2017年8月31日木曜日

民進党代表選、保守の前原さんか、リベラルの枝野さんか

迫る民進党代表選の行方は? 保守の前原さんかリベラルの枝野さんか。下馬評では前原優勢を伝えるが、専門家はどちらがなっても代わり映えしない。ゴタゴタが続くのではないかという。それだけ今の民進党は問題を抱えているのだ。

前原さんと枝野さんの違いは、共産など野党との共闘がある。前原さんは否定するが枝野さんは賛成だ。これには選挙区事情もある。

前原さんは京都選挙区で何時も共産党と闘って議席を守っている。京都は共産党の強いところだ。学生時代に過ごしたので分かる。蜷川虎三さんは唯一の革新系知事だったし、府議、市議で共産党議員が多かった。今もそうだろうが、前原さんが共産との共闘を言うと自らの選挙区事情と異なってくるのだ。

一方の枝野さんは共産など野党との共闘には賛成だろう。

でも前原さんは民進党を軸とした野党再編を言うが、枝野さんは民進党自体の再生を謳う。多くの識者、私も古くから民主党は解党して出直す必要があるのではないかと言っていたが、前原さんの野党再編は「解党的出直し」をすると言うことか。

どっち道、必要な時は来るのではないか。

憲法改正の考え方も違っていたが、前原さんは改正を封印したという。安倍政権にまだ元気があれば憲法9条改正を進めるだろうが、その時民進党は反対と言うことか。安倍総理に民進党の弱点として突っ込まれる危険がないか。

原発再稼働、原発ゼロも意見がわれるのではないか。

それにしても代わり映えしない民進党の顔だ。民主党政権では菅政権の時外相だった前原さんに政治資金問題が発生した。前原さんはサッサと辞任したが、泥船から逃げたと顰蹙を買った。

枝野さんは官房長官として福島第一原発の事故の対応の先頭に立ったが、避難では批判もあった。データを隠しているのではないかと追求もされた。
菅政権も当初期待されたが、何しろ未曾有の巨大地震、巨大津波、あってはならない原子炉溶融、放射能汚染事故は不幸な出来事だった。自ら現地視察、東電福島第一原発への乗り込みは顰蹙を買ったが、一国の責任者としては現地の様子、東電の様子を確認したい気持ちは十分に理解出来ることだった。

代表選で誰が決まろうと次の困難が待っている。幹事長人事だ。

代表戦で敗れた人、支持してくれた国会議員のグループのリーダー、あるいはサプライズ人事などどうなるのか。民主党時代幹事長人事で失敗した政権もあったはずだ。

早く体制を固めないと3つの補選、安倍総理だから民進党を叩くために総選挙に打って出るかも知れない。最大支持団体の連合も最初は共産との共闘に反対していたが、今は見守ると言い出した。


支持団体に拘らず政党の旗印をしっかりすべきではないか。

道が開けない北朝鮮問題:安保理の無能と米vs中露の構図か

北のミサイル発射、核開発、世界の批判、各種制裁を浴びても北の牽制、挑発行為は止まず道が開けないのは国連安保理の無能と従来からの米vs中露の構図が影響している。

一時「様子見」となったと思ったら米韓合同軍事演習を批判し今度は火星2号をグアムではなく、日本の上空を越えて太平洋に落とす日本にとっては重大きわまりない行為に出た。

「グアムへの前奏曲」というから迷惑な話だ。米国への刺激を避け同盟国の日本を相手にしてのことか。

今回の安保理事会が議長声明を出し「常軌を逸した行為」と批判するが、日米と中ロとの温度差があるようだ。中露は「合同演習の一時中止」を訴える。

日本が求める追加制裁決議も何処吹く風で北は挑発行為を止めない。安倍総理も出来ることはトランプ大統領との電話会談する事ぐらいだ。

そんな事は十分に承知で挑発行為を繰り返す北だ。北は中国、ロシアにとっては独自の存在価値があるのだ。金王朝の崩壊、混乱は歓迎できないのだ。北朝鮮国内は疲弊しているとは言え、近隣国にとっては安定しているのだ。

北朝鮮は核・ミサイル保有国、金体制の維持をアメリカに要求しているのだろうが、米国は米朝2国間交渉ではなく6ヶ国協議の姿勢には変わりない。

世界各所で起こっている紛争は国連安保理の無能、米vs中露の構図が災いしているのだ。これでは世界の安全など保証出来るはずがない。


2017年8月30日水曜日

北ミサイル発射、Jアラート(2):発射から通過まで9~10分で何が出来るか

北ミサイル発射で910分で日本上空を通過する。「発射された」「通過した」の警報では何をすれば良いのか。又、何が出来るのか。29日早朝出張に出かけた家内から電話があり「ミサイル発射でダイヤが乱れているとアナウンスがあった」と言う。

訓練の映像を見ると、頭を抱えて木陰に身を寄せたり、頑丈そうな建物の中で窓際を離れて頭を抱えてしゃがみ込む。戸外で走っても物陰に入れないときはどうするのか。地面に頭を抱えて這いつくばるのだそうだ。

