安倍総理の唱える「積極的平和主義」は、本家本元である提唱者のヨハン・ガルトゥング博士の「積極的平和」とは異なると言い、明日来日して「本当の平和とは何か」を日本国民に語るという。
朝日新聞(2015.8.18)によると、福岡で映画配給会社を経営する関根さんが安倍総理の「積極的平和主義」に疑問を感じ本来の提唱者であるノ―ルウェイの平和学者であるヨハン・ガルトゥング博士を日本に招く要望がかなって19日来日し、田原総一郎さんとの対談、特別講演が予定されているという。
大いに期待したい。
記事によると、博士は「「欠点もあるが憲法9条を守っていく」、「憲法9条が当たり前の世の中にしよう」、「軍備は持たず、外国の攻撃に備えることもない」、「そして核兵器は持たない」」と日本が主張するのを夢見ていたというのだ。
ところが安倍総理は新3要件に合致すれば集団的自衛権行使ができる安保関連法案の今国会の成立を目論んでいる。憲法9条改正のハードルが高いと見るや憲法の解釈見直しを閣議決定し国会審議にかけ、「憲法違反」「立憲主義に反する」と反対運動が始まった。国会周辺は高校生、大学生を含む幅広い国民が集会し、「9条を守れ」「戦争をさせない」から「安倍政権打倒」と反対運動は勢いをつけている。
私も「積極的平和主義」とは現憲法9条を守ることではないかとブログで訴えた(【憲法談義】「積極的平和主義」とは憲法観からすると憲法9条を守ることではないか 2015.4.21掲載)。
ヨハン・ガルトゥング博士と同じ考えだ。
安倍総理は、また憲法の解釈改憲は「今回が限界」という。憲法改正の手続きの必要性を訴えているのだ。
現憲法はGHQの素人が8日間で作り上げた代物であり日本人による憲法制定が必要ともいう。でもこの考えは事実ではない。連合軍は新しい憲法草案を日本政府に命じたが日本政府から提案された憲法草案は民主政治に程遠いものであったという。そこで連合軍が自ら草案作成に着手した。草案は日本政府に渡され日本でも専門家の間で検討、修正されて国会で制定されることになった。連合軍が関与したために戦後の民主政治を確立できたことは間違いないのだ。
憲法9条を解釈改憲し、今の国際安全保障関係に対応するよりも憲法9条を厳守することで国際安全保障関係に対応することの方が大切ではないのか。
だったら今の中国、北朝鮮など現実の脅威に対応できるのかという批判もある。ではアメリカと同盟を強化すればこれらの脅威を緩和することができるのか。
もっとしっかり国会で審議してほしいものだ。
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2015.4.21掲載
【憲法論議】「積極的平和主義」とは憲法観からすると憲法9条を守ることではないか
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