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2011年3月18日金曜日

平成23年東北地方太平洋沖地震(4):この大震災を社会を変えるエネルギーに











M9.0という巨大地震による津波は東北地方の太平洋岸の広域に渡って甚大な災害をもたらしたと同時に、福島第一原発の原子力災害は住民生活に大きな障害になってきた。この大震災は社会を変えるきっかけになるかも知れない程の衝撃である。

特に福島第一原発の冷却不能による格納容器損傷の可能性は、放射能拡散の危険を伴うために、16日の自衛隊による放水作業のテレビ映像に釘付けになった。この難局を切り抜けられるかどうかは経済にも多大な影響を及ぼし、世界の注目するところだ。

原子力の安全神話は崩れた。巨大技術でも原子力は一番安全だと言われていた時、「事故が起きるまでは安全なのだ」と言う学識者がいた。巨大な津波災害にあったとは言え本当になってきた。これが今後の原子力エネルギー政策に大きな影響を与えることは間違いない。

御多分にもれず、今回も買い占めにより、店頭での品不足が起きている。懐中電灯、電池、米、紙製品、飲料水、携帯ラジオなどは手に入らない。ガソリンは10L、2000円分と制限されるのでガソリンスタンドを廻るようになる。

報道によると、メーカーは「十分ある」という。店員も「何時入荷するか分らないが、入荷すれば直ぐ棚に並べる」という。

買い占めをすれば、被災者に必要なモノが廻らない。通常の買い物をすることが「被災者支援」になるのだ。自分だけ生き延びたってどうなるんだ。

被災地の避難所では、皆が協力して生活を維持しようとしている。高校生など若者が率先してボランテイア活動を始めた。これからは救援活動から災害復興へ向け大きな試練が待っている。

これを機会に、あらゆる面で意識改革が必要だ。

米国の年次改革要求に応じグローバル化したのはよいが、今まで日本が育んできた良い社会習慣がなくなり、日本社会は変わった。効率を優先する余り、コミュニケーションは破壊した。自助努力を要求され高齢者は路傍に迷った。チャラチャラした殺伐とした社会に戸惑うばかりだった。

そんな時、テレビは、民間抗告ネットワークACJAPANの「「こころ」は誰にも見えないけれど、「こころづかい」」は見えると思いやりを行動に移そうと呼びかけるCMを流す。子宮けいがんの健診を促すCMと共にこれでもかこれでもかと流す。訴えることは良いことではあるが、大震災時に企業はCMを自粛するとテレビは経営が苦しくなる。こういうCMを流して経営をバックアップしているのだろう。

政治も大きく変わるべきだ。国会議員の質も変わらなければならない。知名度、票を獲得できそうな人気者を優先する余りスポーツ選手や芸能人が候補者になる。大衆迎合に迷わされず、政治を任せられるしっかりした議員を選ぶべきだ。

国家公務員も意識改革が必要だ。私利私欲、省利省益で自分たちのフトコロを暖めるのではなく、公僕として国民のために働くべきだ。公務員制度改革で改革しようとしているが、何故公務員自身から改革の声が上がってこないのか。ムダの削減、埋蔵金など第三者には分らない勘定もある。それをよいことに知らぬ顔は許されない。

国家財政は逼迫しているが、復興予算を組む必要がある。公共事業も増えるだろうが、これに政治家が群がり私欲を肥やすなどもってのほかだ。

被災地の一つ、岩手県と言えば小沢さんの地盤だ。復興計画や予算も小沢さんの意向が大きく影響するのか。小沢vs反小沢の政治構図はもう御免なのだ。

復興計画も大変だ。テレビでの被災地の状況は目を覆うばかりだ。「自然との共存」が如何に防災で大事かが分る。

過去に災害を経験した場所、海、河川、湾の埋め立て地に巨大な都市を街作りをした乱開発は反省すべきだろう。技術への盲信、技術の「奢り」は禁物だ。田老町は巨大な防波堤を築き防災対策では進んだ町として他の自治体の見学者も多かったと言う。しかしM9.0の巨大地震による津波で、あっという間に町が消え去った。

恐らく、同じ地域に同じような街作りがなされるだろう。防災という課題が街作りにどう活かされているか。見守りたい。

兎に角、まず政治が安定させることだ。民主党内の抗争も表向きは一時中断だろうが、菅総理の判断には内閣支持率向上を狙ったパフォーマンスが目立つ。今現地では自衛隊ががんばっているが、その自衛隊を「暴力装置」と発言して批判された仙石さんを官房副長官に異例の抜擢をしたという。仙石さん自衛隊をどう思っているのか。まず謝罪すべきだが、菅政権維持のための取り込みだろう。見え透いた策だ。震災対策の調整役を大勢任命しても混乱するばかりではないのか。

