深い認識があったわけでもない安倍総理の2%物価目標、憲法改正? 衆議院選では分からなかったが、安倍政権が誕生し国会での審議が進んでくると、そんな気がしてきた。アベノミクスの第一の矢で市場は円安、株高に動き、安倍総理は手応えを感じたようだが、実体は世界経済、特に米国経済を反映しての動きなのだ。
その大胆な金融緩和、2%物価目標も日銀とコミットしたが、自民党政権発足後の最初の衆院予算委員会で民主党・前原議員が「何故、2%物価目標か」と問いかけた。安倍総理は「いろんな経済学者が2~3%、3~4%と言っているが、達成可能でインパクトのある数字として2%をとった」と答えていた。
前原議員は「特に深い認識があっての2%ではなかったのだ」と、これからも追求を続けると質問を結んだ。それ以外に、2%の数値についての質問なかったと思う。
NHKの国会中継を聞いていてのことだったが、翌日のメデイアなどでは、このことを報じたモノはなかった。
憲法改正はどうか。国民投票法を成立させた実績から、更に憲法96条を改正し手続きを緩和し、第9条の改正、あるいは新しい憲法を制定しようと企んでいる。
憲法9条は別として、安倍総理に憲法改正にも特に深い認識があるとは思えない。
朝日新聞(2013.3.30)の「この日の一問」によると、民主党・小西議員が「憲法の中で最も大切な個人の尊厳を総括的に定めたのは何条か」と安倍総理に問うたが、総理は「いきなり聞かれても答えられない」と苛立ったという。
憲法第13条で「公共の福祉に反しない限り」、国政上で最大の尊重を必要とすると定めている。答えは憲法第13条なのだが安倍総理は分からなかった。
小西議員は、自民党憲法改正草案では「公共の福祉」を「公益および公の秩序」と固定していることに国民の権利が制限されることに懸念を示した。
小西議員は、質問後「憲法を知らない安倍氏に総理の資格はない」と危機感を募らせたという。NHKの国会中継があれば聞いたのだが、残念ながら中継はなかった。
安倍総理には、幅広く意見を聞き判断を誤らないようにしてほしいモノだ。
朝日新聞2013.3.31の「消費税8%、日銀目標達成なら 物価4%上昇家計不安」の記事に、さもありなんと思った。
消費税率が5%から8%に上がると物価も2%上がる。更に日銀は2%の物価目標を掲げているので、2年後は今より4%、4年後には10%上がるというのだ。黒田・日銀総裁は「消費税増税を除いて考える」と言っているそうだから、こうなるらしい。
海外では、2%物価目標で10%位に上がり、2%に下げるのに苦労しているニュースを読んだことがある。だから海外の中央銀行は何時緩和政策を止めるかが、物価目標設定より重要だと見られているそうだ。
国会でも野党議員が「2%を達成した時に止めるのか、達成が見えてきた時に止めるのか」と安倍総理に質問したことがあるが、安倍総理は「専門家の判断に任せる」という一方で、「日銀は過去に、効果が出る前に止めて失敗を繰り返している」という意味の牽制をしていた。
安倍総理に託して良いのか。チョット浮かれている自民党、安倍政権に不安を感じる。
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