理研・再生研の改革案は、今回のSTAP細胞不正事件がどうしておきたか、その根本原因の摘出からはじめるべきではないのか。要は、笹井さんの血迷いがどうして始まったか、笹井さんがどうして小保方さんのSTAP細胞研究にのめり込むことができたのか。そこに組織としての弱点があったのではないか。
朝日新聞(2014.8.26)の「理研再生研 幹部一新へ」という記事が目にとまった。それによると、改革委から指摘されていた解体はせずに、幹部を一新し組織を大幅に見直すというのだ。
理研は文科省と改革案を検討しているともいう。
理研・再生研発足後13年間、幹部研究者、組織が硬直化していたことが「構造的欠陥」を生んだとみて、新たに運営会議を設置したり、役職を廃止し、約40ある研究室を約30廃止、他のセンターに移すという。
しかし、今回の事件は笹井さんが小保方さんを特別に取り込んだことが主因ではないのか。理研にはルールがあったが、何故かルールを無視したために監視機能が働かなかったことにあるのではないか。
ルールはあっても、守るか守らないかは人間のやること。今回は他の研究者が「おかしい」と思っていても笹井さんの行動をとめることができなかった。
それだけ、笹井さんに権威があったことになる。1年ちょっと前に副センター長に就任したとはいえ、ノーベル賞に近い男と言われていれば他の研究者は黙ったのだろう。
だからこそ、本部の役員のチェック機能が問題になるのだが、生物学の常識を覆すことになるかもしれない研究テーマで、秘密にすべきテーマだと言われれば、折れたのではないか。
小保方さんが若山研に入りSTAP細胞実験を始めたが、新聞報道などによるとキメラマウス(?)の実験がやりたくて日本の研究機関を訪問したが、皆断られ若山研に来ることになったという。他の機関が断ったのになぜ若山研は採用したのか。それにはバカンテイ教授のもとで研究していた医師のつてがあったと言われている。
理研の研究者の採用なんてそんなものなのか。
また、理研の新しい研究課題の公募に応募したというが、応募期間も過ぎ手続きはすべてルールに反していたようだ。不満をもっている研究者も多いという。
それでも採用になり小保方さんはユニット・リーダーとして年間2000万円も使える立場になったらしい。私たちの税金からだ。
この辺の採用状況、研究課題の選択について本部の担当理事、理事長はどう判断していたのか。その責任については一切分からない。
笹井さんが絶大な権限で思うがままのことをやっていたとしたら、本部の研究担当理事、理事長がしっかりチェックすべきだったのではないか。
また、運営を外部有識者や若手を加えて新設の運営会議に委ねるというが、研究テーマの秘密保持はどうなるのか。特に外部有識者が加わるということで理研内部で秘密にしてしまう危険があるのではないか。
今回の事件の背後にも研究テーマの秘密保持にあったのではなかったのか。
笹井さんは、研究もさることながら新しい研究構想となる行政の仕事もやっていたという。センター長以上にカネと権限をもった人材に作り上げてしまったことに問題はなかったのか。
改革委員会の誰かが言っていた。CDBの解体を提言したのは、あまりにも理研に問題意識がなかったからだという。
850億円と言う運営費が国から出ていることで文科省も含めて「理研村」を作ったことが、諸悪の根源ではないのか。
理研改革案は、文科省ではなく日本学術会議の指導、助言で行うべきではないのか。それが科学者の総意にもなるし、誰だって利用するかもしれない理研の新しい姿を構築できるかもしれないのだ。
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