1番良いのは頑丈そうな建物の中に入ることだろうがシリアなどの内戦の映像を見ると何が役立つか分からない。

血が出てほこりっぽい子どもを抱えて走り回る父親、路上に横たわる犠牲者の姿、わめく老女の姿を見ると他人事ではなくなってきた。

地下にシェルターを建設する話が進んでいるとも言う。そういう時代になってきたのだ。

安倍総理は発射から完全に把握されていたという。ニュースによると昨日から発射の可能性がアメリカから伝わっていたのだ。

巨額の軍備をしながら何故、迎撃できないのか。実際に迎撃すれば世界中から批難の声も上がることを心配しているのか。だとすればシミュレーションしたらどうか。


「制裁を強化する」と言ってもビクともしない北朝鮮には困った者だ。

2017年8月29日火曜日

北ミサイル発射、Jアラート(1):「通過しました」ではなく「通過します」でないと役立たず

29日の発射は5時58分発射、6時07分日本上空通過、6時12分太平洋上に落下の航跡だが、安倍総理は「発射から完全に把握していた」と言うがでは何故、Jアラートは「通過しました」なのか。「通過します」でないと対応出来ないはずだ。

おまけに日本海上空で3つに分離したと言う事は失敗したのか、あるいは3箇所を同時に攻撃する新たなミサイルなのか。


日本政府は、迎撃もしないで後手後手の対応に誰も怒らないのか。何も出来ないで軍備だけは増強する安部政権なのだ。

29日5時58分、北ミサイル発射、襟裳岬上空を通過太平洋上へ

5時58分、北が又ミサイルを発射、今度は日本の襟裳岬上空を通過、1180kmの太平洋上に落下か(?)。深刻かつ重大な事故は発生していないが上空通過という危険な行為を北はやってのけた。

米韓合同演習を牽制しての弾道ミサイル発射だろうが、26日の3発のミサイル発射が失敗したと言う事で、成功させるための今回の無警告発射に到ったのではないか。

子供じみた北の挑戦に辟易するが、「何時も騒いでいないと世界から忘れられる哀れな小国なのだ」。

上空を通過したのだから間違って領土内に落ちたり、漁船が操業中の海域に落ちれば甚大な事故に発展するが、何時も政府のやることはおなじだ。

総理は情報収集と分析をし、国民に情報提供するようにと言う。今回も発射直後から把握しており万全の体制を執っているという。地域の平和と安全を著しく損なう。断固たる抗議を行い、安保理会合を要求、強固な日米同盟のもと国民の安全と安心を守ると言う。

発射直後から把握していたと言うが本当かどうかは分からない。でも、日本の領土に落ちる恐れもあったのだから何故、迎撃しなかったのか。専門家は探知していれば迎撃は可能という。

北は日本や米国、韓国の報復を甘く見て「これでもか、これでもか」とレッドラインに近づこうとしている。

この辺で一発迎撃しなければエスカレートするばかりだ。恐らく安倍総理は日本が単独で迎撃することなど考えていないのだ。常に米国との共同作戦に出るのだろう。高度な兵器を整備しても北の暴挙を威嚇する効果はない。

言われている直接のグアム攻撃ではなく、同盟国日本に警告を発したことになるのか。トランプ大統領頼みになるのだろう。

関連記事
2017.8.26掲載
26日、北がミサイル発射:「自制などしていない」、何時も騒いでいるのだ
yamotojapan.blogspot.jp/2017/08/26.html


2017年8月28日月曜日

イオンなど流通業界の値下げ競争:これも反アベノミクスの動きか

どうしたのだ。流通業界の値下げ競争が激しさを増す。これもアベノミクス、日銀の2%物価目標に反対する動きか。4月にイオンの岡田会長が「脱デフレ派大いなるイリューション」といって、値下げの発表をした。消費者はまだ安値思考なのだ。

最近の新聞ニュースでイオンはプライベートブランド114品目について10%の値下げ、イケヤは886品目で平均22%の値下げ、ドンキホーテとニトリ、アメリカンイーグル(青山商事)も10~25%の値下げを発表した。

日常よく使う商品の値下げは助かる。コンビニも値下げを宣言している。

日銀は2%物価目標に拘り、安部政権は物価上昇→景気回復を目指すが消費者は逆に安値思考、それに気づいて流通業界は値下げ競争に踏み切った。

販売方式もドンキホーテの方法を見習うための提携をしている。

過酷な競争を勝ち抜くための顧客の獲得競争だろうが、値下げして誰が損をするのか。何時も泣くのは生産者だが、経済構造の裾野を虐めていてはダメだ。

巨大資本の流通業が儲けを減らし消費者に還元することでないといけない。家計収入の増えない消費者にとっては有り難い動きだ。

関連記事
2017.4.29掲載

よく言った、イオン岡田社長「脱デフレは大いなるイリュージョン」と

茨城県知事選で自民・大井川氏当選:本当に自民が勝ったと言えるのか

茨城県知事選は実質自民の大井川さんと現職・橋本さんの戦いで大井川さんが勝ったが、本当に自民が勝ったと言えるのか。都議会議員選挙以来自民の不利が伝えられ、今回の茨城県知事選も自民vs反自民の構図で考えていた。27日の夜のニュースでは出口調査で五分五分の戦いで橋本さんが少し不利だった。

