2011年5月24日火曜日

海江田経産相 あなたの主張どうりなら、東電は原子炉等規制法第64条違反では



福島第一原発事故対応初動にミスに「ベントの遅れ」がある。23日の特別委員会で谷垣総裁が遅れの原因を追及する中で、海江田経産相は「東電がやるやると言いながら、なかなか進まないので6時50分に命令を出した」という。東電は原子炉等規制法第64条(危険時の措置)に違反していないか。

そして、菅総理が急遽決定した3月12日朝の現地視察が、東電をして「ベントを遅らせる」判断になったとしたら野党が追及するように総理の判断ミスは大きい。

23日の国会特別委員会の谷垣総裁、総理の質疑をメモを取りながら聞いた。速記ではないので聞き取りが曖昧な点もあるが、「ベント遅れ」と「現地視察」に関連して谷垣総裁、菅総理、北沢防衛相、海江田経済産業相の質問、答弁は次のようだった。

谷垣:行く決意は何時したか
菅:直前?
谷垣:防衛庁の準備もあるだろう。何時受けたか
北沢:12日の1~2時頃
谷垣:(メモが曖昧で質問を思い出せない)
菅:圧力からベントの必要性は共通認識だ。もっと早い時点で行なうように思う。
谷垣:(メモが曖昧で質問が思い出せないが、ベントと視察決定の時間的関係を質問)
海江田:ベントの必要性を東電に口頭で指示。日をまたいで1時30分ベント指示。3時東電は「やる」と言うが、なかなか進まない。6時50分命令を出した。7時30分1号ベント仮説ケーブルの設置実施中ということだった。
谷垣:(東電は)現場視察を重視するはずだ。足を引っ張っていないのか。この問題は続けてやる。

東電は、この「ベント遅れ」を周辺環境が良く把握できていないとか準備に時間がかかるなど理由を挙げて説明していたと思う。

いずれにせよ、時間を追っての判断、処置行動が問われているのだが、政府・東電の統合対策室での会議で、その議題、決定事項、爺事項、実施結果の記録がなさそうなのだ。しかし例え正式な議事録が無くても出席者はメモぐらいは取っているだろう。

事が大事になると、政府は自分たちの責任にならぬように辻褄合わせのデータのねつ造をするだろう。
東電だって、総理の現場視察を重視して遅らせる対応したとはいえないだろう。作業に手間取るなんて簡単に言えることだ。

こんな時、官僚がメンバーに加わっていれば、正式な議事録を作成するだろうと思うが、菅総理が「政治主導」で官僚を遠ざけるのであれば、最低限官僚のやることぐらいはやって欲しいモノだ。

先の海江田経産相の答弁からすると、全員が共通認識していた「ベントの早急の実施」を指示しても東電はなかなかやらず(やれなかったかも知れないが)、命令を出したという。

コレは、原子炉等規制法第64条(危険時の措置)に違反していないか。

東電にどういう事情があったか分らないが、第64条では「原子炉に関し、地震、火災その他の災害が発生する畏れがあり、又は発生した場合に於いて直ちに、主務省令で定めるところにより、応急の処置を講じなければならない」とし、文部科学大臣、経済産業大臣、国土交通大臣は原子炉による災害を防止するために必要な処置を講じることを命ずることが出来るとしている。

今回の場合、東電の判断・主張点が全く分らないまま、政府内で辻褄合わせをやっているように見える。菅総理や海江田経産相が口頭とはいえ「ベントを早くやれ」と言っているのだ。東電は「ベントが遅れた」原因をはっきり説明すべきだ。

写真:原子炉等規制法第64条(危険時の措置)

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