2014年8月6日水曜日

安倍内閣改造劇:政策推進のためか、封じ込めか、遺恨の報復か

安倍総理が内閣改造を決めた途端にメデイアは大臣待望組、留任、候補者の名前を流すが、政策推進のための実力者もいれば、力を付けてポスト安倍の候補にならぬよう封じ込めもあれば、過去の遺恨の報復を臭わす事例もある。

難題山積の政権にあって、こんなことで良いのかと思うが、今のメデイアの政治部記者の書くことはこの程度なのだ。

msn(2014.8.3)でジャーナリストの伊豆村さんが、今の政治部記者はスキャンダル、失言、裏話、噂話で記事を書く政界記者だと揶揄する。

それを考えると、こんなニュースも当然なのだ。真面目な政治の話だけでは飽きるが、スキャンダル、裏話、噂話は大好きなのだ。だからといって、真面目な政治の話、政策を推進するための人選から外れては困るのだ。

今回の改造の噂話も、政策推進のためにその道の実力者を当てることだが、改造の背後には安倍政権の長期安泰を目論むドロドロした人間模様が浮かんでは消える。

各メデイアの政治欄を見ると、政治部記者と言うよりも政界記者を彷彿させる記事がウェートを占める。

一番の注目は、安倍vs石破さんだろう。

安倍さんは、石破さんがポスト安倍で力を付けるのを嫌う。安全保障に強いことから防衛相兼安保法制担当にして閣内に封じ込めようとする。また7年前の第1次安倍政権の時は「安倍おろし」を企んだ過去もあるらしい。どうしても安保法制担当相にして封じ込めたいようだ。

一方で、石破さんはポスト安倍の有力候補となるためにも幹事長に留任したいらしい。願いがかなえられなければ無役も仕方ないと思っている。派閥を持たない石破さんが入閣すると石破グループ約30人は崩壊する危険もあるというのだ。石破さんが政権を取って大臣の座を得るために群がっている連中なのだ。

自民党には60人以上の大臣待望組がいるという。3年半の野党生活で貯まったというのだ。
でも順送りのガス抜きでも困る。

専門知識もなく、国会での答弁もままならぬ法務大臣がいたが、官僚の差し出すペーパーの棒読み、官僚による頻繁な耳打ちを自分ではどう思っているのか。選挙区の支持者に恥ずかしくないのかと言いたい。

政治資金提供の多い団体からの推薦議員を登用する場合もある。特に多額の資金を必要とした選挙の後の組閣では目立つ。

挙党態勢と言いながら派閥の長を重要閣僚で優遇することが多いが、総理の座を脅かす芽を封じる囲い込みだ。

又、今政策に力を入れているのが女性の登用だ。女性の管理職を30%にするというので、率先して閣僚、自民党役員人事に反映させたいようだ。そのためには6人の枠を確保する必要がある。女性には妬みが大きいから総理もやりにくいだろう。

更に、集団的自衛権行使の問題で自民党の長老が口出ししてきた。古賀さんは岸田派に反安倍でハッパをかけている。

アベノミクス推進の閣僚は留任が噂されているが、次のステップアップを狙って重要閣僚、党三役を狙っている人もいる。

親安倍派は支持率が下がっても長期政権を目指し、反安倍派は支持率低下を機に勢力挽回を試み大臣の座を要求している。

安倍さんは人事掌握がうまいという。でも政策を強引に進めるために取った日銀総裁の更迭、NHK会長人事に口出しするためのNHK経営委員の人選、憲法解釈見直しのための内閣府逢瀬医局長官の更迭などで危険な総理の芽が出て来た。

閣僚人選は安倍総理の専権事項だ。安倍さんがどういう人事をするかでその背後にある
政策推進の本気度、ドロドロした人間関係、ポスト安倍を予測することが出来るのだ。

解散・総選挙の動きも出て来た。福島県知事選、沖縄県知事選、来年春の統一地方選も絡めて安倍総理の人事に注目だ。


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