2013年8月20日火曜日

政府の月例経済報告では「デフレ状況ではなくなりつつある」と言うが

政府は8月の月例経済報告で「デフレ状況ではなくなりつつある」と盛り込み、消費税増税に向けた環境づくりをしたいらしい。今の物価上昇は好ましくないといわれているが、「好ましくない循環」も「好ましい循環」になるのだ。

長いデフレ下での経済から日本経済を回復するにはデフレ脱却が必須で、時の政権は「その宣言を何時出すか」が大きな課題であった。確か民主党の菅政権の時も検討したと記憶しているが宣言には至らなかった。

群馬に向かう車の中でラジオを聴いていたら、今週のニューストップ10を選ぶ番組を放送していた。

トップニュースは「景気回復」だった。日銀も「景気回復宣言」をした後でもあった。でも景気は回復したというが、家計収入は増えず、インフレが進んでいる状態だ。家計収入が増え、消費が上がり、物価が上がる好循環の状況ではないと出席者が発言し、コメンテーターか司会者か知らないが「その通りなのだ」と相槌を打っていた。

誰でも今の状況は好ましくない物価上昇とみている。

なのに政府は「好ましい物価上昇」と言わんばかりに、「デフレ状況は緩和しつつある」から「デフレ状況ではなくなりつつある」に表現を変えてきた。

日銀は「穏やかに回復しつつある」の表現で「景気回復宣言」とメデイアは報じたのだ。

円安が株価を吊り上げ、輸出産業、大企業は業績を上げる結果になった。デフレ下でも収益を上げる構造が出来上がっていたので、チョットした経済の変化でも収益を上げることはできる。

でも企業の収益アップが家計収入増につながる構図はできていなかった。逆に円安は物価高として家計を圧迫し始めた。安倍政権は、投資減税法人税下げなどいろんな手を打つようだが、すべてが企業にとっての優遇策で、賃金アップの保障はない。

麻生財務相に言わせれば、会社の75%は赤字経営で法人税を払っていないのだから法人税下げをして効果があるのかという。財務省も税収減になるので反対らしい。

焦った安倍総理は経済界に賃上げを要請したが、経営者は「今は賃上げより、雇用の確保だ」という。失業率も3.9%と改善していると安倍総理は吹聴するが、正規社員ではなく非正規社員の割合が上がっているようだ。

今回の「デフレ状況ではなくなりつつある」も消費税増税への環境作りであるとしたら、あまりにもお粗末な政府ではないか。

アベノミクスの化けの皮がもうすぐ見えてくる。経済(景気)を肌で感じる力は私たちの方が格段上だ。

安倍政権が国民の支持から遠ざからないためにも、国民感覚の経済判断をすべきではなかろうか。


0 件のコメント: