2013年4月22日月曜日

日銀は期待感だけで2%物価目標達成を目指すのか

日銀は、期待感だけで2%物価目標達成を目指すのか。日銀は「2年で2%物価目標」達成のために大胆な「質的・量的金融緩和」で「出し惜しみのない」金融政策を発表したが、間もなく副作用らしき経済状況も出てきた。黒田総裁は、当初「懸念すべき副作用は見られない」と強調していたが、今は注視すべき状況にもなったという。さらに日銀は、1%台をめざし物価見通しを上方修正するともいう。

22日の衆議院予算委員会のNHK国会中継で民主党の一川議員が、黒川総裁に「2%物価目標」は、どういう状態にしようとしているのか」、「2%物価目標で生活は楽になり、豊かになると国民を説得できるのか」と問いただした。

黒田総裁は、15年間デフレで物価は上がらず、投資は慎重になり、企業収益や賃金はダウンし、日本経済は沈下した。そのため2%を決め量的・質的金融緩和で悪循環を断ち切り、バランスの良い改善で好循環にもっていくという。

日銀短観によると、中小企業の動向も前向きの方向だが、大企業に比べれば弱い感があり、仕入れ価格も上昇しており、今後は十分に注視していくともいう。

一川議員は、地方では3割は悪化しており、1割は良くなったというが、圧迫されるのではないかと今の景況感を代弁した。

日銀は、「2年で2%物価目標」の期待感で、緩和効果を見込んで物価見通しを0.9%から1%台へ上方修正する予定だという(読売新聞 2013.4.22)。

実体経済への効果がなかなか出てこないので、期待感だけで2%物価目標へ誘導しようとしているのであれば、これこそ説得力のない政策ではないか。

成長率も名目3%、実質2%が目標だ。成長率は労働生産性向上率+労働力伸び率だ。成長率を支えるには女性の就労がポイントになる。安倍総理は女性の活用を経済界に要望するとともに待機児童のゼロも目指している。

間断なく成長戦略に向けて政策提案をしているように思うが、企業頼みの面が大きい。市場にあふれる資金をバブル経済ではなく、実体経済へ投資することなど、今後企業がどう出るかだ。

「政治は大企業と金持ちのためにある」というが、大企業の意識改革がなければ、国民に「2年で2%の物価目標」を説得するのが難しいのではないか。

逆に、物価だけが上がるアンバランスな、好ましくない経済が目前に見えてきたともいえる。

さらにアンバランスな経済が見えてくると、国会審議でも激しい追及があるだろう。消費税増税へのGO判断も安倍政権が経済指標に手を加えて無理な判断をしてGOにするか。

安倍政権、日銀から目が離せない。













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