今朝の新聞で、大井川さん497361票、橋本さん427743票、鶴田さん122013票、7万票差で自公公認の大井川さんが競り勝った。

でも、本当に自民党が勝ったのか。

現職・橋本さんは7期目を目指す多選候補だった。多選に対する反対はどの自治体でも見られる現象でもともと不利ではなかったか。もし自らの県政を評価するのであれば後継者を立たせるべきだった。

一方の大井川さんは若いし、10年先の茨城県を描いていた。

又、自民党は相変わらず公明党に助けられた感じだが、本当に公明党の支援がなければ勝敗は分からなかったのか。恐らく公明党自身が候補者を出していても負けたはずだ。

自民vs反自民を考えるのであれば反自民での共闘は出来なかったのか。何時も思うのだが共産党が反自民に協力していれば自民は負けていたことになる。今回もそうだ。

そして、原発を抱える県にあって再稼働賛成、反対を明確に出来なかったのか。橋本さんは終盤で再稼働反対を訴えて保守系が驚いたと言う。大井川さんはどういう態度だったか知らないが、憲法65条「地方自治」で「立地県特有な政策は住民投票で過半数を得ること」と規定されている。

今回、両候補が賛成、反対を明確にして闘えば住民投票の結果が出ていたのではないか。


投票率が前回の32%から44%に上がっていた。政府自民党は国政選挙並みの体制で闘ったために県民の関心を引いたのだろうが、これでは自民党が勝ったとは言いがたい。

2017年8月27日日曜日

「日本の明日を創る会」設立:広がって欲しい「反安倍パターン」になるか

「日本の明日を創る会」設立が「反安倍」パターンの広がりに役立って欲しいと思う。それが日本の民主政治を守ることになるのだ。平沢勝栄さんら約30人が今の安部政権に反旗を翻したことになるが東京都議選の惨敗から次の総選挙に危機感を持ったのだ。

67回と当選しても大臣になれない入閣待機組だったが、今回の改造でも入閣は果たせなかったことを理由に挙げる専門家もいるが、それも一理あるだろう。しかし、これまで待っても入閣出来ないのは「政治とカネ」「女」などスキャンダルがあるからではないか。

この前も約50人の議員が「反アベノミクス」勉強会に参集した。石破さんや野田さんも参加したが、野田さんは入閣した。反安倍と言われていたのでサプライズ人事になり少しは支持率に貢献しただろう。

石破さんは次期総裁選を目指し地方組織を作ったと新聞は報道している。安倍総理から禅譲を狙う岸田さんが一歩優位とみていたが、入閣した野田さん、河野さんまで総裁選出馬を匂わすことになった。

安部一強政治と言われて居たついこの前までは考えられない事態になっている。

支持率は少しは回復したと言っても不支持率が支持率を上回っている事態に変わりはない。

今後、青森など3つの補選が安部政権を占う選挙になるが、3つ共に自民の議席だったので1つでも落とせば負けになる。野党が共闘できるかも試されるが、自民党は地方組織がしっかりしている。候補者次第ではないか。

それにしても下野から政権に復帰した後の安部政権は強権、傲慢な政権運営だった。アベノミクスで円安、株高に転換、一挙に国民の支持を得て長期政権への道を歩み出したかに見えたが、「我が儘な政権運営」は段々ボロを出し都議選では歴史的敗北を期した。

負けてみてはじめて反省の声が上がった。

小泉進次郎さんは「下野した時のことを忘れるな」と言うし、安倍総理は「政権交代時の気持ちを忘れるな」という意味のことを言っていた。その後、低姿勢を示したが気持ちと政局運営はチグハグさを見せ国民は見逃さなかった。


専門家が言うように「この難局を切り抜けるのは容易ではない」と言うことだ。

何故、日銀は2%物価上昇に拘る、欧米中銀に後れをとるか

日銀は2%物価上昇に拘り、欧米中銀に後れを取っている。欧米の中銀が緩和縮小、利上げを狙っている金融政策で、日銀だけが量的緩和継続、物価上昇2%を目指すが脱デフレを含め安倍政権のアベノミクスに気を遣っているのか。安倍総理は国会審議で野党の質問に「2%物価目標も達成していない」と早期の出口戦略に異を唱えた。

脱デフレ宣言は、民主党政権を含め今までどの政権でも目指したが、どの政権も達成出来ていない。年2%の物価上昇目標に届いていないことは「更に金融緩和が必要」という。

政府、日銀は物価上昇を狙って異次元の量的緩和を実施しているが、物価が上がれば景気は上向くのか。本来は景気が上向くと物価が上がる。金融政策が正常化していれば中央銀行は金利を操作し物価の安定をはかる。これが本来の金融政策ではないのか。

リーマンショック後の金融危機で緩和策をとり一時成果は出たが、今、欧州の中央銀行は緩和縮小、出口戦略を目前にしている。米国FRBは金融政策の正常化に向け、利上げのタイミングを計っている。

にもかかわらず、日銀だけは緩和一本槍、政策はマイナス金利を取っているが、80兆円の国債購入は実際には60兆円に縮小しているようだ。2%物価目標達成も6回目の先送りで2019年度になった。