菅総理自ら意識改革が必要だ。こんな状況下で難しいだろうが、国民に力強いメーセージを送るのが第一だ。

東電の計画停電はこれからどうなるのだろうか。震災前は5200万kWの電気供給量が、震災後は3100万kWに落ちた。今4000万kWが必要であるらしいが、火力発電や柏崎の原発などで900万kWを追加できれば4000万kW確保できるが、夏場は6000万kWが必要になるという(18日テレビ朝日 スーパーモーニング)。

我が家は、以前から「一部屋重点使用生活」をやっている。家庭での電力使用の25%を占めるエアコンも一基でいい。家族が集まって団欒も出来る。「今日何があった?」、「悩み事は」など会話も出来る。宅配のお姉さんが「オタクはよーく見ないと、居るかどうか分らない」といって笑う。

社会を大きく変える。今回の震災がそのエネルギーになって欲しいモノだ。
写真上段左:本震に続き気になる地域で地震が続く 関連性が無いというが不気味だ
写真上段右:総理記者会見 「国民を元気付けるメッセージを」というが、この時期なかなか難しいか。
今のところ政権維持に向けたパフォーマンスが目立つと国民は見抜いている
写真下段左:自衛隊による放水開始
写真下段右:思いやりを訴えるACのCM 大事な訴えだ

2011年3月13日日曜日

平成23年東北地方太平洋沖地震(3):天災は油断した頃やって来る?


寺田寅彦が言ったと言われている「天災は忘れたころやってくる」は、あまりにも有名は言葉であるが、天災を忘れてはいなかったが、油断した時に、やってきたのが今回のM9の超巨大地震だ。

予測された地震の規模と30年以内の発生確率を見ると、宮城沖地震がM7.5,発生確率99%、三陸沖南部地震がM7.7,7%,茨城県沖地震がM6.7~7.2,90%で発生確率が高いことが指摘されているし、数日前には三陸沖でM7.3が発生し、「何かあるんでは」と思った人もいるのではないだろうか。気象庁は、「特異なケース」とコメントしてはいるが、今回の超巨大地震の前震だ。

その結果、町がすっぽり消える激甚災害になった。大津波の爪痕を見るにつけ唖然とする。

この三陸地方は、今までも地震、大津波の被害にあった。50年前にチリ地震では多数の犠牲者が出、先のチリ地震でも災害にあった。年配の老女はその経験を活かして、地震発生後高台へ上っていき助かった。一方で、テレビで60歳代の男性が「こんなの生まれて初めてだ」とコメントしていた。

昔から貴重な経験をしながら、防災意識に大きな差がある。防災に年配者の経験が活かされていないのではないか。

総務省消防庁が、昨年2月のチリ地震による津波で避難勧告や指示が出た20都道府県の189市町村、対象人口約168万人の避難率は、3.8%にとどまったといい、06年、07年千島列島の地震では避難率はそれぞれ13.6%、8.7%であったことを考えると意識は低下している(朝日新聞2010.3.9)。

更に、消防庁の調査によると、青森県、岩手県、宮城県3県で避難指示、勧告となった地域住民のうち実際に避難したのは37.5%にとどまったという(2007人が回答)。「避難しようと思わなかった」が31%、「避難の必要性は認識しながらも避難しなかった」が26.3%になる。理由は「高台で浸水のおそれがない地域と思った」が52.7%、「他地域に到達した津波が大きくなかった」が19.2%、「小さな津波しか来ないと思った」が16.5%になっている(読売新聞2010.4.14)。

テレビなどでの情報を個人的に判断し、「大したことはない」と油断していることにならないか。

岩手県津波浸水予測図で、今回壊滅的被害を受けた越前高田市のシミュレーションを見てみた。

196年、明治三陸地震、1933年三陸地震、想定宮城県沖地震の津波の再来を想定、最大浸水深さを50cm未満、50cm以上1m未満から6m以上まで6段階で色分けされている。津波が押し寄せる時間だろうか「影響開始時間」は4~20分、津波の高さは予想は4~7mになるようだ。

平野部と思われる市街地は浸水し、気仙川を奥まで逆流することになる。南米チリ地震での津波で北上川では17~20km地点まで逆流したことが確認されている(朝日新聞2010.3.8)。

想定されている地震のマグネチュードは8.1~8.2であるが、今回はM9でエネルギーは大きく違うが、このシミュレーションは結構役に立つのではないか(地図だけでは場所が良く確認できないが)。

