2013年8月31日土曜日

8月30日17時32分、和歌山県南方沖地震M4.4,震度4:東南海、南海地震の縄張り域

読売新聞2013.8.31
8月30日17時32分頃和歌山県南方沖地震が発生、M4.4,和歌山県太地町で震度4,新宮市、那智勝浦で震度3,田辺市で震度2,海南市で震度1,奈良県、徳島県でも震度1を記録した。

30日の福島県会津のM4,震度4はテレビの地震情報で知っていたが、和歌山県南方沖地震のことは知らなかった。31日の新聞で知り、気象庁の地震情報を開いてみた。それによると、17時32分頃発生し、震源地は和歌山県南方沖 北緯33.7度、東経136度で深さは約10kmM4.4だった。南方沖と言うから潮岬沖かと思ったら陸地に近い。

予め決められた震源域で表示されるので陸地でも沖合でも含まれるのだ。南海トラフ巨大地震の事もあるので注目した。
30日17時32分 和歌山県南方沖地震
気象庁 地震情報

この付近は、南海、東南海地震の縄張り域で、日本気象協会tenki.jpで和歌山県南方沖地震を震源とする地震情報をみると、この5年間で11件発生し、そのうち10件(2008~2012年)は南海地震震源域、今回の1件が東南海地震の震源域だ。

潮岬を境に今までは西側で発生していたが、8月30日は東側で発生した。今は南海トラフ巨大地震として東海、東南海、南海地震の3連動での発生が危惧されているが単独であればこの辺が縄張りの境界なのだ。


和歌山県南方沖地震はこの5年間で
11回発生し、2012年までの10件
は西側、南海地震の震源域だったが、
今回の地震は東側、東南海地震の
震源域だ。
このあたりは南海地震と東南海地震の
境界付近なのだ。
震源断層モデルや海底地形の研究から、ここでの巨大地震は、土佐沖、紀伊水道沖、熊野灘、遠州灘、東海と言う縄張りを持っており、土佐沖、紀伊水道沖領域は南海地震、熊野灘、遠州灘領域は東海地震として強震動、津波、隆起沈降でそれぞれ特徴があるらしい(大地動乱の時代 石橋薯、岩波新書2003,12)。

東大地震研の瀬野教授は、この辺で発生した12個の巨大地震から宝永地震、安政南海地震、安政東海地震、昭和南海地震、昭和東南海地震の5つの地震の震度分布などを検証した結果、安政型地震と宝永型地震に2分類した。その結果、次に起きる南海トラフ巨大地震はM8.8,発生は200年先という報文を発表した(地震 第2輯 第64巻第2号 南海トラフ巨大地震 瀬野)。

これらの地震が、南海地震、東南海地震、あるいは南海トラフ巨大地震の発生にどう関係するか分からないが、注目すべき震源域なのだ。


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