今、日銀の政策委員は全員リフレ派だ。黒田さん寄りだが、黒田さんも来年任期が切れる。その後誰が総裁になるか、黒田さん続投かによって安倍政権の方針が見えてくる。求心力を失い欠けている安倍総理が強引なことが出来るか。

黒田総裁も何時までも異次元の金融緩和策を執ることがいいとは思っていない。確か、度あるごとに政府の規制改革、構造改革の必要性を訴えていた。日銀の政策を正常化しようとしてもアベノミクスを掲げる安倍政権では無理な話だ。

新聞報道によると、米国でのシンポジウムでECBドラギ総裁も「政治家は構造改革、税制改革をせずに中銀を見続けている」とぼやいていたそうだ。

金利を操作することにより物価を調整できる金融政策の正常化が何時やってくるのか。

長期金利0%、7月の物価上昇は前年比1%にも届いていないが、日銀の仕事が物価の安定を考えると、今そうなのではないか。

世界経済が安定しないうちは強い金融システムの構築など期待出来ないが、日銀がこのまま緩和策を継続すれば金融市場の混乱、日銀の経営難など金融システムの崩壊を招く危険がある。


安倍政権はメンツに拘らず現状を正視する必要はないか。こんな所にも「安倍総理が信用できない」要因があるのでは。

2017年8月26日土曜日

26日も北がミサイル発射:「自制などしていない」、何時も騒いでいるのだ

8月26日 7時過ぎ北朝鮮のミサイル発射を伝える
テレビニュース
またまた世界の予想通り26日、北がミサイルを発射した。アメリカが「自制しているのか」と思ったが「自制などしていなかった」とコメントを替えた。政の度にミサイルを発射して騒ぐのは北の常套手段で、金正日・元委員長時代から変わらないのだ。

649分頃北は3発のミサイルを日本海に向けて発射したというニュースが流れた。やっぱり一触即発の前に「自制」などしていなかったのだ。その後のニュースで2発は飛行中に失敗、1発は発射直後に失敗したという。新しい短距離弾道弾と専門家は見ているようだ。

官房長官は「日本に危険がなかった」ために特に抗議などはしていないと言う。250kmの飛行では失敗もあり危険はなかったのだろう。しかし失敗するから危険も大きいのだ。


「北朝鮮のような小さな国は騒いでいないと世界から忘れられる」と金正日・元委員長は言ったことがあるが迷惑な話だが、メデイアも騒ぎすぎていないか。それが金正恩委員長の思うつぼではないのか。

今日の新聞を読んで(101):原子力規制委員会は役目を果たしているか

原子力規制委員会は本当に役目を果たしているのか。来月退任する田中委員長のインタビュー記事を読んで「政治的圧力」にも屈せず役目を果たしていると言う。福島第一原発事故の原因調査も不十分まま新しい規制基準で再稼働の合否を決めている不安もある。

5年前に何の集会だったか忘れたが、日比谷公会堂での集会を取材するために日比谷公園を歩いていたら「田中委員長は原子力村の人間」という規制委員会委員長には不適な人事を糾弾する立て看板が出ていたのを覚えている。

田中委員長は「政治圧力はあった」と認めている。

確かにそうだろう。原発一基を稼働させることにより電力会社の経営改善に大きく貢献するのだ。自民党の族議員、電力会社出身の労組系議員が圧力をかけるのは分かる。でも田中委員長は毅然たる態度で臨んだようだ。

規制委員会を公開で開催したのもその1つだろう。

地震学者の島崎副委員長が地震対策、津波対策、活断層かどうかで電力会社と対立していたこともあった。その島崎さんが辞任した。地震、津波対策がおろそかになるのではないかと心配になる。

それでも新しい規制基準に適合したのは6原発12基、再稼働は3原発5基だ。その中には中央構造線上にあったり、海に囲まれ万一の時の退避路が確保出来ない立地にあったり、若狭湾の原発銀座で万一事故でも起きれば放射能拡散は琵琶湖の水も汚染し飲料水に頼っている関西圏は危機的状況に陥る恐れもある。

又、再稼働には立地自治体の同意が必要だが、「安全かどうか」と言う問題の他に地域の経済活性化も重要な課題になって、賛否両論だ。

思い出すのは憲法96条「地方自治」だ。その地域に特有の政策課題は地域住民の過半数の同意が必要と謳っている。


地方自治のあり方を問う原発立地なのだ。

2017年8月25日金曜日

民進党代表選(2):尾を引く民主党政権時の失敗

大風呂敷で信用を失った民主党マニフェスト
政権交代の可能性を求めて民進党を論じる時、どうしても尾を引くのが民主党政権時の失敗だ。メデイアの世論調査でも自民党支持理由に「他の政権よりマシ」というのがある。設問は民主党政権との比較を言っているのだろう。今日の新聞にも民進党代表候補者の「反省」が出ている。

前原さんは寄り合い世帯のガバナンスの欠如をいう。今の離党者を含めた「バラバラ感」は保守vsリベラルの構図だが、当時もバラバラ感はあったが当時は小沢さんという権力者による権力の二重構造が問題になった。

