2015年8月9日日曜日

安倍政権に妙手なし:内閣支持率下落の「抑止力」に何があるか

安保関連法案、更には側近連中の暴言もあって内閣支持率は下落一方の安倍政権であるが、人気下落の「抑止力」となる何か妙手があるのだろうか。最近のメデイアの調査では支持率も30%台後半か40%台前半、危険水域に入ったと言うが挽回できる妙手が見当たらない。

今国会で成立を期す安保関連法案の参院審議も足踏みの状態だが反対の動きが激しくなっている。国会前の集会、デモの参加人数は増える一方だし、政権与党の公明党の支持団体、創価学会の会員も反対運動に加わってきた。政権内でどう影響するのか。

野党には「代案を出せ」と迫るが「今の法案がベスト」の姿勢を変えていない。これでは妥協案も出来ないだろうが、10本の法案を一本に統括しているために一部を見直すと全体に影響してくるので説明がしにくくなるのではないか。

「人気に関わらずやらなければならないことはやる」と強がるが政治には民意も必要ではないのか。YESMANに囲まれた安倍さんは「裸の王様」で判断を誤る危険もある。

14日に閣議決定するという70年安倍談話も基本的検証をした有識者懇談会の報告とはズレがあると言う。安倍さんが口癖の積極的平和主義は評価するも「侵略」「GHQ占領期の評価」では 考え方に違いがあるらしい。この報告書をどう生かすかについて政府関係者は「あくまで参考」と言えば懇談会メンバーは「報告が無視されるわけがない。立場がある」と火花を散らす。

参考程度であればどうして懇話会で検証したのか。

安倍さんの70年談話の内容によっては「国民の生活を脅かす」結果にもなりかねない。

又、拉致被害者救出をライフワークにすると言う安倍さんは北朝鮮の調査報告、進展に期待しているが思うように行かない。北朝鮮に対する姿勢も曖昧で拉致被害者の会から「厳しい姿勢を」と要求される始末だ。駆け引きにかけては北朝鮮の方が数段上手だ。突然の北朝鮮訪問のチャンスでもあるのか。

東京オリンピックも頭の痛いところだろう。野党から批判されると「デザインは民主党政権時に決まったこと」と抗弁するが工期、工事費については安倍政権下での文科省の責任ではないのか。
メイン会場建設は白紙撤回され9月に新たな計画が発表されるようだ。以前の新聞報道でIOC会長が「一緒に検討しよう」と提案していたが、IOCも気が気ではなく自分たちの管理下に置きたいのではないか。

今まで失敗した下村文科相が責任を問われたが「私の責任は全うすることだ」と続投し東京オリンピックを成功に導くというのだろう。下村さん自身も自分の責任を感じているはずで辞任しようと思っても政権維持を考えると思うようにいかないのだろう。9月の総裁戦後の内閣改造では更迭の可能性が高い。

一方アベノミクスに始まる経済政策はどうなのか。

アベノミクスへの期待も大きかっただけに成果が望まれるが、安倍さんが指標とする株価も20000円台を維持しているが年金運用基金で株をつり上げているだけで官製株価と批判されている。今まで12%だった上限を25%まで高めたが6月末ですでに24%に達しこれ以上の期待は出来ない。

円安も230~240円台では行き過ぎの傾向もあり、日銀総裁が6月10日に「これ以上の円安はない」との見方をしめした。しかしこのプラス効果は見えないが、円安が生産施設の国内回帰を促しているのは確かだ。

1025兆円の大きな借金を抱えて財政再建が喫緊の課題になり社会保障費の削減など国民に痛みを負わせる政策は進んでいるが、何故か16年度予算案は100兆円を越えるという。税収増もあって気が緩んだのか。公共投資は今まで縮小し3兆円ほどになっている。

財政再建、経済成長を日本経済再生の両輪にしているが、財政出動→経済成長→税収増→借金削減を狙っているのだろうがシナリオ通りに行っているのか。

東京オリンピックも経済効果を狙っているが地方まで潤うことはない。

安倍政権の人気の下落は選挙にも影響が出始めた。岩手県知事選では現職を相手に自公が参院議員の平野さんの擁立を検討していたが不利とみて辞退する騒動になった。政権党が知事選に不戦敗では恥ずかしい。また、8日の埼玉県知事選では現職上田さんに自民推薦で塚田さんが挑戦している。どうなるか。

こう見てきても人気下落の「抑止力」となる政策は見当たらない。

9月の自民党総裁選では安倍さんの無投票当選の動きだが、自民党は対抗馬を出すべきだ。安倍さんの無投票当選では自民党衰退の始まりだ。対抗馬を潰して長期政権を築きたいだろうがそれは安倍さんのエゴだ。次にリーダーを育てるのも仕事の一つだ。

それとも再び政権交代の機運が出てくるのか。

これ以上、安倍さんの自己中心的政治手法が続けば参院選敗退で退陣要求が強まってくる。安倍官邸はyesmanに囲まれて「裸の王様」状態だが異論にも耳を傾ける姿勢が取れないのか。

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