2018年7月5日木曜日

今日の新聞を読んで(164):働き手世代激減で日本社会をどう再構築するか

働き手世代が激減する時がやってくる。日本社会をどう再構築するか。喫緊の課題だ。
働き手世代激減で人手不足、「働き手世代がどうのこうの」と言っている時ではなくなってくる。同時に巨大災害の発生も迫っている、自治体の職員も激減する中でどう対応するか。

15歳~64歳の世代7558万人が2040年には5978万人に激減することから自治体の在り方が議論されている。自治体が今の半数の職員でも業務に対応するシステムを構築しなければならない。

有識者研究会「自治体戦略2040構想研究会」が総務相に報告、首相諮問会議である「地方制度研究会」で議論するというのだ。

その対策は、事務処理をAI活用、行政サービスを「圏域単位」にする。定年世代を活用、高齢者も「支える側」へ1人複役」で自治体を支援することが検討されるらしい。

これは2014年の「日本創成会議」の「2040年 自治体の半数消滅」で896自治体が消滅、これに青森市や秋田市が含まれていることで日本社会はびっくり仰天だった。

その続きで検討されているのだろうか。最近は奈良県の方で地方議会の運営が難しくなってきたともいう。集会制にしようかとの話もあったが無理らしい。

少子化と騒がれていたがしばらくは人口増の現象が続いたが、本質的には平均寿命が延びたための一時的現象だったようだ。今後は高齢者も減り、地域の経済はやっていけず、若者は地方から都会へ、地方の人口減少は止まらない。特に女性の地方脱出は痛手だ。
                                                                                                       
大都市集中は地方を過疎化するというが、大都市も過疎化する東京23区内でも安心はしておれないのだ。

高齢者は地方へ、東京一極集中を回避すべきだと日本創成会議の増田さんは訴えていたが、何を思ったのか東京都知事選に出馬した。一体、東京をどうしようと思っていたのかはっきりしないうちに小池さんに負けた。

私も高齢者で、あと20年は生きられない。だから2040年がどんな時代になっているかわ確かめられないが、地方の自治体、議会がうまくいかなくなることは確かだ。職員も減り、議会の開催もままならない。それに加えて必ずやってくるのか巨大災害だ。首都直下地震、南海トラフ巨大地震、内陸型直下地震が起きれば日本は大混乱、それこそ「日本沈没」だ。

小松左京さんの「日本沈没」では、変わり者の地震学者、若い研究者、自治体がうまく動いていたように思うが、2040年代はそうはいかない。

3.11東北地方太平洋沖地震は広域で甚大は被害を受けた。復興に一番重要な住民と接している地方自治体が全滅に近かった。近隣自治体から応援を得て対応したというが2040年代はどの自治体も人手不足で助け合いことができない。

災害時、一番頼りになるのが自衛隊だが自衛隊の災害復旧支援活動も期待できなくなる。

医療、介護はでは高齢者が増えて需要が高いのだが医師不足、看護師不足は地域の医療、介護に支障をきたす。数自治体が一か所に集まるスマートシテイ―構想もあるが期待できるか。

病院に行くと、窓口に端末が置いてあり、画面に従って入力作業をする。保険証関係、「今日訪れた症状」を質問に従って入力する。人口知能が判断し「○○科、何番の待合室へ」ということになる。待っていると看護師さんがコンピューターの指示で問診、血圧、採血、採尿などを指示される。

やっと医師に呼ばれて診察室にはいると問診、検査結果から次の検査に回される。医師はろくに患者の方は見ないでコンピューターにデータを打ち込む。

終わったら診断表をもって会計の窓口に行くと医療費が出てATMと同じようなやり方で診察終了だ。

市役所も光景が代わるだろう。今までの窓口には端末が並んでいる。その奥には職員はあまりいない。書類の入ったキャビネットもなくがらんとしている。今までのように申し込み用紙はない。画面を見ながら必要事項を打ち込む。

場合いよってはマークシートのやり方もできる。
申し込み受付の番号をもらい待合室で待っていると呼び出され、必要書類をもらう。費用は会計課で自動支払いだ。

市民課の仕事はそうでもよいが納税などはどうなるか。職員と一対一で話すことも必要だ。この分野はAIでの自動化は無理だろう。

ところで簡単にAI, ロボット化というが技術に疎い高齢者ではどうなるのか。職員が一人ひとり付き添い入力することになるのか。端末の数だけ職員が必要になる。

地域の風景も変わるだろう。空き家が増え草ぼうぼう、一戸建て宅地だったところは20m2の3階建てが立ちひしめき合う。東京の下町は木密住宅が問題になっているが東京にはいたるところにできている。インフラ整備が進まず老朽化、災害のたびに復旧に時間がかかる。川にかかった橋も老朽化で通行止め、大回りして川向うに行く。一人暮らしの高齢者も増え独居死がニュースになる。買い物難民は田舎だけの問題ではなく、都会でも増え東京・久が原でも移動販売が目に付く。コンビニなどが宅配をしているがどういう状況なのかわからない。

2025年は団塊世代が75歳以上になるので「2025年問題」と言われているが、2042年は日本最大のピンチ、高齢者が3935万人になるらしい。

いや、捨てたものではない。高齢者向けの経済があるはずだともいう。スーパー、デパートの商品構成も変わってくる。テレビ番組も今のままじゃ通用しない。テレビCMもかわるだろう。

車は売れない。人工知能、自動運転が主流になるというが、そんなことでは車を持つ意味がない。公共交通機関でいいのではないか。ただ、田舎での高齢者移動にマイクロバスの自動運転が根付くのか。問題は道路の整備だろう。シェアーエコノミーがはやし立てられる。カーシェアリングも重要な課題だ。

ところで日本の懐はどうなるのか。今一般会計99兆円のうち税収は58兆円ぐらいだ。働き手が少なくなると所得税に頼る日本の税制では税収減、社会保障費も高齢者が増えれば増加する。経済成長での税収増は期待できない。

狙うのは高齢化での成熟社会だ。

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