鳩山政権時、党幹事長だった小沢さんが煮え切らない鳩山政権に「これが民意だ」と官邸に切り込んだときがある。メデイアは大々的に報じた。一挙に政権の信頼は失われた。同時に小沢さんの「政治とカネ」の問題がでて2人揃って表舞台から去ることになった。

菅政権になって、「小沢さんにはしばらく黙っていて欲しい」と記者会見で発言し支持率が上がったほどだ。

大風呂敷のマニフェストは良くなかった。財源が見当たらないのに人気取りで掲げてしまった。当初から政策を作成していた者にとっては財源に心配があったが、小沢さんは「何とかなるものだ」と強行したらしい。私も200兆円の一般会計、特別会計では10%位無駄遣いしているのではないかと思っていたが、実際にはそうではなかったようだ。

事業仕分けで蓮舫さんが名を上げたが、仕分けで「廃止」の判断が示されてもその後の「政治復活」があり、仕分けの意味がなくなった。私も事業仕分けを聞きに行ったが、官僚の苦し紛れの説明には笑ったものだ。

マニフェストも新しい政策に苦心していた。突如、高速道路無料化が出て来た。当時ドイツのアウトバーンを習って高速道路を無料化できるという本を書いた人がいた。その人の説を政策に採用したのだ。

私も片道7000円かかる高速道料金を1000円で利用したことがある。当時は高速道、SAが賑わった。旅行ではなく、遊びに来ていたのだ。デモこの政策も廃止になり元の料金に戻った。
新しい政策のために目新しい政策を掲げる人の説を重宝したのだが、長続きしなかった。

しかし高校教育の無償化などは民主党政権で提言されたものだ。

政策の混乱は鳩山政権での沖縄の基地移転問題だ。沖縄以外での可能性もあるのか思っていたが、「勉強すればするほど沖縄」と言うことになり沖縄県人の失望を買うと同時に信頼を失っていった。

それ以後、「解散は何時か」が政局を語るようになったが、菅政権の時の3.11東日本大震災、福島第一原発事故の発生は菅総理にとっては不幸だった。「まず現場を」という菅総理の現場視察が対応の遅れを招いたのではないかと批判されだした。

放射能飛散による避難指示もかえって被爆するコースを指示したのではないかと物議を醸した。データの公開が遅れたのだ。その時、陣頭指揮に立ったのが当時の枝野官房長官だ。

菅総理は国上げての対応が必要と考えて自民党総裁の谷垣さんに副総理格での震災対応担当で入閣を打診したが、自民党は民主党政権に利用されるだけと拒否した。

こんなことでは国家一大事の時に何も出来ない。自民党は緊急事態措置法などを言っているが、このことを忘れたのか。

菅総理は「何時解散するのか」と問われる度に、新しい政策を出して達成出来たときと解散総選挙を先延ばしする作戦に出て顰蹙を買った。

その後、たらい回し政権で野田政権が出来た。

野田総理は「前に進める政治」を標榜し政治改革など果敢に政策実現に打って出たが、民主党政権は弱体化、それに消費税増税を掲げた人気を落としていった。

そして、安倍自民党総裁との党首討論で「約束出来れば明後日解散します」と発言し総選挙へと移っていった。野田総理は「政治を前に進めるか、後戻りさせるか」と国民に迫ったが、信頼を落とした民主党に勝ち目はなかった。


勢いに乗った自民党は小選挙区制度の影響もあり圧倒的多数の議席を占めることになった。

今日の新聞を読んで(100):東海・南海トラフの地震予知はやっぱり無理なのか

読売新聞 2017.8.26
東海・南海トラフ巨大地震の予知はやっぱり難しいのか。「地震予知」を前提とした大規模地震対策特別措置法(1978年)が見直されるという。東海地震予知を前提に対応していたが確度の高い予知は困難ということになり再検討されれば当然に防災対応も見直されることになる。

確かに地震学会でも「地震予知は無理」という意見が出ていた。地震のメカニズムも分かっていないのに予知が出来るはずがないと言う考えだ。それに対して「予知は無理」と言ってしまえば今までの地震研究はダメになるから今後も継続すべきではないかと言う意見もあった。

どちらの意見が正しいか分からないが、地震学者以外の異分野の研究で予知をしようという動きはある。

古くはFM電波異常、大気中のイオン濃度の変化、ラドン濃度などで予知をやり「当たった」という意見もあったが、それぞれの研究者が異常を感知し警告するが外れるケースが多く、いつの間にか名前を聞かなくなった。

一方で、測量学の村井先生はGPS測定、早川先生は電波異常観測で週刊誌に注目されている。定期的に警報を発しているが全国的な観測結果だ。「何処で、いつ頃、規模は」など具体的な警告もあるが信憑性は分からないが、「当たった。当たった」と週刊誌は言う。

でも、地震学ではそういった異分野の研究は問題外なのだろう。

地震学者は地震のメカニズムに注目する。3.11東北地方太平洋沖地震の直前に北からスロースリップが起こり、止まったところが巨大地震の発生場所だったことからスロースリップが注目されている。

