原子力規制委員会は本当に役目を果たしているのか。来月退任する田中委員長のインタビュー記事を読んで「政治的圧力」にも屈せず役目を果たしていると言う。福島第一原発事故の原因調査も不十分まま新しい規制基準で再稼働の合否を決めている不安もある。
5年前に何の集会だったか忘れたが、日比谷公会堂での集会を取材するために日比谷公園を歩いていたら「田中委員長は原子力村の人間」という規制委員会委員長には不適な人事を糾弾する立て看板が出ていたのを覚えている。
田中委員長は「政治圧力はあった」と認めている。
確かにそうだろう。原発一基を稼働させることにより電力会社の経営改善に大きく貢献するのだ。自民党の族議員、電力会社出身の労組系議員が圧力をかけるのは分かる。でも田中委員長は毅然たる態度で臨んだようだ。
規制委員会を公開で開催したのもその1つだろう。
地震学者の島崎副委員長が地震対策、津波対策、活断層かどうかで電力会社と対立していたこともあった。その島崎さんが辞任した。地震、津波対策がおろそかになるのではないかと心配になる。
それでも新しい規制基準に適合したのは6原発12基、再稼働は3原発5基だ。その中には中央構造線上にあったり、海に囲まれ万一の時の退避路が確保出来ない立地にあったり、若狭湾の原発銀座で万一事故でも起きれば放射能拡散は琵琶湖の水も汚染し飲料水に頼っている関西圏は危機的状況に陥る恐れもある。
又、再稼働には立地自治体の同意が必要だが、「安全かどうか」と言う問題の他に地域の経済活性化も重要な課題になって、賛否両論だ。
思い出すのは憲法96条「地方自治」だ。その地域に特有の政策課題は地域住民の過半数の同意が必要と謳っている。
地方自治のあり方を問う原発立地なのだ。
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