でも、いくら訓練や防災教育しても実際に災害が発生すると、いろんな判断をしなければならず、訓練通りにはいかない場合もあるが、地震発生と同時に高いところ目指して上り、助かった老女の行動はさすがとしか言いようがない。

私も東京へ転入した時に区のハザードマップをもらって読んだ。昨年の区の防災訓練には参加しなかったが、今年は必ず参加しようと思う。また、震災時の家族の役割分担で、小学校と保育園に行っている孫達の迎えが私の役目になった。


写真:岩手県津波浸水予測図(越前高田市)

2011年3月12日土曜日

平成23年東北地方太平洋沖地震(2):巨大地震で被害甚大、その教訓を活かせ




複数の震源域が連動し、このような我が国史上まれなるM8.8の巨大地震の発生にになった。宮城県沖、三陸沖、茨城県沖の震源域の確立は非常に高く何時起きても不思議ではないと言われていたが、それが同時に起きたことになる。

12日、3時59分には長野県北部栄村を震源とするM6.6 震度6強の地震が発生し、何故列島の反対側か不思議だったが、長野県、新潟県周辺は今までも頻発していた場所でもある。巨大地震の発生で、プレートのストレスのバランスが崩れたのではないかという説明にも納得はいくが、定かではない。

その後余震は、4時25分と6時49分に千葉県東方沖、6時20分には神奈川県西部で地震発生の緊急地震情報が流れた。神奈川県西部地震では、あわや東海地震に関連かと心配したが、東京では感じる揺れではなかった。

被害は甚大だ。

陸前高田市は壊滅状態、仙台市の太平洋岸が冠水しているテレビ映像を見ることが出来る。

何よりも心配なのは、福島第一、第二発電所の状態だ。菅総理が6時12分、視察のために官邸を自衛隊ヘリで飛び立った。げ現地で説明を聞き必要な決断をするという。排気筒を解放するという。放射能線量が正常の8倍になり、放射能もれで半径10km以内の方達に避難拡大になったようだ。

冷却用非常用エンジンポンプが作動しないと言うことらしいが、この種の非常用機器は、必ず定期的に試運転して作動の状況をチェックするはずであるが、どうしたことか。詳しい情報が発表されないから何かあったのではと疑う。

沢山の死傷者、行方不明者、構築物の損壊など損害は甚大だ。菅総理自身が現地視察しているのだから、救難、復興に指導力を発揮するのだろう。

しかし、今回の巨大地震で多くの教訓が得られるだろう。

仙台コンビナート火災では、浸水のために消防車による消火活動が出来ないという。被害の大きかった地域の映像を見ると、冠水したままだ。海水が引けば冠水はなくなると思うのだが、海水のレベルがいまだ高いのか、あるいは今回の地震で地盤沈下したのか。どっかを堰き止めて排水すれば解決できるものではない。このまま放棄することになるのか。

仙台飛行場の浸水、冠水では重要な施設を海岸や、河川近くに作ることを考え直すことだ。岡山、広島、長崎などは内陸部にあり、高速で地方都市と結んでいる。

大船渡市の火災を見ると、燃えている浮遊物が水面を移動している。燃えるモノに火がつき、それが延焼の原因になっているようだ。海岸と市街地の間に浮遊物の移動を妨げる緩衝帯を作ることなど出来ないのか。

テレビでの現場映像を見ていると、大津波警報が出ており、キャスターやコメンテーターが注意を喚起するにもかかわらず、漁港や浸水跡地に人影が見受けられるが、どうしたことか。大津波警報も出しっぱなしではなく、自衛隊の航空機を飛ばして津波の監視をするなどの対策はないのか。

気象庁の記者会見も頂けない。記者にぺーパーを配って読み上げているようだが、聞いていると何を言っているのか直ぐには理解できない。ペーパーが用意されているのであれば、プロジェクターで映して、国民にもわかりやすくする工夫が必要だ。記者会見は国民に対してするものではないのか。
また,こう言う広域災害にあっては、近県の援助体制に期待できないことが多い。被害の無い他県からの応援は道路事情が悪ければどうにもならない。ある程度は被災自治体が自分で何とかしなければならないことになろう。これから迫り来る東海地震、東南海地震、南海地震も広域災害が予想される。防災体制の見直しも不可欠だろう。

地震対策は、防災関係者や地震研究者ばかりでなく、一般国民の意見を採り入れた対策を打つべきではないか。

遅れましたが、震災にあった方々に心からお見舞い、お悔やみ申し上げます。
写真は菅総理の現地視察前の記者会見と気象庁の記者会見 民放テレビより




2011年3月11日金曜日

平成23年東北地方太平洋沖地震:地震情報は伝わったが、東京でも大きな揺れ















11日、国会の参院予算委員会をNHKラジオで聞いていたら、14時45分頃だったろうか「地震発生、大きな揺れに注意してください」という緊急地震情報を聞いた。その数分後に大きな揺れが始まった。東京ではガタガタという横揺れで数十秒だったろうが、長い時間を感じた(実際には約2分)。うまれて初めての大地震の経験だ。

