経済界が要求する更なる法人税下げが民需主導の好循環経済を確立できると経済財政諮問会議は思っているのか。10日朝のNHKラジオが「政府は経済財政諮問会議の提言を受け法人税下げを急ぐ方針を固めた」という内容のニュースを伝えた。経済財政諮問会議は安倍総理の打ち出す政策にお墨付きを与えるYESマンなのか、安倍総理に政策を提言する会議なのか。
提言する会議であれば、法人税下げで問題になる財源確保、実際に法人税を払っている企業を見ると、既に30%を切り資本金が大きいほど納税額は低い現象が起きているのをどう見ているのか。そこが知りたくて今までの経済財政諮問会議の議事碌要旨をHPから開いてみた。
法人税の標準は米国(40.75%)に次いで2番目に高い34.62%を2016年には30.99%、平成29年度には20%台まで下げる方針だが、その法人税下げを急ぐというのだ。経済財政諮問会議の「経済の好循環拡大、深化に向けて」で民間議員が、「企業の取り組みをしっかり頑張ってもらうためにも法人税率で20%台への引き下げ目標を出来るだけ早くすべきだ」と提言している。
目的は勿論、新3本の矢の一つの矢、GDP600兆円を目指し企業が投資しやすい環境を整備し民間主導の好循環経済を確立したいためだ。そのためにも安倍総理は賃上げ、最低賃金上げ、民間投資の拡大の議論を深めろという。
ところが、麻生財務相は10日の記者会見で「実効税率下げには財源の確保をどうするか」が課題になり、年末までにまとめるらしい。設備投資減税などの減税額を減らすことも考えているようだが何か帳尻合わせの感がする。
一方、よくいわれているのが資本金の大きい企業ほど既に法人税は30%をきっているのだ。20%台もあるから実際の税負担はかなり低いのだ。かえって資本金の少ない中小企業ががんばって納税している格好だ。
その悪の根源は租税特別措置法にあるようだ。その欠陥を議論しないでただ経済界が要求しているから法人税を下げろでは話にならない。
大企業が社会に貢献する仕組みを構築しなければ大企業優遇策ばかり推進してどうするのかと言うことになる。
経済財政諮問会議の議事録要旨を見るにつけ、議員から提出されている資料がどういう内容かわからないが、安倍総理を含めてたった1時間の会議で真剣に議論されているとは思えない。
安倍政権の政策にYESマンで対応するばかりでなく、今までの政策を見直し、国民の「よりよい生活」を確立できるようにブレーキをかける役目も担ってほしいものだ。
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