社会のあらゆる分野に存在する利権がらみの「なれ合いの場 ○○ムラ」の存在は必要悪なのか。原発事故、最近では東京オリンピックの新国立競技場計画、エンブレの盗作問題など見ると、もしそういう「○○ムラ」が事案を牛耳らなければ不祥事は防げたのではないかと思うことが多い。
3.11東北地方太平洋沖地震、巨大津波による総電源喪失でメルトダウンというあってはならない事故を起こし甚大な原発事故となった東電・福島第一原発の事故では「原子力ムラ」という閉鎖的な組織を東電が牛耳っていたために起きた巨大事故の様相を呈した。
「原子力ムラ」は大学の原子力工学、原発を担う電力会社、メーカー、国の原子力行政、原発監視組織の関係者で作り上げ、東電がリーデイングカンパニーとして牛耳っていたようだ。仲間内で都合良い解釈をして外部の意見を取り込むことを怠り「原発は安全」という考えを蔓延させた。
特に東電は外部の意見を軽視した。地震、津波災害で新しい知見がでて津波対策が必要と分かり他の電力会社は防潮堤のかさ上げを実施したが福島第一原発だけは対策を怠り今回の事故となった。
「原子力ムラ」の悪い面が出て来た反省から原子力の業界に無関係な人材の登用の必要性も主張されたが、新しい国の規制委員会の委員長に田中さんが就任したが、「原子力ムラ」出身者として批判された。
東京オリンピックの新国立競技場建設では政治家、文科省、JSC、ゼネコンなどの利権がらみの組織(「オリンピックムラ」があるかどうかは知らない)に情報が握られて公開されず結果、工事費高騰で白紙撤回された。大きいイベントになるとどうしても政治家が出て来てトラブルなどの調整に活躍して利権を漁ることになる。
遅まきながらオリンピック担当相も決まりアスリートの意見も聞いて新しい競技場の設計に資すると言うが今度は官邸が牛耳るらしい。更に利権まがいのことが起こらないかと心配だ。
又、東京オリンピックエンブレムの盗作疑惑も訴訟に持ち込まれるらしい。次から次へデザイナーの佐野さんの疑惑が出てくるとどのように収拾するのか心配になる。このデザイン界にも「慣れないの場」、「主導権争い」があるようだ。美術系大学では大阪系が「取り下げるべきだ」と言えば、東京系は「問題ない」と擁護する有様だ。デザインコンペの審査も新聞報道に寄れば佐野さん寄りの人材が多いようで前から「出来レース」との噂があったようだ。
もっと開かれた場でコンペをやっていればこんな不祥事は防げたはずだ。
医療分野でもボス的存在がいて国の助成金の配分で偏った動きをしているようだし、地震関係の助成金も東大の教授が牛耳っており関連大学には厚遇するが地方や地震学の主流でない研究者には恩恵が行き渡らない。
研究者には学会、経済界には経団連をはじめ関連する企業が○○工業界を結成し利権の場になって新規企業は入りにくい状況になっているようだ。
スポーツを始め○○振興会がたくさんある。国の施策に協力し助成金を配分する組織になっているのだろう。
民主党の事業仕分けでは、国民にとって「廃止」すべきと思われる事業を必死で説明しようとする官僚の姿を見ることが出来たが、これらは利権がらみの事業で「○○ムラ」と言うべきだろう。数え切れないほど官僚が関わる利権事業が多い。
そして政治の世界にも利権がらみの「○○ムラ」がある。政党、派閥だ。政党助成金は年間370億円ぐらいだが、政党の分裂解体、新党立ち上げになるとこの政党助成金の取り合いになり醜い争いを国民の前に晒している。
こういった組織は利権がらみで閉鎖的になっては日本社会の活性化に支障を来す。
安倍政権をはじめ、過去の各政権も成長戦略として政策を掲げるがどうしても利権がらみでの抵抗が大きく失敗の連続に見える。安倍総理はドリルの刃となって岩盤規制に穴を開けるというが、選挙での支持団体との関係もあってうまく行かない。
利権がらみの「なれ合いの場 ○○ムラ」も必要悪と思われるが、情報を公開しいろんな意見を受け入れる寛容さがなければタダの利権がらみの「○○ムラ」として組織の弊害をさらけ出すだけだ。
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