黒田新総裁候補の所信表明を受け、市場は円安、株高で反応し、メディアは「当確」(朝日新聞)の好意的論調であるが、白川総裁と黒田総裁候補の考えに大きな違いはなく、相違点といえば、発言の「慎重さ(白川)」と「大胆さ(黒川)」ではないか。
その「大胆さ」が「アベノミクス」に必要だったのだといえばそれまでだが、本当にそうなのか。
安倍総理も市場が好意的に反応していることで、「これでいいのだ」と思っているだろうし、他の野党も同じだろう。
日銀が「2%以下のプラス、とりあえず1%目途」と言っていたが、今までの経済状況を考えると、いきなりの2%目標は難しく、とりあえず1%達成をめざし、それから上を考える」と言っていたはずだ。いきなり達成が困難な2%を掲げるよりも正常な考え方ではないか。
安倍総理も国会予算委員会で「2%の数値の意義」を聞かれて、学者は2~3,4%を言っているが、達成可能で、インパクトを与えるために高めの数値を決めたと答弁し、前原議員から「特に深い認識があったわけではない」と酷評されていた。
目途と目標の違いも国会で問題になったが、白川総裁は、フレキシブル・インフレーション・ターゲッティングでは、目途も目標も区別する必要はないと言っていたが、何故かGOALとTARGETは区別した発言が続いた。
黒田候補は、今までの日銀の金融緩和は不十分でさらに思い切った金融緩和が必要だという。しかし、白川総裁はおカネは市場にだぶついており、今までも日銀は非伝統的金融緩和政策をとってきた。
今問題なのは、日銀ー銀行間で動いているおカネをさらに先の市場まで、どうやって出すかだと言い、第2、第3の矢が必要だという(麻生財務相)。
そこのところをしっかり考えて動かなければ、好ましくない結果になりかねない。すでに不動産価格なども高騰の気配で、バブルの兆しもみえているという。
黒田候補は、総裁になりたくて大胆な発言をしているのだろうが、日銀総裁の座にあっては、このような発言はちょっと心配な気がする。
安倍総理と黒田候補で、それ行けドンドンでは余りにもお粗末すぎないか。市場に冷静な反応を
期待する。
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