最近では古文書を読み解いたり地質調査での地震考古学、南海トラフ関連で巨大地震発生周期の見直しなどで南海地震の発生時期を予測し直す報告がある。

それによると次の南海地震は200年先、あるいは2030年代中頃という。注目された東海地震も何時おきても不思議ではないのだが、発生していない。この震源域の真ん中には中部電力の浜岡原発がある。
東北地方太平洋沖地震で当時の民主党・菅総理が中部電力に稼働停止を進言した。一悶着起きたが中部電力は停止を受け入れた。東海地震が起きれば甚大な被害を及ぼすことは分かっているので賢明(?)な措置だったのだろうが、今、再稼働を目指しているという。

南海トラフ関連の地震は注目だ。東海地震、東南海地震、南海地震の3連動、あるいは日向灘地震を入れると4連動になり巨大な地震発生になる。ところが1498年の日向灘地震は古文書などの研究の結果、発生根拠が乏しいことになった。

南海トラフ関連の巨大地震発生を事前キャッチする目的で、トラフに観測機器を設置する研究が進んでいる。地殻、海溝の動きには注目だ。

実際に地震が発生した直前の地殻異常は、確か関東大震災発生直前に震源域付近で測量をやっていたグループがいて、はっきり地殻に変化があったことを掴んでいた。

そして先にも言ったが、東方地方太平洋沖地震では、北からのスロースリップが泊まったところが巨大地震の起点になったことぐらいだろう。

地震予知は地震学者だけでなく、異分野の研究もはねのけず真摯に検証する価値があるのではないか。特にGPS測定は期待出来ると思うのだが。村井先生の研究では全国至る所で地殻の異常が観測され「何時、何処で、規模は」とまでは言い切れていないのだが、警告の価値はある。


地震関連の研究は生かしてはじめて価値がある。

2017年8月24日木曜日

似たもの同士の安倍、トランプ:日米共に問われるトップの資質問題か

日米トップの安倍総理、トランプ大統領だが似たもの同士で共に資質が問われている。対北で一触即発の危機にあたり世界の注目を浴びたが、北の金正恩委員長は「見守る」と言えばトランプ大統領は「何かポジテイブなことが」と期待を持たせる。

北のミサイル攻撃はアメリカを標的にしていると言うが、日本も標的同然だ。グアムを狙うと言うが間違えれば日本に落ちることもある。安倍総理もトランプ大統領頼みだ。

そんな中で、トランプ政権の右往左往が目立つ。重要補佐官、報道官などの辞任、解任が続き今、バノン大統領上級顧問まで更迭され、選挙公約の立役者の更迭は今後のトランプ政権にどんな影響を及ぼすのか。

更には、南部バージニア州の衝突事件は人種差別問題まで引き起こし反発の声が広がっている。共和党や経済界がトランプ大統領に背を向けるようになってきた感じだ。

選挙戦当時から囁かれていた「大統領としての資質」が最大の懸念材料に上がってきた。

一方国内の安倍総理はどうか。夏休みを取っていると言うが恒例(?)の加計さんなどとのゴルフはニュースになっていない。

その加計学園の今治市での新獣医学部建設計画は、だんだん森友学園疑惑の交付金、補助金がらみに関連する詐欺罪と同じ状況になってきた。メデイアの報道は厳しさを増してきた。学校を運営する法人は何処も同じ事をやっているのか。

こう言う状況だから臨時国会を早く開くべきだが、何故か9月末になるらしい。安倍政権は逃げているとしか考えられない。

急落した内閣支持率も河野さん、野田さんの入閣で少しは挽回したが不支持が支持を上回っている状況に変わりはない。またまた重要閣僚に違法行為の疑いがのし上がってきた。
支持率下落の要因は「安倍総理が信用できない」という総理自身の資質に関することだ。容易に払拭は出来ないだろう。

得意とする外交にも問題が出て来た。北方4島返還に意欲を見せ、取り敢えずロシアが要求する経済開発の協力を先行するらしかったが、その目論みが崩れそうなニュースが流れた。

国内外の情勢がうまく行かない状況下に安倍政権はある。G7で主導権を発揮したい安倍総理だろうが、世界の指導者が本気で相手にしてくれるか。


日米共にトップの資質が問われているのだ。

今日の新聞を読んで(99):仙谷元官房長官曰く「解党的出直し やってみたら」と

民主党政権時、官房長官をやった仙谷さんが、「民進党にエネルギーがあるなら解党的出直しをやってみたら」と朝日新聞(2017.8.24)で提言した。自らの社会党離党の経験も言っている。

当時の社会党は解党的出直しが必要と言われていたが、仙谷さんも「存在自体が有害無益な党」とみて離党したのだそうだ。

仙谷さんと言えば、菅政権の時官房長官をやり、国会審議で予算委員長が「仙谷総理大臣」と呼びかけた程権勢を振るった。自衛隊のことを「暴力装置」と時代錯誤の発言をして顰蹙を買ったこともあるリベラル派(?)議員だったか。

その離党にしても民主党という受け皿があってのことで、受け皿がなければ泥船から身を投げた自殺行為だ。

今の民進党も保守、リベラルに別れ統一の取れない政党になり、身の置き場もなくなった議員の離党が相次いでいる。

解党せずに出直すとすれば仙谷さんは党のガバナンスが必要と言う。それにはネットワークを作り有識者とつながらなければならないというのだ。そういった人たちの知恵や技を盗む発想が必要と言う。

