十分あるということだ]
週刊誌では高価な家具をそろえたり、無駄遣いが指摘されていたが、もし予算がひっ迫していればもう少し効率的な方法、不正論文の調査を選ぶはずだ。実験継続に多くの研究者が冷めた目で見ていることがこのことを証明している。

こういうやり方にも理研の問題意識の欠如が見える。

[本当に理研の改革になるのか]

「社会にための理研」をスローガンにした改革を目指すというが、今回の文科省と理研で検討した改革案は「理研村」を温存することになり、何ら改革とは言えないのではないか。常に野依理事長の背後に文科省の存在が見え隠れするテレビの映像を見ると、本来であれば「理研村」こそ解体を急ぐべきだ。

そのためには、文科省ではなく、日本の科学者の総意として日本学術会議の助言、指導も仰いだ方がいいのではないか。


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