気仙沼 大谷海岸で高さ9.8mの防潮堤が計画されている 2013.3.11 テレビ朝日 報道ステーション |
多くの映像が、被災地で基礎部分だけ残して荒れ放題の宅地、周りに住宅がないのに営業を始めた商店、水産加工会社の工場、事務所、冠水したまま手が出せない農地、地盤沈下のままの土地、浸水の危険も去らない漁港、盛り土工事が始まった地域等が映し出される。
そんな中で進まぬ復興に、行政に対する住民の不満は募るばかりだ。
しかし、進まぬ復興の要因に、「防潮堤が先か、街づくりが先か」の住民と行政の間の溝が大きいのだ。
今までも時々メディアが防潮堤建設計画を報道してきたが、11日のテレビ朝日の報道ステーション「次々進む巨大防潮堤」で気仙沼市大谷海岸の計画を見て、復興計画の本筋を知ることができた。
計画を知らせる標識 報道ステーションより |
被災住民らは、せめて5mぐらいの防潮堤はどうだというのだ。今回のような津波は1000年に一度、それより頻度の大きい三陸津波、チリ地震による津波は数十年、数百年に一回だからもっと低くていいだろうというのだ。1000年に一回の巨大津波対策では、街づくり、避難経路計画など総合的な対策が必要なのだろうという。震災前と同程度の生活ができればいいのであって、海抜9.8mの堤防は必要ないのだ。
原状回復、自己責任から考えると、正論かもしれあい。
せめて5mぐらいの堤防となるとこの イメージだ 報道ステーションより |
でも、巨大な防潮堤計画は、ここだけではない。
東北3県の沿岸総延長369㎞、総工事費8284億円になるというのだから「ほどほどに」できないのかとなる。
行政と住民との思惑の違いを調整しない限り、復興ははかどらないだろう。それに自治体の職員、土地の所有者、権利などが絡んでくるとなおさらだ。
国や県は「こうするんだ」という計画を押し付けるのではなく、住民の「自己責任」、「ほどほどに」の選択肢を生かした計画を進めたらどうなのか。
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