2014年度予算編成の概算要求が99兆円を越えることが分かってきたが、安倍政権になって族議員が跋扈する旧態依然とした自民党の予算獲得の姿を見ることになった。
安倍総理は衆院選で「自民党は変わった」、3年3ヶ月の野党生活で「自民党は生まれかわった」、「国民目線に変わった」と国民の支持を訴えたはずだ。しかし政権に帰り咲くと「3年3ヶ月我慢した族議員が本性を現すはずだ」とか「支持してくれた有権者に恩返しだ」とは言われていたが、概算要求を見て、ちっとも変わっていないのではないかと思える。
この一般会計分99.2兆円で、このうち政策運営に74兆円という。
自民党は公約で国土強靱化、防災、減災を掲げており、新聞報道を見ると当然公共事業が増え約5兆2000億円、プラス17%だ。農林水産2兆6000億円でプラス14%、社会保障30兆5600億円でプラス4%、地方交付税約16兆7000億円でプラス2%、国債元本返済/利子負担約25兆2800億円でプラス14%、軒並みプラス要求だ。
これからどのくらい圧縮できるかは官邸主導になるらしい。
消費税増税で安倍総理が判断を下すのは先になるので、この概算要求には織り込まれていないと言うが、各省庁は消費税増税を織り込んでいるのではないか。増税分は社会保障費に当てると言うが、その分予算編成に自由度が増す。財務省は増税への動きをするのは当然だろう。
財務省は姑息な手も使っている。復興予算は一般会計ではなく、今年1月から25年間所得税額に2.1%上乗せしているし、来年6月からは10年間住民税として年1000円徴収するというのだ。
その一方で、復興予算の中で1兆1500億円の目的外使用が見つかり、財務省は返還を要求しているが、すでに執行した分が多いという。
ところで、国際公約にもなっている財政再建、健全化はどうなっているのか。日本経済再生には財政再生と財政出動は両輪だと言うが、同時にうまくいくわけがない。
麻生財務相は、G20で中期財政計画を説明する責任があり、当然に増税推進派だろう。
概算要求の評価は、日本経済の再生、規制緩和、構造改革の政策に沿っているかどうかで判断されるだろうが(経済再生相)、どれだけ官僚が応えているのか。代わり映えしない内容になるのではないか。
しかし、官僚や族議員をのさばらしていては、国の財政運営は危機に瀕する。国の信用にも関わる予算編成作業なのだ。
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