民主党の時は著名な大学教授などがメデイアで民主党政権を擁護する発言が目立ったが、今の民進党で擁護してくれるが学識者がいるのか。最大支持団体の連合だって民進党の民共共闘に反対している。

仙谷さんは民主党政権時の政策は実践的、実務的で安倍総理が今やっていることとほとんど同じだと述懐する。確かにそれは言えることだ。政策の名称は違っても中身は同じなのだ。

菅、野田政権の時、口を開ければ「何時、解散か」と問われていた。菅総理は、解散がいやで、次次に新しい政策を打ち出し、実現したところで解散すると先延ばし戦術に出た。

野田総理は、なかなか進まない政治を「前に進める」と果敢に挑戦していたことは思い出す。

最後の野田総理と自民党安倍総裁との党首討論でも安倍総裁が「何時、解散か」と問うたのに対して「賛成してくれれば明後日解散します」と改革案を提示して安倍総裁に迫った。

安倍総裁は腰を抜かさんばかりに驚いたが、改革案に賛成し解散総選挙になり、自民党は圧倒的多数で政権に返り咲いたが、その時の約束は守っていない。

消費税増税は菅政権、野田政権でも重要政策だった。その背景には両者ともに財務大臣を経験に財務省の意向を十分に理解していたが、安倍総理は財務大臣の経験が無かった事が、消費税増税の先送りになっているのではないか。

財務省より経済産業省寄りの政策運営だ。

又、自民党の圧倒的多数の議席確保にも小選挙区制度のマジックで決して自民党が盤席石ではないという。

確かにそれは言える。自民党、野党の獲得票数を見ても五分五分で、自民党が圧倒的多数の議席を占めること自体が異常なのだ。公明党との関係も問題視する。公明党との協調がなかったら勝てない構造なのだ。

最後に野党共闘をどう見ているかだ。

仙谷さんは、野党連合政権ではダメという。民進党を軸とした政権であって共産党との連合政権はダメらしい。

なかなか「解党的出直し」は難しい。民進党を解散しガラガラポンでこの指止まれという政策グループが出来るのか。保守vsリベラルではなく、リベラル系保守が望まれているのか。

2017年8月22日火曜日

民進党代表選告知:前原、枝野陣営に際立つ違い、共通政策はないのか

民進党代表選が告知され、予想通り前原さん、枝野さんの激突で両陣営共に際立つ違いを強調するが、共通政策はないのか。ないとすると今後も分裂極みの党運営が続くのではないか。

保守系vsリベラル系、民進党を軸に野党再編vs民進党再建と基軸になる考えが大違いである。

前原さん支持は保守系6グループ、枝野さん支持はリベラル系1グループと代表経験者からなる。国会議員では前原さん有利だ。

両陣営共に違いを出すために際立つ政策の違いがある。

野党共闘、消費税増税、憲法改正、脱原発で違いが目立つが主要政策での違いは今後の民進党をまとめていく障害になる。寧ろ共通政策はないのか。


相次ぐオスプレイ、イージス艦事故:これで日本の防衛を米軍に頼れるのか

又、シンガポールでイージス艦が衝突事故に遭った。相次ぐイージス艦事故、オスプレイの事故を見るに、これで日本の防衛を米軍に頼ることが出来るのか。

このイージス艦は横須賀を基地とする第七艦隊所属だが、別のイージス艦が先の伊豆半島沖でもタンカーに衝突する事故を起こし死者まで出ている。両方とも監視業務不足で警戒を怠っていたらしい。

オスプレイも日本では機体不調で帰還途中に海に不時着する事故や着艦訓練(?)で失敗し海に落ちる事故(?)などが目新しく、原因が分かるまで飛行自粛を沖縄県が要求していた。

オスプレイは日本に配備されるまでは「未亡人製造機」と言われていたらしい。その評判通りの機種だ。

米軍の最新鋭のイージス艦、オスプレイがこんな調子では日本の防衛にも影響が出る。

日本にはイージス艦が4隻あるがドック入りを含めると日本海、朝鮮半島沖の警戒が手薄になり、米側に肩代わりを依頼することもニュースになっていた。

オスプレイも青森での日米共同訓練に参加するかどうか注目していたが、政府は参加を認めた。確かにオスプレイ抜きの訓練などあり得ないのだ。

新聞によると、このイージス艦衝突を受け、米海軍は艦船全ての運用を一時停止し安全点検し再発防止を徹底するという。

沖縄でも従来、米軍機による事故が起きる度に安全点検すると言うが、口先ばかりのような感じだ。


装備は高精度になり操作する人材の育成は進んでも、航空機、艦船を操作する人間は代わり映えしないのか。多くは人災なのだろう。

小池東京都知事:自民で埋もれていたのに何故、国政を脅かす程に蘇ったか

小池都知事のニュースも段々減ってきたが、自民党で埋もれていた小池さんが何故、国政を脅かす程に蘇ったのか。舛添さんの都知事失格、石原都政以来の都議会での自民党の横暴が「東京大改革」「反自民」を謳い、「都民ファースト」を旗印に都知事選に打って出た。

