2013年2月26日火曜日

2月25日、栃木県北部地震M6.2:こんなところに東北地方太平洋沖地震の誘発地震か

気象庁地震情報
2013.2.25 気象庁HPより

2月25日夕方に発生した栃木県北部地震(M6.2),震度5強は、あの超巨大地震だった2011.3.11東北地方太平洋沖地震の誘発地震だったのか。この東北地方太平洋沖地震は日本の乗っているプレートの歪み、バランスに大きな影響を与え、各地の地震発生確率を上昇させ、その余震、誘発地震も危険視されているのだ。

25日の午後4時半頃は、孫を迎えに保育園に行っているときだ。揺れは感じなかったが、保育園の保母さんに「栃木で大きな地震があったようですよ。気をつけてください」と注意された。

帰ってテレビをつけると地震が報道されていた。栃木県北部、M6.2,深さ10km、日光市湯元で震度5強だ。

気象庁の地震情報を見ると、震源地は栃木県北部、北緯36.9度、東経139.4度だ。地図で確かめると、奥鬼怒、湯元当たりになるか。日光市湯元で震度5強、那須塩原で震度4,日光市内は震度3だ。震度5弱はどうなっているのかと思ったら、震度5弱以上と考えられるが震度を入手していない観測点として、日光市足尾が上げられていた(気象庁地震情報平静25年2月25日16時28分発表)。

気象庁の「各地の震度に関する情報」でも、M2.1~最高の6.2,震度も1~5強と25日22時過ぎまでに35回も揺れている。これも短時間のうちの異常な頻度だ。

私も3年前まで群馬に住んでいたので、この群馬県・栃木県県境付近の日光、足尾の地震には注目していた。時々地震発生の記事が新聞には載っていた地域なのだ。

東日本大震災以降、地震活動が活発化
した地域
フジテレビ ニュースジャパン2013.2.25
ところが、調べてみると、あの3.11東北地方太平洋沖地震の誘発地震では長野県栄村、地下マグマの異常挙動が富士山、箱根で見られたことは、良く知られているが、この群馬県・栃木県県境地域も地震を誘発しているのだ。

気象庁の「3月12日 群馬県・栃木県県境付近の地震活動 2011年」によると、2011年3月11日17時40分(東北地方太平洋沖地震の発生直後)、M4.0が発生、翌12日には深さ6km、M4.5 震度4が発生している。1949年12月に今市地震(M6.4,震度4)が発生しているが、この付近ではM5クラスの地震波発生していなかったと言う。

そこで今回の地震だ。誘発地震と考えられている。

陸域における誘発地震活動
名古屋大学大学院環境学研究科
群馬・栃木県境、今問題になっている
箱根も挙げられている
名古屋大学大学院環境研究科の「日本列島陸域における誘発地震活動について 2011.3.11」によると、東北地方太平洋沖地震発生後、日本列島陸域で誘発されたと思われる地震活動が活発化しているというのだ。

その誘発地震発生場所中に群馬・栃木県境があり、今問題になっている箱根―丹那断層も上げられている。

それによると、東北地方太平洋沖地震以降、中部地方~東日本にかけて東西方向に引っ張られる力が加わっているのではないかという。確か東京に設置されている経緯度基準点も東方向に30cm程度動いていると言われている。

そしてわずかな水圧の上昇でも小さな地震が発生することは分かっており、火山地域や構造線など地殻の強度が全体として弱い場所に選択的に発生しているのではないかと考えられている。

この県境付近は、東北地方太平洋
沖地震の発生直後と翌日にも地震が
発生している誘発地震の起こりやすい
地域なのだ
「群馬県・栃木県県境付近の地震活動
2011年3月12日」
気象庁HPより
何故、こんな群馬・栃木県境付近で大きな地震が発生したのか分かるようだ。

テレビで現場の状況が報じられていた。ドーンという音とともに突き上げるような揺れだったという。震源域が浅く直下だったのだろう。気象庁は、今後1週間はワンランク下の震度4クラスの余震に注意しろという。

今は雪なども多く、雪崩、落雪に注意が必要だが、震度5強を記録した湯元付近は背後に急峻な山が迫っている。群馬側から金精トンネルを出ると中禅寺湖の眺めも良いが、驚くのは山崩れ、地滑りが激しいのだ。豪雨の被害が大きいのだろうが、急斜面に役立つかどうか分からない砂防ダム、地滑り防止の工事がされている。今回の地震でどうなっているか。

あれだけの超巨大地震だ。これからどんな誘発地震が発生するか分からない。そして首都直下型地震、相模トラフ、南海トラフ沿いの超巨大地震は何時起きても不思議ではない発生確率まで来ている。

一方で、発生確率が低くても巨大地震が発生している。

来そうで来ないところに不安が募る。

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