小保方さんの博士論文取消決定では、早稲田大も難しい判断を迫られていたのだろう。STAP細胞捏造事件も「STAP細胞はなかった」と言うことで科学的には決着がついていたが、その存在が否定されているSTAP細胞の作製に関する博士論文の科学的価値にどう判断を下すか注目していた。
STAP細胞論文発表でコピペ、捏造が持ち上がったと同時に小保方さんの博士論文にも捏造疑惑が持ち上がり、早稲田大は審査自体にも問題があったとして1年間の猶予期間を設け、その間に修正し再提出し審査に合格すれば取り消さないという判断を示していた。
11月2日の記者会見や新聞報道で早稲田大は「修正論文でも実験手続き、実験結果の記述などに科学的根拠が不十分と判断した」と言う。一方、小保方さん本人は「最初に取り消しありきで不公平、指摘された点は修正し提出したのに」と失望感をあらわにしたそうだ。
STAP細胞は否定されているのだから、早稲田大の言うとおり、その作製に関する博士論文に実験手続きや実験結果の記述に疑問が出ても仕方ないことだ。
そして、これだけ社会的にも批判され、世界三大不正事件とまで言われたSTAP細胞の実験に正当性をあたえるのも問題だったのだろう。
要するに、結果的に否定されたSTAP細胞に関する以前のSTAP細胞作製論文に研究価値が見いだせるかどうかなのだ。
否逆に、時計の針を逆に回して、博士論文提出時の海の物とも山の物とも分からないが再生医療に新しい技術となるかもしれないSTAP細胞の当初の作成実験時にかえって判断するかだ。
本当であれば、こうあるべきだが今となってはそれも叶わない。存在そのものが否定されたSTAP細胞の作成論文に科学的価値はないとみたのだろう。論文内容がどんな内容なのか分からないが、バカンテイーさんのアイデイアに沿って細い管で細胞を集め酸処理をする実験報告だったのだろう。
修正された論文でも実験手続き、実験結果に科学的根拠が不十分と早稲田大は判断した。
そもそも再生医療を専門とする講座ではない大学院の所属講座で論文を提出したこと自体に無理があったのだろう。担当教授が講座の専門テーマで出したらどうかとアドバイスしたが断ったという記事を目にしたことがある。
代理人の弁護士は「提訴することも視野に入れている」とコメントしていたが、目的は「取り消しの取り消し」「取り消し無効」を訴えるのか。博士課程での奨学金も受けていたというので論文が取り消しになれば返却要請も来ることを想定しての事なのだろうか。
そもそも博士号は大学が、その規準に従って授与する物で「大学の自治」にも関係することで、裁判にはそぐわないのではないか。これほど有名は事件になると誰でも知ることで研究者なら名前を聞いただけで「あの事件か」と思い出すほどだ。もう研究者としての資質は失ったようなものだが、それでも裁判を辞さないのか。
小保方さんは年内にも修正博士論文を公開すると言うが、STAP細胞は否定され、nature紙への掲載論文も取り下げられ7機関の再現実験にも成功しなかったことも分かってきた。自らの博士論文を公開して何を訴えるのか。
毎日新聞の電子版に小保方さんの見解文が掲載されていた。どこまでが本人の意見か分からないが、代理人の弁護士を通じて公開したもので代理人が修正していることは分かる。弁護士は揉めれば揉めるほど金になるし、ボランテイアと言うにしてもこれだけの案件だから名声を上げる(?)ことにも期待しているのではないか。
小保方さんに出来ることは弁護士を代理人にして事に当たることは止め、自分の言葉で説明するべきではないか。相手にしてくれる人間がいればの話だが・・。
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