読売新聞(2013.4.9)によると、前田建設広報は高密度ポリエチレンシートは強度があり、30cmも伸びる可能性を否定した。
私も前田建設の見解が正しいと思う。高密度ポリエチレンシートは引き裂き強度も強く、短期間にこれほどまで切り口が大きくなるとは思えない。
また、地下水槽の下部ではなく、上部の遮水シートの固定部付近の穴だ。日常点検をしっかりやっていれば簡単に異常は発見できるはずだ。
その点検を怠っていたのではないか。そして、なぜ現場の証拠写真を公開しないのか。
総合的に考えると、また東電は簡単なミスとして(事の重大さは別として)、この汚染水流出事故を処理ようとしているのではないか。本当の原因を隠そうとしていないか。
もうひとつ不思議なことは、約29万ベクレルの濃度の汚染水が遮水シート間に流れ込むと、同じ濃度であるべきだが、6000ベクレルと50倍も希釈されている。相当の量の地下水が遮水シート間に流れ込んでいることにならないか。
そう考えると、遮水シートの施工、地下水槽トレンチの法面処理、土羽仕上げ、突起物の除去、法面、底盤の地下水集水に問題があり、遮水シートの継ぎ目、遮水シート自体の破損などが出てきたのではないか。
又、この地下貯水槽の高さは6mであるが、通常は一気に立ち上げるのではなく、高さ3,5mごとに0.5mの犬走りを設けて遮水シートを固定し、シートがずり落ちるのを防止するために2段にするべきではなかったか。産業廃棄物最終処分場の構造基準は、そうなっていたと思う。
公開された遮水シート工前の現場写真 法面、底盤共に地下水集水設備が施さ れていない 地下水と汚染水の遮断は必須条件だ 2013.4.8 日テレ NEWSZERO |
これでは、法面、底盤の地下水の集水システムが見当たらない。
法面、底盤の仕上げがまずかったために、地下水で地盤が荒れて、遮水シートと地盤の密着性が悪くなり、シート破損、継ぎ目の破損に至った可能性もある。
工事費の削減をやったとしたら、遮水シート敷設、特に溶着作業者の技術を落とす結果にもなる。
土木工事での設計、施工に問題があったのではないかと思う。産業廃棄物処分場建設では、地下水と汚染水の遮断は最重要テーマであり、地下水は速やかに系外に排出するのが鉄則である。
東電の地下水槽設置工事は、この点を軽視していたのではないか。
この地下水槽汚染水漏れ事故は、継続して出る汚染水の処理をどうするかの問題であるとともに、より安全な貯水法を検討することが重要である。
東電が導こうとしている安易な原因ではないのだ。
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