最近の安倍政権の人事に異常さを感じないか。集団的自衛権行使容認のために法制局長官の更迭、大胆な金融緩和、インフレターゲット導入に向けた日銀総裁更迭など目的達成に向けなりふり構わぬ安倍総理のやりたい放題ではないか。
勿論、政治主導には賛成であるが、目立つ強引さに何故か危うさを感じる。
その点、20日の山本前法制局長官の最高裁判事への就任会見は、テレビのニュース、翌日のメデイアの報道を見ていてあっぱれだった。
あるメデイアは、山本最高裁新判事が集団的自衛権行使に「待ったをかけた」と報じた。ある意味で安倍政権への更迭人事の意趣返しと見ることも出来るが、そういう目で見てはいけない。
集団的自衛権は、国際法上は認められているが、我が国は憲法第9条で行使を保留していると思っていた。
それはそうなのだが、新聞報道を読み返してみると山本最高裁新判事の考えは真っ当なのだ。
自衛権の解釈は、我が国への武力攻撃に対し、他に手段がない限り必要最小限度で反撃し、実力装備を持つことが許されると言い、集団的自衛権は他国が攻撃されたとき、日本が攻撃されていないのに共に戦うことが正当化される権利で、行使は難しいと言う(朝日新聞2013.8.21)。
そして、憲法の条文が変わっていないのに解釈の変更で対応するのは難しく、憲法改正が一番クリアーカットな解決であると言い、それをするかどうかは国会、国民の判断だという(同上)。
しかし、最近国際情勢は緊迫化し、日本をめぐる安全保障関係も環境が変わってきたから内閣がある程度決断し、法制局長官が助言を行うことは十分にあり得ることだと思うと言う(同上)。
憲法改正まで持って行くのは直ぐに出来ないので、解釈を見直しで対応しようとする安倍政権、「憲法の下で行使することも可能」とする小松新法制局長官を支持するかどうかも国会と国民の判断なのだ。
外交に力を入れようとする安倍総理にとっては、集団的自衛権行使はどうしても必要になるだろうが、国民生活にとっては従来の法制局長官の見解で十分で、そこに考えの乖離がある。
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