2018年7月24日火曜日

「緩やかな回復」基調の裏に忍び寄る「バブルの崩壊」か


政府は7か月連続で景気基調判断を「緩やかに回復」と発表した。この判断には企業業績、株価、不動産の好調さもあるだろうが半面個人消費の伸び悩みなどあるだろう。しかし忘れてはならないのは「現在の日本経済はバブルで崩壊の危険がある」という見方だ。

不動産取引は活発だが、それは2020年の東京オリンピックまで。株価も22700円台で調整されているようだが日銀が異次元の金融緩和で株の購入を続けている管製株価だ。22700円台付近で4日連続続伸と思ったら2日連続下落と動きが激しい。

「緩やかな回復」基調なんて言ってはいられない状況なのだ。

この基調が変わるときはどんな時なのか。そのときバブルがはじけるのか。

2%物価目標達成の可能性は低い。むしろアベノミクスの破たんが明確になったときにどうなるか。こんなことではそう株価も動かないだろう。

日銀が2%物価目標をあきらめて出口戦略に移行した時はどうか。この時は国債下落など日本経済に影響するだろう。ところが当初は80兆円の国債買い入れだったが最近はなり行きで40兆円に縮小している。実質緩和縮小なのだが市場の影響はない。

やっぱり日銀がはっきり緩和縮小、出口戦略を表明しない限りは市場も動かないか。

でも日本が原因で「はじける」ことはないだろう。

日本は予期せぬ状況になっときは公的資金の注入などで金融機関の破たんを回避した1990年代の例がある。ところが米国は大手金融機関の破たんの選択をして世界的金融危機を招いた。背後にはバブルがありその対応処置が違っていたのだ。

だから世界的バブルの崩壊は、欧米に起因する。英国のEU離脱、メルケル首相のドイツ政権の不安定、欧州各国のポピュリズムの台頭も、ロシア、北朝鮮の問題も要因にはならない。

やっぱり米国、中国が引き金になるのではないか。

来年5月からの米中関税貿易戦争は大きな要因の一つだ。今は駆け引きの段階だが実際に始まると大変なことになるだろう。世界貿易は大混乱だ。そして中国だ。成長率6.7%と他国をしのぐ目標だが、一帯一路など海外投資も盛んだが急に財政危機が表面化すると世界経済は大混乱だ。元安政策はトランプ大統領から批判されている。

バブルははじけた後、検証してみて初めて「そうだったのか」「あれが要因だったのか」がわかる。それまでは現下の好況に惑わされて冷静な判断ができないのだ。

でも、必ず警告を発するエコノミストがいる。常に全体を見渡して考える経済学者がいることは確かだが、その声も好況にかき消されるのだ。



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