2013年3月6日水曜日

SECURITY SHOW 2013:防犯カメラで監視される安心、安全か

3月5日から始まったSECURITY SHOW 2013
東京ビッグサイト 2013.3.5
街頭防犯カメラ作動中

プライバシーの侵害も何のその、今は一歩家を出ると安心、安全のために否応なしに防犯カメラに監視された社会なのだ。街には防犯カメラが至る所に設置されている。マンションを出て最寄りの駅に行くまでに街路に3カ所、交番、コンビニの入り口、駐車場(これは嘘っぽい)にカメラが設置されている。勿論お店や郵便局に入ると設置されている。

人の動きの激しい駅には必ず設置されているので、カメラに捕らわれずに電車で移動することはほとんど無理だ。ネットワークカメラの導入には目を見張るモノがある。個人情報、プライバシーの侵害と言っても始まらない。

5日から始まった「SECURITY SHOW 2013」を見るために東京ビッグサイトに行ってきた。

展示の主流は、IPネットワーク・セキュリティだ。手軽に導入されるカメラ1台の小規模システムから大規模オフィス、鉄道全駅、本社と工場を直結した遠隔操作の出来る大規模システム構築などラインナップは多い。

防犯カメラの設置は韓国が1位で次いでイギリス、日本は3位らしい。イギリスは300万台ぐらいで、日本もそのぐらいではないかという。家庭での小規模システムだとカメラ1台で10万円程度のシステムが組めるらしい。

殺人事件のテレビ報道で、画面に走り去って行く犯人の姿が映り、街路や駅の防犯カメラで逃走経路が予測されていると、もう逃げようがなく出頭することになる。今後は警察の捜査法も変わってくるのだ。犯人と思われる顔写真をもって刑事さんが足で捜査するやり方から、ビデオで追っかける捜査だ。

街頭防犯カメラ設置台数が増えるに従い、犯罪認知件数も大幅に減少している。

更に、何万人という顔から即座に目標の顔を見つけ出す顔認証システムももうすぐ実用化するという。混雑した駅などを行き交う群衆の中から見つけて見守る(?)のだ。メーカーの人は「見守りカメラ」と言ったが、追跡カメラとも言える。

画像認識技術も進歩しており、人間の行動の異常などを認識することも出来る。

最近、テレビ番組「相棒」で犯人に迫る杉下右京だが、医師と看護師が密接に関係していれば解決するのだが、2人ともに否定していた。不審に思った右京さんは病院の防犯カメラに廊下ですれ違う2人を発見し、追跡するとすれ違い際にカメラが異常行動を認識し、赤枠とアラームで注意喚起した。右京さんが「そこのところ、もう一度」と言って再度画像を確認するとメモを渡している異常行動が判明し2人は無関係な人間ではなかったことがわかったストーリーがあった。

Dスキャニング機能のついた防犯カメラも出てきた。2D画面では分かりにくい情報を3Dなら手に取るように分かるのだ。3D足跡データ収集検索システムが展示されテレビの取材を受けていた。

暗闇でも監視できるデイ&ナイト機能を持ったデイ&ナイトIPネットワークカメラもある。赤外線レンズを兼ね備えているのだ。最近警察の犯罪捜査をテーマにしたテレビ番組「警察24時」のような番組も人気らしい。夜間でもパトカーで巡回するベテラン警察官の目が光る。暗闇の中で、一瞬で異常を察知する能力は優れたモノだ。でもパトカーにこのシステムを組み込めば、巡回に役立つのではないか。暗闇でも鮮明に状況が把握できる。

中には、「何故、この会社がこの分野へ」と感じる展示ブースが多いが、CASIOも防犯カメラ分野に進出していた。そういえばデジカメで技術は抜群だ。でも今はデジカメよりスマホらしい。「CASIOさんの腕時計の高度計は正確なのか」と聞くと、「正確です」という。

いま、地震や津波対策で情報の伝達が問題になっているが、スマホで現在位置、高度、津波から逃げる方向などを表示できないか。安心、安全を謳うSECURITYであればできそうな気がする。

ドライブレコーダーにも興味がある。つけようかどうしようか迷っているが、今度のロシアでの隕石落下を捕らえた車積載のカメラの映像が映っているのを見てすごいと感心する。今ではタクシー・ドライバーが乗客に暴力をふるわれる映像を見ること多いが、防止に役立っていないのかと思う。

ところが、こういった防犯カメラにも当然のことながら制限もある。こういう防犯システムは、建屋内や敷地内では構築しやすいが、地域と言うことになるとプライバシーの問題、設置費の問題があって進まないようだ。

プライバシーの侵害だと声を上げながら、便利さ故、携帯電話を使っても自分の居場所、行動経路、場合によっては通話内容まで監視、傍受されているのだ。

今、巨大な数のデータが飛び交っている。有効に使うも、悪用するのも人間の考え一つだ。

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