2014年8月5日火曜日

笹井副センター長の死(1):どうなるSTAP細胞論文不正事件での小保方さんらの処分

5日、メデイアのWEB版はトップニュースで理研CDB副センター長の笹井さんの自殺記事を流した。小保方さんらの処分に関して「理研、早稲田大のどちらが先行すべきか」の記事を書こうとして、理研のHPを覗こうとしたらこのニュースが目に飛び込んできた。

「未熟な研究者」の小保方さんの論文を専門家が「さすが笹井さん」とうならせるまでに再構築した笹井さんだが、指導者としてその責任は大きいと批判され続けた。

生きていても本当のことは言えなかっただろうが、STAP細胞について「今は、整合性的に説明することは困難」とコメントしていたのはつい最近ではなかったか。

このSTAP細胞論文不正にかかわる共著者等の懲戒処分に関して、先日、日本学術会議が実証実験とは別に不正の責任に応じて関係者の懲戒処分を急ぐべきだと声明を発表した。

それに関連してか、朝日新聞(2014.8.5)によると理研は、実証実験が終わるまで小保方さん等の懲戒処分の審査を中止するとしていたが、日本学術会議の求めに応じて新たな疑惑に対する結果が出た後で検証実験とは関係なく懲戒処分の審査を再開すると発表した。

新たな疑惑の調査がどの程度進んでいるか分からないが、何時になることか。

一方、早稲田大は先の調査委員会委員長の記者会見では、小保方さんの博士論文を厳しく批判しながらも「取り下げには該当しない」と可笑しげな判断を下した。当然批判の声が上がった。

早稲田大は、その「先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」調査報告を7月17日HPに掲載、19日に関係者の了承が得られたと言うことで全文の公開となった。

改めて、その内容を見てみた。弁護士が作成したらしい内容で、関係者は何故か一部を除いてアルファベットになっている。脚注にも詳しく説明され、なかなかのものだ。

ところが、最近発行された週刊誌によると、問題の大学院先進理工学研究科の教授が異議を表明したために調査報告書がそのまま承認されない可能性が出て来たというのだ。

小保方さんがSTAP細胞の研究のきっかけになった論文で、学位を取ろうとした博士論文だから理研のSTAP細胞論文にも大きく影響するものなのだ。

調査報告では、大学3年次から博士課程、東京女子医大、ハーバード大での経歴から小保方さんは初め微生物の研究で常田先生のゼミに参加したが、途中から再生医療に興味が移り東京女子医大、ハーバード大で外研することになったが、常田先生の専門ではなかった。

そこから問題が発生した。

常田先生は定期的ゼミでは小保方さんのプレゼンテーションを聴いていたが、外研での小保方さんの研究のフォローはしていなかったようだ。当然論文の書き方などの指導も不十分で、指導教員としての義務違反が強く問われる結果になった。

博士論文の信憑性、妥当性の検討でも意味不明な記載2カ所、論旨が不明朗な記載2カ所、Tissue誌論文の内容と整合性しない箇所5カ所、形式上の不備3カ所、論文作成者の資質を問われる箇所、創作者誤認惹起行為9カ所など指摘されている。

もう少ししっかり管理していればこんなことにはならなかっただろうという。

でも、学位は与えてしまったのだから取り消しは出来ないという論法だ。実験をやった形跡はあるしその学位によって生活の糧を得ているなどのことを配慮すべきだというのだ。

この調査報告に対して大学院先進理工学科から異論が出ているというのだ。

どういう異論が出ているか分からないが、指導教員も多くの学生、研究者を抱え一生懸命やっている。外部機関に出て行った研究者までフォローするのは大変だと言うのだろう。

常田先生も専門外の分野での博士論文と言うことで躊躇したようで、常田ゼミでもやった研究も触れたらどうかと指導したらしいが、小保方さんはSTAP細胞は画期的な研究なので拒否したらしい。


常田先生にしてみれば専門外で分からない論文の審査となったのだろう。異議を唱えたい気持ちは分かるが、早稲田大の信頼を大きく失墜させた責任は重大だ。

もうこうなっては先進理工学科に来る学生、研究者もなくなるだろう。科の名称を変え、教授陣を新しくしての再出発になる。

小保方さんの博士論文は早稲田としては「取消」すべきだ。そうでないと早稲田の信用は回復できない。

ところで、理研はどうか。

検証実験もうまくいっていないのではないか。1例でも成功すると発表するはずだ。新たに出てきた疑惑も調査するというが、先日の川合理事のインタビューでは調査委員になり手がいないので外部で探すしかないと言っていた。結果が出るのはいつの日か。

懲戒処分も決まったようなものではないのか。

小保方さんは当然懲戒解雇だろう。竹市センター長も辞任すべきだ。一番処分に問題があった笹井副センター長も残念ながら最悪の事態になった。

そして、野依理事長、川合理事は責任をとって辞任すべきだ。「理研再建が自分たちの責任」と言うが、新しい感覚で再建すべきだ。

理研の関係者の懲戒処分は難しいと思われているだろうが、いろんな思いがあるから難しいのであって、トップの辞任は簡単だ。

早稲田大が小保方さんの学位を取り消し、次いで理研が小保方さんを懲戒解雇するのが常識的な信用回復への第一歩と思うのだが。

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