小池さんは東京選挙区出身だから東京の窮状を鑑み誰か支持者が担ぎ出したのだろう。石原さんが知事2選目に出るとき「東京は病んでいる」とある団体が浅野元宮城県知事を担ぎ出したが、「東京のことは東京に任せろ」と石原陣営の攻撃に敗れてしまったが、その時から東京都政、議会は問題があったのだ。

唐突な出馬で「大丈夫か」と思ったほどだが舛添さんの政治とカネの問題、自民党都連への風当たりの強さは思った以上だった。

対抗馬の元岩手県知事(?)の増田さんは地味すぎたし、東京一極集中を批判し、「年寄りは地方へ」と言い出す始末で、都知事になって何をするつもりなのか。その点小池さんの訴えははっきりしていた。

片山元鳥取県知事が出馬するかと思っていたが、かしこくも名が上がらなかった。

圧倒的強さで都知事に当選したが、2020東京オリンピック、豊洲移転問題、都議会改革と都民、国民の目を引くテーマが盛りだくさんだった。小池さんはPTを設置し、それぞれの政策課題に挑戦した。しかし正式な組織でないところで政策が議論されることに批判もでた。当然の話だ。既に決まっていた政策に異を唱える手段に出たのだから批判は当然だろう。

経費削減、食の安全は都民の注目だが、スッキリしない玉虫色の解決策になったか。

小池さんは敵を作ってやっつける小泉手法に似ているが、石原元知事、ドン内田が居なくなると次はどうするのか。

肝心の「都民ファーストの会」所属議員の活躍が見えてこない。発言も押さえられているようだし、第一党としての議会運営、都役人との関係はどうなのか。そして他党より鞍替えした議員との関係をどうするのか。ギクシャクは続くだろう。

嫌気がさせば国政への進出だ。

若狭さんが、「日本ファーストの会」の代表になり脱自民の受け皿を狙っているが、ここにも民進党離党者が蠢いているようだ。何やらテストをするらしい。今、総選挙になり小池党が出馬すればメデイアは「当選者が20人はくだらない」というが、過剰評価ではないか。


地方組織を持たなければ小池旋風だけでは日本新党、おおさか維新の会の二の舞になる。迷惑するのは一時の期待をした国民だ。

2017年8月21日月曜日

大事なのは「正しい問題提起」:修正の効かない間違いだらけの安倍政権か

朝日新聞(2017.8.15)の波聞風問の「2%インフレ目標 ヘンテコ理論の大きな過ち」は大いに納得出来る記事だった。日銀の2%インフレ目標をドラッガーの金言「間違った問題提起への正しい答え程修正の難しいものはない」と論破した。

安倍総裁、日銀黒田総裁のリフレ論をヘンテコな理論という。修正の効かない間違いだらけの安倍政権の政策か。

原編集委員曰く「物価は景気が熱を帯びると上がるが、物価を上げて景気を良くするというリフレ論はヘンテコ理論」という。

出口戦略もなく、このまま異次元の金融緩和を継続すれば国債の信用下落、日銀の経営にも影響することは多くの学者が危険を忠告している。

そもそもアベノミクスこそ正統派経済学者にとってはばかげた政策で、アホノミクスと同志社大の浜先生は言いのける。

日銀は何故、物価を2%まで上げなければならないのか。このためには今まで経験したことのない成長率を確保しなければならないので無理なのだ。

一方で、物価は0%付近で安定しているし、雇用も内容にもよるが今までにない好成績だ。日銀の仕事は物価の安定を考えると今は安定していると言える。

安倍政権、黒田総裁になって「2年で2%」と語呂の良い目標を掲げたが、既に6回も先送りし黒田総裁に任期中は無理だ。2%目標が現実に合っていない。

白川総裁の時は、取り敢えず1%を目指し、達成後に更なる上を目指すと言う目標だった。そのためにも量的緩和は継続していた。それを黒田総裁になって一挙に2%、異次元の量的緩和で大量のカネを市場に流すことを決めた。

一時は効果があったが長続きはしなかった。マイナス金利など手を替えるが、今では80兆円から60兆円に実績として縮小している。

国会で出口戦略を野党から聞かれたとき、安倍総理は「未だ2%を達成していない」と否定したが、前原議員の質問などで日銀も出口戦略を考えているようだ。

おまけにリフレ派の浜田内閣府参与までシムズ教授の説を聞き目からウロコが落ちたとアベノミクスを見直すと言い出した。

安倍総理は今まで正しい問題提起をやっているか。

憲法改正を自民党案で促進し2020年に制定するという。働き方改革は過剰労働を防止できるか。企業の儲けを家計に再分配する官製賃上げもままならない。国会運営で強行採決したテロなど準備罪は捜査機関を利するが国民の批判が大きい。対ロシアでは北方4島返還問題でまず、経済支援すると言うがプーチンにやられっぱなしではないか。対北朝鮮では打つ手がない。経済制裁というが北は160ヶ国と交易があり中朝貿易の額など目じゃないという。


「正しい問題提起なら間違った答えは修正がつく」とドラッガーは言う。野党の追及で修正が効く問題提起を安倍政権、与党は しているのだろか。