読売新聞 2013.3.19 |
中央防災会議の作業部会が南海トラフ巨大地震M9,0~9.1の被害推計を220兆円と発表した。最悪のシナリオと言うが、唖然とする一方で、強迫観念にとらわれず、出来ることをやり、それでもダメなら諦めることか。
経済損失は220兆円、そのうち170兆円が地震、津波の直接被害だ。減災対策をやれば、経済被害は5割減が期待できると言うが、諦めるなと言うことだろう。東京―大阪は、物流の幹線動脈だが新幹線、高速道は寸断される。地震だけなら何とか復旧出来るだろうが、津波を伴うと破壊され、何もかも持って行かれる。東北地方太平洋沿岸の復旧が進まないのはそのためだ。
減災対策をすれば被害は5割減というと自民党は活気づくだろう。国土強靱化で防災、減災対策で予算化したが、野党からバラマキ予算と追求されたばかりだ。強迫観念に便乗すれば、公共投資も思うがままだ。
しかし、それは許されない。巨大地震、巨大津波への100%防御法はない。「ほどほどに」するしかないのでは。
19日の新聞の南海トラフ被害想定をじっと見ていたら、孫が「じいちゃん これ何」と聞いてきた。「東海地震に備えて学校で避難訓練、帰宅訓練をしているでしょう。その地震による被害が想定されているんだよ」と言うと「この新聞の記事は大事なんだね」と言って、自分の机に持って行った。
学者は3.11以降、「想定外」を回避しようと「大胆な予測」を出してきた。南海トラフでの3~4の連動地震は「1000年に一度以下」の確率であるが、M9という想定外の東北地方太平洋沖地震が発生した。歴史をたどれば1100年前に貞観地震があったのだ。
でも、南海トラフでは、単独で見ると東海地震88%、東南海地震70%、南海地震60%で何時起きても不思議ではない確率なのだ。高確率で発生せず、0~2%以下の低確率で頻発していることを考えると「予測をどう読むか」は、個人のセンスの問題か。
0 件のコメント:
コメントを投稿