2013年3月16日土曜日

改めて気になるんです、東電・柏崎刈羽原発再稼動へ500億円追加投資

東電・柏崎刈羽原発周辺の
長岡平野西縁断層帯
敷地周辺の活断層の連動を
考慮した字振動評価について
平成24年4月25日
東京電力

新聞報道(読売新聞2013.3・15)によると、東電は柏崎刈羽原発の安全対策に500億円追加投資を決め、再稼働に向け先に700億円決めていたのでトータルで1200億円の投資になるという。人気テレビ番組「相棒」の杉下右京さん流に言うと「改めて気になるんです」。

この柏崎刈羽原発の真下、周辺断層の危険が指摘され活断層と判定されると、東電が目論んでいる再稼働が不可能になるのだ。そうなると、この巨額の投資は無駄になるが電気料金に加算される事になりかねない。

活断層になれば、どんなに地震、津波対策を強化しようが再稼働は無理なのに、何故規制委は判定を急がないのか。何故、東電は対策を急ぐのか。経営の厳しい東電にあっては、原発の再稼働は必要なのだ。

私が保存している柏崎刈羽原発の資料を探ってみたが、他の原発ほど活断層か否かの検討がされていない。

東電は、2007年7月の新潟県中越沖地震を上回るM8クラスの巨大地震「長野平野西縁断層帯」を考慮して、周辺断層を再評価した。この断層は、2004年に国の地震調査研究機構推進本部が連動した場合M8クラス、30年以内に2%以下の可能性を指摘していた。更に、これまで別々に動くと考えていた4つの断層が同時に動くことも想定したようだ。原発と断層の距離は約20km、断層の長さは約90kmになる(讀賣新聞2008.3.27)。

昨年8月に東電が公表した資料では、1,2号機の原子炉直下を通る「α断層」「β断層」は、24万年前に降った火山灰より上の新しい地層をずらしていると言う。国の活断層定義から国の定義の活断層より古いとして、東電は「活断層ではない」と主張してきたが、規制委の新基準の活断層定義から「活断層とされる」可能性が出てきたのだ(YOMIURI ONLINE2013.1.24)。

1200億円かけての東電の安全対策は、海抜15mの防潮堤の建設、電源車の配備、フィルター付きベント設備、第2制御室の整備、非常用電源の防水化が上げられている。3.11の福島第一原発の津波被害での経験を生かした対策のようだ。

しかし、問題なのは事故検証が不備であり、先のNHK スペシャルでの検証番組を見ても、人的、設備的に基本的技術が欠けていたことだ。原発は違っても事業者は同じ東電だ。

規制委の新基準で活断層と判断される可能性の大きい原発で、巨額の安全対策を急ぐ東電に、事故を反省しない奢りが残っているのではないか。

1週間の地震発生状況 長岡付近も小さな揺れが発生
気象庁地震情報 2013.3.16

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