2015年8月29日土曜日

それでも違憲の「安保関連法案」が成立する今の政治

国会外では憲法学者や学識者が挙って「違憲」「廃案」を主張し、安保関連法案反対運動が真っ盛りだが、それでも法案が成立(?)する今の政治をどう考えれば良いのか。先の衆院選では自民党vs野党で得票率を見ると五分五分だが小選挙区比例代表制の選挙では自民党が圧倒的多数の議席を得る結果になり、選挙では争点を避けた法案を安倍政権はごり押しする結果になった。

公約には掲げていたのだから公約違反ではないという。マニフェスト制の裏をかいた戦術だ。アベノミクスの成果(?)を強調し議席を現状維持したまま第3次安倍政権は「国民の命、生活を守る」と集団的自衛権行使容認の安保関連法案を国会提出し、今参院で最後の審議をやっている。

審議時間も十分取ったし、質問も同じことの繰り返しだから「もう十分だろう」と9月11日頃参院で採決するらしい。でも「存立危機事態」など集団的自衛権行使事例が揺れている。

要は机上の空論で、実際には「新3要件に当てはめて総合的に判断する」というのが政府の見解のようだ。所謂政府に丸投げの法案で憲法9条による権力側の縛りは曖昧になる。

ところが、国会外では反対運動が盛り上げっている。

今までは年配者、子連れの夫婦、戦争経験者、宗教関係者が主だった国会前集会、デモ参加者も高校生、大学生等のSEALDs、中高年のMIDDLEs、高齢者のOLDs更には最近海外のOVERSEAsと反対運動は広がるばかりだ。

法曹関係者、他のジャンルの学識経験者、著名な学者、108の大学の「有志の会」などが26日集まり講演とデモを企画した。法曹関係者ら300人が「違憲」「廃案」のボードを掲げた報道は目を見張った。

メデイアには法案賛成者も出てくるが圧倒的に反対者の報道だ。そういえば慶大名誉教授で「違憲論者」の小林さんが「合憲論」の憲法学者にデイベートを申し込んだがどうなったのか。やったと聞かないので実現はしていないのだろう。

外交評論家や軍事専門家が今の日本を取り巻く安全保障環境は変わってきた。迫っている危機を回避するには安保関連法案が必要なのだと主張するがそんな事は分かっている。中国や北朝鮮のやり方を見ると何か手を打たなければならないことは分かる。

でも、憲法の解釈改憲は立憲主義にも反して「違憲」とみるべきだろう。我が国の憲法は「硬性憲法」だから世界一改正の難しい憲法だ。国会での衆参別々の発議条件、国民投票と2重にハードルが高くなっている。憲法改正など念頭にない憲法なのだ。

しかし、憲法9条改正は堂々と公約で掲げて争点にし国民の信を問うべきである。

今、「安保関連法案は違憲」から「安倍政権を許すか許さないか」が争点になってきた。

多くの学識者が反対の声を上げているが、社会学者の上野千鶴子さんは「立憲主義の危機だけではない。知性の危機、学問の危機、大学の危機に同感し立ち上がった」という。

安倍総理の目指す改革は偏っている。政治姿勢を正させたいが政権与党の自民党が安倍一色ではどうにもならない。

自分の選挙区の国会議員の言動を確認し「選挙で支持するかどうか」を明らかにすることから始めなければならないか。

明日、30日は国会前集会で10万人が集まる計画がある。全国では100万人の集会だそうだ。時間を見て国会前の行ってみようと思う。


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