読売新聞 2013.4.23 |
議員定数削減の問題を巡り立法機能を優先すべきか、わずかでも議員にかかる費用を削減し「身を切る改革」の姿勢を示すか。讀賣新聞(2013.4.23)が重要な問題提起をした。一方国会では「0増5減」の区割り法案が、今日(23日)衆院で採決されるという。
安倍政権は「1票の格差」解消で「0増5減」を先行するが、野党は抜本対策を議論すべきだと対立している。17日の安倍総理と海江田代表の党首討論でも、安倍総理は「野田政権の時に約束し政治が前へ進んだのだから「0増5減」に協力せよ」と迫ったが、海江田代表は「定数削減が先だ」と拒否した。
讀賣新聞が今、どういう背景があって「定数大幅減 立法府に弊害」の記事を掲載したか分からないが、消費税増税前に国会議員も「身を切る改革を」ということで、議員定数削減を当然のように考えていた。
議員1人にかかる費用は年間約1億円と言われている。衆参併せて国会議員は722人だから議員歳費は約722億円と見ていた。180人減らせば約25%の削減になる。これには300億円を超える政党助成金などは入っていない。讀賣新聞の試算では、180人減らしても120億円の削減で、一般会計予算の0.01%に過ぎないという。
確かに一般会計約92兆円に対しては微々たる金額かもしれないが、現行の議員歳費などから考えると大きい削減額だ。
そのほかに政党助成金もあるし、議員歳費約2500万円の他に秘書経費や非課税の各種優遇経費がかかっている。
政治資金集めに苦労すること無く、政治に時間を割くことが出来き、且つ汚れた疑わしい政治資金を避けることが出来るなどの理由から政党助成金制度が出来、毎年300億円以上が支出されている。しかし、政治資金規正法違反事案を絶つことはできず、民主党政権では重要閣僚が辞任する羽目に至ったことはまだ記憶に新しい。
ほとんどの政党が政党助成金に頼っていることを考えると、「身を切る改革」に入れたくないのだろうし、公金でまかなえる3名の秘書費用(?)も親族など身内を当てるケースも多く、削減すべき経費であり、その他の費用も用途外使用が問題化しており積極的に削減すべきである。
国会議員自ら身を切る改革は出来ないだろうから、第三者委員会で検討すべきではないか。
また、我が国の国会議員数は他国に比べて多すぎないかという疑問があったが、讀賣新聞の記事では議員1人当たりの人口は17万7000人で少ない議員数の国に入るそうだ。何かと参考にしている英国は4万4000人で、議員数は1410人だ。
議員歳費以外に考えなければならないのが、議員数を減らすことによる立法機能に支障を来さないかと讀賣新聞は検証する。委員会の掛け持ちが増え、法案の積み残しが増えるというのだ。
審議内容がいい加減になれば、政権、政権政党や官僚のやりたい放題になるし、大量の積み残し法案が出ることは国民生活に支障を来すことになりかねない。
でも、今の国会のあり方が良いのかと言うことも考えなければならない。
国会審議をNHK中継で見てみても、各党が同じことを質問し、閣僚も「前にも言ったとおり」と冠が付く答弁が多い。予算委員会では、国会外での大臣の発言、週刊誌記事をネタに質問する例も多い。スキャンダルから政権を倒そうとすればそうなるのだが、こんなことに時間を割いても仕方ないことだ。
議員歳費の是非も含めて国会の改革を検討すべきだ。憲法改正がなくても出来ることは沢山ある。
又、選挙になると知名度の高いスポーツ選手、タレントが候補者に上がり、確率高く当選し国会へ登壇している。
しかし、もう一度考えてみよう。この人に税金から年間1億円以上を支出する価値があるかどうかを。
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