マンションの玄関のドアを開ける処置をして、居間の転倒や飛び出しモノの少ない場所で危険を避けた。本棚も倒れず、食器棚から食器類が飛び出すコトもなかった。本棚と天井の間に本を詰めて転倒防止していた効果があったのか、それほどの揺れではなかったのか。

ガタガタ揺れているときに、大田区の放送設備から「防災大田です。ただいま地震がありました。あわてて外に飛び出すのは危険です。落ち着いて行動してください。火の元の安全を確認してください」という意味の地震情報を聞いた。マンションのドアを開けていたから聞こえたが、ドアが閉まっていたらどうだったか。

揺れが収まって、NHKテレビをつけると、14時46分ごろ、強い地震が発生した。大津波警報、津波警報、津波注意報が出ているという。津波の高さ当初は3~6mと言うので、今までの地震とは違うとわかった。

しばらくニュースを聞いていても、震源がどこかわからない。東北地方の太平洋岸に津波の高さが高かったので、宮城県沖か最近頻発している三陸沖だろうと考えたが、震源ぐらいは早く且つ、常時表示すべきではないか。津波情報が常時表示されているのだから、震源付近に×印を入れるだけでも役に立つはずだ。

30分の間に3回の地震があったことから今回の地震の巨大さが分った。

14時46分 三陸沖 M7.9 深さ10km、マグニチュードはこの後8.4から8.8へと変更になった。現在予想されているマグニチュードを越える巨大地震の発生になった。兵庫県南部地震の180倍のエネルギーだと言うからその巨大さが分る。

15時06分 同じく三陸沖 M7.0 、続けて15時15分 今度は茨城県沖M7.4 深さ80km。

16時15分には、福島県沖30kmで余震が続く。数日前に発生していた三陸沖地震は前震で、北から南へ割れていった格好だ。

気象庁も言っていたが、破壊帯地点が広い区域になると言う。三陸沖から茨城県沖まで、これでは200kmぐらいになるのか(実際には約500km)。プレート境界型の超巨大地震だ。

体には余り感じないが、たまたま正月用に買っていた胡蝶蘭の枝とテレビが揺れるので余震らしい揺れが続く。

テレビの画面による津波の恐ろしさは、やはり想像を絶するものだが、岸壁付近に車があったり、人間が動いていたり、河川を遡り氾濫する波の横や前を車が走ったり、橋を渡ったりする状況を見ると防災感覚がどうなのか不思議だ。

NHKテレビでは、津波による被害の画面が主であったが、民放に切り替えるといろんな災害が発生していることが分った。地方局を系列局に持つ民放の強さか。

やはり長周期地震動によるのだろうJFEスチールで火災が発生しているという。コスモ精油所、チッソも火災で延焼中という。避難勧告も出た。

江戸川で堤防が崩れたとか、東京タワーで先端が曲がったと言うニュースも流れている。東京スカイツリーはどうだったのか。未だ情報がないのは何かあったのか、確認に時間がかかっているのか。

東京電力福島第一発電所で、1~3号機が自動停止したという。良かったと思ったが、21時55分頃官房長官が記者会見し、「原子炉一基が冷却が出来ない状態で原子力発電所半径3km以内に避難勧告を出し、3~10km以内は屋内待機だという。

菅総理は、16時55分、緊急記者会見で「緊急対策本部を作った。被害を最小限に抑えるため最大限の努力をする。テレビやラジオの報道をよく聞き落ち着いて行動して欲しい」と国民に訴えた。

M8を超える地震は、1854年の安政東海地震のM8.4があるが、M8.8の地震は今のところ想定を越す巨大地震で、多くの教訓を得ることが出来る。来るモノは来るのだ。東京では言われているように帰宅難民が出ているが、公共施設が仮の宿泊所となるようだ。

兵庫県南部地震では、社会党の村山総理が自衛隊の出動要請を躊躇したために生存者の救助が遅れたと言う批判があったが、今回の政府の動きは早かったようだ。今までも緊急時の対応が遅いと批判されていたことも影響しているのだろう。当然の結果だ。

今国会は、与党、野党がいがみ合っている状態であるが、この事態にそんなことをやっている時ではない。国会を挙げて対策を講じなければならない。この災害を期に、熟議の国会になって欲しい。


写真:地震情報を特別番組で流す民放