2018年7月24日火曜日

G20に見る:トランプ大統領に勝てない「その他の国々」


G20財務相・中央銀行総裁会議もトランプ大統領の「保護主義」に「その他の国々」が対決したが、リスクを緩和し信頼性を高める「対話の強化」を共同宣言に盛り込むことで一時しのぎしたもののトランプ流外交に振り回され国際会議も形骸化の道をたどるのか。

G20=G19+1、G7=G6+1とトランプアメリカは孤立化しているが、それでもアメリカの意向を無視することはできない。

何故か。

アメリカの市場は大きい。中国、インドも大きいが保護主義に訴えても無視できない。多くの国が対米貿易で潤っているのだ。米国の貿易赤字はそういう国が米国の利益を奪い取っていると考えている。特に中国だ。

ドルは基軸通貨だ。日本円は安全資産として欧米で何かあると買われるが中国の元とともに基軸通貨にはならない。

その為替も市場の手でなく為替操作をアメリカは極度に嫌っている。ドル高は米国経済には不利とみて元安は中国が為替操作していると批判する。でもトランプ大統領はドル高容認の発言をしたことがあるが、それも「長期的に見れば」の話だ。

FRBも金融政策正常化に向け利上げを狙っているが、新興国から資金が流出すると世界経済は混乱する。特に中所得国に資金投入し経済援助をしている中国は痛手だろう。

米軍による安全保障も絡んでくる。「世界の警察官」を担っているのか、やめたのかはっきりしないが、NATOに軍事費の増額を要求した。日本だって以前から在日米軍の費用負担問題が出ていて今では「おもてなし予算」(?)だったか軍事とは関係ないところまで日本が負担している。

米国は在日米軍を日本の安全保障で考えているようだが、中国、ロシア、北朝鮮をにらむ米国のための存在であることを認識していない。

今回の米国の関税貿易で中国、ECは報復手段を取るという。専門家の間では中国に痛手だろうとみているが、アメリカだって輸出減→雇用減→米国内産業の沈滞という図式になればトランプ大統領の考えとは真逆の結果になる。

結局のところトランプ大統領は「保護主義」を強固に主張、「その他の国々」が仕方なく妥協するとみているのだろうが、保護主義の結果が分かったときにトランプ大統領は方向転換するのか。

中間選挙、トランプ大統領再選? すべては米国民の選択だ。その他の国々の意向などトランプ大統領には通用しない。


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